大井川鐵道 撮影にあたって
マナー遵守のお願い
古い話ですが、1989年の7月23日に大井川鐵道でC56+C12+C11の三重連運転が行われました。当日は多くのファンが押し寄せ、盛況でしたが、運転が終わったあとの各撮影地の惨状は目も当てられないほどでした。特に有名撮影地である第一橋梁(そのころは橋梁の笹間渡側は茶畑でした)や第二橋梁では、撮影者の捨てたゴミがあちこちに放置され、さらには茶畑に無断で入り、茶株の中に三脚を立てて(マムシにかまれた人もいましたが・・・)お茶の木をキズだらけにしたり、作物の植えてある畑の中に入って踏み荒らしたり・・・。また、クルマを道路わきに縦列駐車させて交通の妨げになったり、あるいは地元の方に「どけ!」と暴言を吐いたり、という傍若無人な行為が相次ぎました。
そのため、さすがに温厚な沿線の住民の方も怒ってしまい、当日朝から鐵道側に苦情が相次ぎ、この日以降、あれほど鉄道ファンに人当たりのよかった沿線の方々は、しばらくの間、鉄道ファンに対して最悪のイメージをいだくようになってしまったのです。あれから長い年月が経ち、あのころの記憶は徐々に薄れ、沿線の方々も気持ちよく我々に接してくれるようになりました。 しかし、一部ではいまだに撮影者に対して厳しい目を向けている地元の方もおられることも事実です。
ついては、地元の方々とファンとの信頼関係を持続させ、楽しい撮影を行っていくために、ぜひ以下に示す点に注意して楽しく撮影を行ってください。
もちろん、大井川鐵道だけではなく全国どこの撮影地でも共通する基本的なことではありますが、あの悲劇を二度と繰り返したくない、平和な大井川が土足で踏みにじられるのは見たくない、というファン共通の心理に基づいて書いたものです。このようなことを私が偉そうに書くことははなはだ僭越であるとは存じておりますが、どうかその点をご理解のうえ、ご協力をお願いいたします。
1.危険な行為はしないこと
撮影に際し、たとえば線路にあまりにも接近して三脚を立てる、等の行為は絶対にやめてください。大きなカーブのアウト側で線路の両側に足場の余裕がないところでこういうケースがあるとのことです。そのような場所での撮影は避けましょう。また、もろい足場や崖、トンネルポータルなどでの撮影も避けてください。事故や怪我人が出てしまってはおしまいです。
2.私有地に無断で入らないこと
以前、第二橋梁崎平側の茶畑に「お茶の木が泣いています。入らないで下さい」という立て札が出現しました。
以前の大井川ではこんなことはありませんでした。温厚な地元の方々は、お願いすれば茶畑のあぜ道からの撮影をさせてくれたものです。しかし、近年、無断で茶畑に入り、しかも三脚をお茶の木の株の中に突き刺して撮影している人がいるそうです。お茶の木は、この沿線の方々にとって命の次に大事なものです。傷つけたり、折ったりするようなことがあれば、それはその茶畑を持っている方の生活財産を破壊することになります。また、ゾロゾロと茶畑の中に入って列をなして撮影することは、その茶畑での作業の邪魔になります。(特に夏場の昼間は散水作業をすることがあります)
茶畑には決して無断で入らないでください。また、仮に許可を得て入った場合でも、撮影する場所は1メートル以上の広い幅のある畦だけに限定してください。三脚でお茶の木を傷つけることになります。
また、茶畑以外の畑も同様です。私たちは「他人様の土地を借りて写真を撮らせてもらっているのだ」という意識を常に念頭においておく必要があります。
3.ゴミは持ち帰ること(ゴミ袋を持って撮影に行こう!)
撮影地に空き缶、弁当箱、フィルムケース、たばこの吸殻(これは火災の危険もあります)などのゴミを捨てることは言語道断です。これは今更述べることでもないと思いますが、自分で作り出したゴミは自分で持ち帰ってください。注意していただきたいのは、笹間渡など各駅のゴミ箱は小さなもので、多くの方が捨てるとすぐ満杯になってしまいます。以前も駅のゴミ箱があふれた上にさらにゴミが積み重ねられ、結局駅のゴミ箱の周りにゴミが無秩序に散乱している、という結果になりました。ですから、駅のゴミ箱などを当てにせず、各自が持ち帰るようにしてください。できれば撮影に来られる方は、各自大き目のゴミ袋を持っていき、撮影が終わったら、周囲のゴミを(たとえ自分が捨てたものでなくとも、今日のゴミでなくとも)拾っていただけると助かります。地元の方の好感度もアップするでしょう。各撮影地でみんながこれを行えば、沿線はたちどころにきれいになります。
理想を言えば、ゴミを拾おうと思ったら「なんだ〜、ゴミなんかどこにも見当たらないじゃないか!ハッハッハ」ということになるのが最高なんですが・・・。
4.違法駐車・迷惑駐車はしないように
最近はクルマで撮影に来られる方も多いと思いますが、駐車場所には充分気をつけてください。まちがっても道路に縦列駐車をして交通の妨げを作ったり、家の軒先など地元の方の迷惑になる場所に停めてはいけません。近年、大井川鐵道に併行する県道・国道はかなり整備され、「追っかけ」も可能にはなりましたが、何分にも交通量が多いのに加えて道路は起伏が多く見通しの悪い地点も多数ありますので、ムリな運転によって事故などを起こすことがないように十分注意してください。
5.地元の方には挨拶を!
大井川沿線の地元の方々は、親切な方々ばなりです。これは土地柄でしょう。さきほども書いたとおり、私たちは地元の方々の土地を借りて撮影をさせていただくのですから(そこが私有地であろうとなかろうと)、地元の方たちに道で会ったら、こちらから「こんにちは!」と声をかけてください。必ず明るい返事が返ってくるでしょうし、鉄道ファンに対する好感度も増すはずです。特にこの地域の小中学生は、彼らのほうから「こんにちは!」と挨拶してきます。(学校でそう教えられています)こちらも元気に「こんにちは!」と挨拶を返してください。いい大人が挨拶ひとつできないようでは情けないですよ!
また、撮影地などで地元の方が農作業などでファインダーに入ってしまうことがあります。そうしたときに「どけ!」などと傍若無人な言葉を吐く人がいますが(←何様のつもりでしょう?)、決してそういうことはしてはいけません。向こうは仕事でそこにいるのです。こちらは趣味で写真を撮っているだけなのです。むしろそうした情景を活かして写真を撮ることが楽しいと思いますが・・・。どうしても「オレは人なんか入れたくない!汽車だけ撮りたい!」という方は橋梁を遠くから長ダマで撮れば、そういう苦労をしなくてすみます。
6.草木の伐採はしないこと
最近、あちこちの線区で「木の枝が切られた」という報道があり、問題視されています。正直、大井川だけはこうしたこととは無関係だと思っていましたが、近年再びそうした苦情が地元から出るようになりました。これは計画的かつ確信犯らしく、高枝切りバサミやノコギリをクルマに積んでいたそうです。地元の方が注意したら「ここは畑じゃないからいいだろ!」と居直ったそうです。そのクルマのナンバーを控えて警察に届けたそうですが・・・。木の枝がファインダーに入るのがイヤならば場所を変えればいいのです。「写真」という言葉は読んで字のごとく「真実を写す」のですから、あるものをあるがままに写す、のが本当です。細工するのは露出だけにしてほしいものです。こうした行為を見たら、周囲の人は断固としてやめさせてください。。
7.大井川鐵道の収益にご協力を!
これはマナーの問題ではないですが、お願いということで・・・。最近はクルマで撮影に来る方が多くなりましたが、そうした方々はどうしても地元にお金を落とすのは宿泊と食事だけ、という方が多く、蒸気機関車を運行している大井川鐵道本体にはなかなかお金を使ってくれない、というケースが多いようです。しかし、大井川鐵道も決してラクではない経営状況なのですから、せめて乗車券や入場券の購入(硬券がありますよ!)や新金谷ロコプラザあるいは千頭の売店でSLグッズ(Tシャツなんかはオススメです!)を買うなどして、鐵道に感謝の意味をこめてお金を使ってくれると嬉しいです。もちろん、これは強制はできませんが・・・。皆さんが大井川鐵道に落としたわずかなお金がたくさん集まって、明日の蒸機動態保存のエネルギーとなるのですから・・・。
8.仲良く楽しく撮りましょう!
最後になりましたが、沿線にはいろんなところかた来られたファンの方が来られると思います。撮影地で一緒になったら、「袖擦りあうも多少の縁」、お互いに気持ちよく挨拶して、なごやかに、和気あいあいと撮影しましょう。そうすればお互いに貴重な情報交換もできるかもしれません。最近、こちらから挨拶しても、無言でファインダーを覗いているだけの人が多くて寂しい思いをすることもありますが、ホンネはみんな、一緒に楽しく撮りたいはず。ちょっと恥ずかしがりやさんが多いだけなのかも。まずお互いに「こんにちは!」と挨拶しましょう!別に大きな声じゃなくていいんです。罵声が飛び交う撮影地より笑い声が起こる撮影地のほうが楽しいでしょ?
後から来た人は先客に気を遣い、先に来ていた人は後から来た人ができるだけ撮りやすいようにお互い協力しましょう。そしてお互い自己紹介などして交流を深めてください。何十年かして、「そういえば最初に会ったのは大井川・・・」とお互い言えるような友達を作れたら最高です!
「マナー遵守のお願い」を掲載・リンク頂いた方々、まことにありがとうございました。
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草凪みかん