Northern White ~北の絵日記~

 
 2月11日(土) 曇りのち雪 
 
暖かい朝でした。-9℃。
音羽橋、気嵐も出ていないし霧氷もつかない。
そのせいか、橋の上の人出も昨日一昨日に比べると格段に少ないです。皆よく知ってますね。(^^;
でも見栄えのいい天気だけが全てじゃない。野外写真は嵐以外の全天候がフィールド。
曇りの日には曇りの日の表情がある。
陽が昇る前の塒。こうやって見ると気温は高くても寒々とした表情になります。不思議なものですね。曇ってるとこうなるんだな~。

暖かいから早目に塒を出たタンチョウが多かったのか、この日は数が少ないような感じがしました。右手の岸を上がった荒地のほうでだいぶ鳴き合いの声が聞こえたような。

ハクチョウがいました。でもこれは、まだ羽根が黒い若鳥。

このツルは下流から延々と歩いてきて、私たちが立っている橋の下をくぐっていきます。ヒトがいることなど全然頓着してないですね。(^^;

上流側を見るとしきりに鳴いているツルがいました。これに呼ばれて歩いてきたんでしょう。

今日は雪の予報が出ていますが、どうやら昨晩もいくらか降ったようで。中州や岸の雪が新しいのがわかります。

その雪に期待して…。
朝食をとって一休みした後はサンクチュアリへ。
実を言うとずっと雪降りを期待していたんですが、こっちに来てからというもの鶴居村の週間天気予報は雪マークがついたり消えたり。
tenki.jpとYahoo、それにウェザーニュースでそれぞれ予報が違うのはいいとして、雪マークが消えるときは三社いっせいに消えるし、つくときはいっせいにつく。まあ、元にしてるのはどこも気象庁のデータだろうから仕方ないと言えば仕方ないんだけど、本当にヤキモキさせられましたよ。
でも昨日の時点でしっかり三社とも今日の予報に雪マークがついて。さすがに翌日の予報は外さないでしょう、と。

サンクチュアリで雪降りシーンを撮るとなると私には定位置があります。天気を問わず多くの人が斜面になっている柵の最上段側に行きたがるのを尻目に、私は一番下、休憩場所のある小屋の前に陣取る…つもりが、あれ?先客がいる。
ここは普通の人は敬遠する場所なのにねぇ。

と思ったら、Agさんでした。(^^;
そう、この場所はもともとAgさんの十八番の場所。私はAgさんがやっているのを見て「なるほど」と思ってそれを真似し始めたにすぎません。(^^;
幸い、Agさんの隣が開いていたのでそこに三脚を立てさせてもらいます。
ただ、普通に三脚を立てただけでは高台の上のタンチョウが隠れてしまうので、4段全開にして。こうすると脚立がないと背が届かなくなりますが、ここには木の切り株を使った踏み台があります。今日はそれをAgさんが2個使っていたんだけど、1個譲ってもらいました。

この位置からだと背景が林になるので雪降りを撮るには都合がいいんですよね。ただ、ひとつだけ難点が…左手の林の裏にヒッコリーウインドが建っているんですが、あれの白い壁がちょっと目立つ。できるだけそこを画角から外したいんですが…入れざるを得ないときは絞りを開放にしてぼかし飛ばすようにしています。(^^;
10時過ぎくらいまでは細かい雪でしたが、次第に気温が上がり始めると雪の粒が大きくなってきて。
Agさんは阿寒に移動するというのでベスポジを譲ってもらいました♪
成鳥と幼鳥が向かい合って。親子ですね。

甘えるように幼鳥が親鳥に顔を近づけて…。
親鳥から嘴移しで餌をもらう仕草。甘えてますね。

親子の情愛が感じられるシーンですけど、もう2月も半ばにさしかかっています。幼鳥が親鳥に甘えていられるのもあと半月か三週間か…まもなく悲しい子別れの季節。3月になると親鳥は新しい繁殖に入るために自分の子供を激しい攻撃で追い払います。泣きながら親鳥にすがりつこうとする幼鳥を突き、蹴り、追い飛ばす。
でもこれは全てのタンチョウが一度は経験しなければならない試練。タンチョウだけではない、野生動物は皆そうですね。人間のようにいつまでも親離れできない子供は生き残っていけません。
その時がくるまでの僅かな時間、たっぷりお母さんに甘えておきなさい…。


雪が激しくなってきました。

こうなるとレンズを保護しなきゃいけないのでレインカバーを被せます。人間は…フードさえ被っていれば大丈夫。今時期の雪は比較的乾いているから払えば落ちます。濡れるということはないですからね。でもカメラやレンズは万一のことがあるから。

雪降る中、長々と毛づくろいをしている番。
鳥類の中には番で互いに羽づくろいしあう鳥も多いですけど、タンチョウはそういうことはしません。自分の羽は自分で手入れするのが鉄則??のようで。(^^;
写真撮ってる人の中にはこのポーズ、「つまらない」と言ってる人もいますが、これはツルにとって大事なこと。
手入れがされていない羽根は飛ぶときに支障が出かねないし、保温上も問題がある。だから彼らはのべつ幕なしにと言っていいくらい給餌場にいるときは羽づくろいをしています。これは晴れている時でも同じですが、雪が降って来たとなればなおさら。

これも動画で撮ってみました。
細かい雪がけっこう激しく降っているのがわかると思います。
「ピー、ピー」と聞こえるのは幼鳥の声です。ただ声だけ聴いたらツルの声とは思えませんよね。でも幼鳥たちは子別れ前後に「声変わり」の時期を迎え、夏になる前に大人のタンチョウと同じ声になります。
やがて14時の給餌の時間。

雪が降っていようが晴れていようが、ゴハンの前後ははしゃぐ?のは変わりありません。ある意味ツルも猫も同じですね。(^^;

あちこちでダンスが。

ただ背景が林でないところに行かれると苦しいですね~。時としてAFが迷う。(^^;

雪が降っていてもやはり塒帰りの時間は同じか…14:30を過ぎると三々五々タンチョウたちは高台側に登り始めて…。

風を読み、飛び立っていきます。

「俺たちもそろそろ帰るか…」「そうね」
そんな会話をしていそうな番。

15:00過ぎに私も三脚を畳みました。
明日は…やはり雪が降るという予報。ちょっとまた楽しみに♪

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