ねこたび日記

第二部 佐柳島

2018年5月14日(月) 快晴 
昨日の雨はどこへやら。きれいに晴れ上がった多度津の空。
今朝はいささか朝寝坊できました。昨夜もかなり早めに寝ましたので睡眠時間はタップリ取ってます。(^^)v
いつものように乗船券を買い、9:05発のフェリーを待ちます。
今日は月曜日。そのせいか桟橋には観光客らしい人影は皆無。猫に会いに行くのは私だけ…?
いやよく見るともうお一方おられるような。そのほかは全て地元の方ばかり10人ちょっと。
今日明日は佐柳島。
今回の旅の前半のメインとなります。朝からきれいに晴れ上がってくれて、いい一日が過ごせそうですね。明日も予報は「晴れ」。
それにしても、いつも多度津を出港するときしげしげと見てしまうのですが、このバカ高い高圧線鉄塔。さぞかし鉄塔マニアの方が喜ぶだろうな~と。
紅白に塗り分けられた鉄塔。航空法で高さ60m以上の鉄塔は必ず「昼間航空障害識別」のためにこのように塗り分けなければいけないことになっています。この鉄塔、100m近くありそうですが…。
今日は穏やかな瀬戸内の海。日差しはもうかなり強くて…今日も暑いんだろうな。
高見島を経由して佐柳島へ。今日はいくぶん東寄りの航路を取って島に近づいていきます。途中で右手から航路を横切っていく大型船がいたんですよね。海上交通法では双方の航路が交差する場合は、相手を右に見る方が航路を変更して回避することが義務付けられています。
本浦港に到着。
港にいた猫たちを引き連れるようにしながらゆっくり本浦集落を歩いて行くとあちらからもこちらからもお出迎え。
後からゆっくり歩いてくる島の人たち。さっきの船で着いた荷物を引き取りに行っていた人もおられます。
この佐柳島も花が盛り、黄色、ピンク、白、青…鮮やかな彩の中で猫たちが憩います。
こうして猫と一緒にいるところを通りかかる島の方々。
いつもにこやかに笑って「いらっしゃい」と私に声をかけてくれます。最近の猫ブームでこの島を訪れる人も徐々に増えているはずですが、ちっとも煩がらずに歓迎してくれます。
観光客のマナーがあちこちで問題となっている昨今だけに、なおさらこうやって優しい言葉をかけていただくと、島の方々の静かな暮らしを乱さないようにしなければいけないな、ということを改めて感じますね。
やっぱり今日も日差しは強い。猫たちの中には花のかげで休んでいる子も。
それでも瀬戸内というのは暑くても湿気の少ない日が多い。もちろん梅雨が近づくとそうそうカラリとした日ばかりではありませんが、少なくとも関東関西のようなジメジメした不快感を味わうことは少ないですね。
昔、小学校や中学校の社会の時間に日本地理を習った時のことを思い出しますね。
「瀬戸内海地方は雨が少なく年間を通して穏やかな気候の日が多い」って教科書に書いてあったような。だから香川では「ため池」が多いとも習ったっけ。
夏の季節風は四国山脈に、冬の季節風は中国山地にそれぞれ遮られるため梅雨と秋雨の二つの前線が通過する6・7月と9月以外は雨の日が極端に少なくて特に8月は台風でも来ない限りほとんど晴れの日が続くといいます。風は年間通じて穏やかで弱い。だから波も静か。
ただ、一口に「瀬戸内」と言っても西の端の愛媛県西部(西予地方)は北西側が豊後水道で冬の季節風が吹き抜けやすいために、晴れる日こそ多いものの冬場は風が強く波が高くなりやすい。青島が冬場島に渡る船が連日欠航するのはそれが原因。伊予灘は冬場に関しては瀬戸内式気候とは切り離して考えなければいけないんですね。松山(中予)と青島では冬は気候が違うと言っていいかも。
ただ、この佐柳島のある備讃瀬戸はまさに「内海」でありほんとうに穏やかな日が多い。島の方々の優しさも猫たちのおっとりした性格もいくらかはこの備讃瀬戸特有の気候によるところがあるのかもしれませんね。穏やかな気候の地域に住んでいると人間も動物も優しくなるのかもしれません…。
瀬戸内の気候に思いを馳せたら、なぜだか急に中学校時代のあの地図帳をもう一度見たくなりました。子供の頃、あのカラフルな地図帳を見るのが大好きでしたね。
数学の時間に机の上で地図帳広げていて先生に怒られたことがあったっけ。(^^;
海辺までついてきた二匹。片方の子がなぜか私のバッグに興味津々。
バッグのショルダーの中に頭を突っ込んで…。
「ねえ。これ、私にちょうだい!」
あの~、キミには背負えないと思うけどね。(^^;
こちらでは二匹の猫がなにやらお話ちゅう。親子ですかね~?なんだか左側の猫が右側の子にお説教垂れているような気も。
もうかなり太陽は高く昇っていて気温も上がっています。でも猫たちは思いのほか活発で…。
今日は外来者が少ないからでしょうか。私が歩いて行くとみんな近くに寄ってきます。(^^;
こういう写真を出すと、「手前にエサ置いて撮ったんでしょ?」なんて言う人がいますが、そんなことはしていません。
そもそもそんなことをしても猫たちはエサだけ食べたらストッと下に下りてしまったりピントの合わない至近まで寄って来てしまったりしますので、「エサで釣る撮影」というのははっきり言って「愚者の浅知恵」です。アホのやることですな。(^^;
「にわか猫カメラマン」の方はそのあたりを錯覚されているようで。
私はエサをあげるときは純粋にあげるだけ。写真を撮るときはエサは使いません。なぜってそんなことやってたらエサがいくらあっても足りないから。唯一例外は「飛び猫」を撮るときくらいかな…。エサはむしろ撮影終わった後のお礼、というか「モデル料」ですね。
猫の習性というのをよくわかっていればある程度次の行動の予測はできます。だから「待ってる」ことが多い。
そもそも必死になってカメラ振りかざして猫追い掛け回しても疲れるだけです。いやそういった姿勢は猫は敏感に察知しますから却って緊張感が伝わって逆効果ですね。
どうせ時間はたっぷりあるんですから、じっと猫たちをのんびり眺めながら「あ、ここに来そうだな」と感じたときだけおもむろにカメラを構えればいいだけ。
「待つ」ことができない人には猫写真は不向きです。
「猫と遊んでいるついでに時々写真撮る」くらいがちょうどいい。
そういう意味で、私が撮影用の小道具として比較的多用するのはネコジャラシ。
これだと猫と遊んでコミュニケーション取りながら撮影できるし、慣れてくればうまく猫の目線を引くこともできる。今回ネコジャラシは3本持ってきています。たま~に壊されてしまうこともあるので予備がないとね。(^^;
本浦集落で午前中いっぱいのんびり。そろそろお腹も空いてきたので集落を離れて長崎方向に移動。今日はお昼ごはんのオニギリは買ってきていません。どうするんだって?
ちゃんとアテがあるんです♪
八幡神社では猫たちが日陰で休憩中。私もちょっとここで一休み。時間はゆっくり流れていきます。
さらにしばらく歩いて行くと旧佐柳小中学校。今日はここで昼食です。
前回、昨年の秋に来た時はたまたま臨時休業の日に当たってしまいましたが、昨年夏からこのかつての学校校舎を利用して「喫茶ネコノシマ」「ネコノシマホステル」が開業しました。今までは四国本土で昼食を用意して来ないといけませんでしたが、今はここでお昼ご飯にありつけます(ただし数量限定ですから予め予約しておいたほうが無難)。また旧校舎を簡易宿泊施設とした「ネコノシマホステル」は、これまで不可能だった早朝や夕方(あるいは夜)の猫たちの撮影を可能にしてくれました。
私も今日はここで宿泊することにしています。予約を入れたのはつい4日前。ちなみにGWはほぼ満室となったそうです。
「ネコノシマホステル」…この言葉だけ見ると、いかにも「猫ブーム」に便乗した商業主義で作られたような感じを受けます(実際そう誤解している人もいるようです)が、そうではありません。
この旧小学校は廃校後一時期自然体験施設として開放されたのですが、利用者もほとんどなく校舎は荒れる一方で取り壊しまで検討されていました。現に私が初めてこの佐柳島を訪れた3年前には地元の人から「あの学校はいずれ壊されるじゃろうねぇ…」と聞かされていました。
島の人々の高齢化は進み「限界集落」に刻一刻と近づいていく佐柳島。猫目当てに訪れる人がたまにいてもそれが島の活性化につながることなどあるはずもなく、ただ時間だけが過ぎていき島自体が「老い」を重ねていくばかり。若い人が島に戻ってこない限り…。
そこへ大阪から移住されてきたのがMさんご夫妻。
ご主人のお父上は佐柳島出身。
「父の故郷である素敵な佐柳島をこのまま後世に残して行きたい」「島の人口は減ってきている。今誰かがやらないと」という思いを抱いての決断だったそうです。
単に猫目当ての観光客のための施設、というわけではなく地元の佐柳島および対岸の多度津町の方々のコミュニケーションの場として、多度津町の地域おこしの一環として町の援助を受けて旧学校を改装し宿泊施設に生まれ変わらせました(佐柳島出身者とそのご家族等は割引料金で泊まれます)。これがゆくゆくは若い世代の呼び戻しにつながってくれればいいと。
移住されるにあたっては知人友人からかなり反対の声や心配する声があったんだそうです。
「あんな不便なところに行ってどうするの!」と。
他ならぬ御父上もご心配されていたとか。
それでも決断するや否や、大阪での仕事を辞めて島へ移り住んできたMさんご夫婦。もちろん猫は大好きで、この佐柳島の猫たちの島民の方々と共生している姿に動かされるものもあったそうです。これが猫の本来の姿だと。
島の方々とも懇意で、時々ここには本浦・長崎両集落の方々から差し入れが届くこともあるといいます。
商業主義でできた都会の「猫カフェ」などという所とは全然違うのです。
(私がこれだけの猫好きでありながら「猫カフェ」というところには全く足を運ぼうとしないのは、その裏に「猫を餌にした商業主義」のニオイを感じるからです…)
少しでも島に活気が戻ったら。そして後に続く人が出て来てくれたなら。
そういうMさん夫妻の思い、応援したいですね。
私も、この佐柳島がいつまでも猫と人が笑顔でいられる素敵な場所であってほしいから…。
さて、お昼ご飯に注文したのはカレーライス。これはなかなかの美味でした。スープがつきます。
カフェラウンジは昔の職員室。懐かしい黒板もそのままです。こういう木造の校舎、東京あたりの都市部だと私の世代が実際に見ている最後の世代かな。確か私の母校も小学校二年の頃までは木造校舎だった記憶が…。
何気なく上に設置されたままの校内放送のスピーカーも懐かしいですね。
昼休みの放送でよく音楽流れてたっけ。「ペルシャの市場にて」とか「クシコスの郵便馬車」とか。(^^;
ゆったりと食事をしてコーヒーを飲んでひと息。
チェックインは17:00からということですが、荷物は預かってくれるそうなので背負いのバッグを預けて身軽になって再び外へ出ます。
さてちょっと長崎へ行って来ましょうか。
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