『THE WALL』 PINK FLOYD (1979)

(CD1)
1.IN THE FLESH?
2.THE THIN ICE
3.ANOTHER BRICK IN THE WALL(PART 1)
4.THE HAPPIEST DAYS OF OUR LIVES
5.ANOTHER BRICK IN THE WALL(PART 2)
6.MOTHER
7.GOODBYE BLUE SKY
8.EMPTY SPACES
9.YOUNG LUST
10.ONE OF MY TURNS
11.DON'T LEAVE ME NOW
12.ANOTHER BRICK IN THE WALL(PART 3)
13.GOODBYE CRUEL WORLD

(CD2)
1.HEY YOU
2.IS THERE ANYBODY OUT THERE?
3.NOBODY HOME
4.VERA
5.BRING THE BOYS BACK HOME
6.COMFORTABLY NUMB
7.THE SHOW MUST GO ON
8.IN THE FRESH
9.RUN LIKE HELL
10.WAITING FOR THE WORMS
11.STOP
12.THE TRIAL
13.OUTSIDE THE WALL



前作から3年後、79/11発表です。前3作は長い曲中心でしたが
本作は小曲ばかり。しかも2枚組です。それだけで?って感じですね。
内容に移る前に重要事項を一つ。ロジャーと他3人との仲は更に悪くなり
本作ではトニー・レヴィン等のゲストミュージシャンが多数参加してます。
クレジットが無いので詳細は不明ですが、ロジャー主導で製作された事だけは確かであり
他のメンバーはゲスト参加に近い存在だったかもしれません。では中身へ!


先ずは物悲しいインスト。それを打ち破る様に1が始まります。
実に衝撃的なイントロっ!恐ろしい程にヘヴィかつ破壊的です。
歌はロジャー。語る様に歌います。コーラスが実に効いてるね。
最後は戦闘機の爆音でエンディング!大迫力っ!極めて壮絶!!


意味深な赤ん坊の泣き声から2。歌はデヴィッドからロジャー。
1の緊張感を引き継いでます。ラストは劇的な展開。さて次は?


3は極めて重い感じ。Gの多重録音が雰囲気を醸し出してます。
嫌でも心が沈みますな。音空間自体は美しかったりもするけど。


ヘリの音とロジャーの叫びから4へ。実に硬質な音で迫ります。
この曲は繋ぎって感じ。3から5はまとめて1曲と捉えたいな。


んで5。シングルカットで全米1位を記録した大ヒット曲です。
80年の年間でも2位。んな暗い曲がアメリカで爆売れとは。。
歌はデヴィッド。子供達のコーラスが心に響きます。つか怖し。
暗いイメージが強い曲ですが、歌はとってもメロディアスなり。
終盤のGソロも同様。色んな意味でセンスの凄さを感じますな。


6はバラードナンバー。先ずロジャーがアコギ一本で歌います。
感傷的というより、むしろ安堵を感じます。肩の力が抜けます。
続いてデヴィッドの歌からGソロへ。短いソロだけど実に良し♪
コレで起承転結の起が終わり。既にアルバム一枚聴いた気分。。


7は小鳥のさえずりより。気持ち爽やかですが微妙に重い感じ。
”さよなら、青空”です。デヴィッドの歌は実に爽やかですが。


続く8は「WELCOME TO THE MACHINE」に近い雰囲気。
前作にもありましたな。得意の曲調というか、あまりにも重し。


ロジャーの歌からデヴィッドの歌へ切り替わるとこから9です。
力強い歌が印象的。軽快なサビも良い感じ。Gソロは刺激重視。


10はサントラ風より。シンセの音が特徴的。実に気持ち悪し。
突然ヴォルテージを上げます。Gソロ前後の展開もナイスです。
派手に使ったSEも実に効いてます。かなり作り込まれてます。


11は10に近い感じ。この感じが「承」を印象付けてますね。
歌はロジャーの語りって感じ。歌じゃないな。雰囲気モノです。


何かを叩き壊す音に続いて12。今度はロジャーが歌ってます。
先の2つと違って無理に明るくした様な曲調が違和感あるかな。
やっぱパート2が一番良いね。コレはアウトテイクな感じです。


「承」のラストは13。ロジャーが静かな歌で締めくくります。


んで「転」へ。1は「PIGS」風。デヴィッドが感傷的に歌います。
徐々にテンションアップ。Gソロは壮大かつヘヴィに展開です。
泣きのGソロも短いながら強力!後半はロジャーが歌ってます。


2は神秘的な音をバックに曲タイトルを連呼します。繋ぎです。
アコギとストリングスを主とした物悲しい展開は実に良い感じ。


3はバラード。ロジャーがピアノとストリングス(とラジオ)を
バックに歌います。牧歌的な歌が心地良し♪アレンジも良いね。


4もバラード。前の3に近い雰囲気です。コレも良いんだなあ。
後半におけるオペラ的な展開も実に強力です。アイディア豊富!


5は繋ぎのSE。


そして6。空へ舞う様な音世界をバックにロジャーが歌います。
とってもマイルドかつメロディアス♪。B面がウソの様ですな。
歌がデヴィッドに変わると一気に美の世界へ!抜群の爽やかさ♪
Gソロは最高の一言っ!本作最大の聴きどころかもしれません。
完璧でしょう。2度目のGソロはもっと最高っ!極めて劇的っ!
あまりにも素晴らしき!文句無しの名曲です。いやあ凄いね。。


さあ「結」です。7は爽やかなコーラスより。心が洗われます。
ホノボノしてますね。体の力が抜けますな。んで怒涛の終盤へ!


8はCD1の1と同曲ですが、歌詞や曲構成等が異なってます。
2度目のオープニングと言うより、仕切り直しと言った感じね。
やはり刺激的っ!あまりにも強烈っ!コレこそ名曲と言いたい。


9は躍動感の強いチューン。テンションがウンと上がりますな。
ロジャーの力強い歌も印象的。歌というかシャウトって感じね。
Keyソロが何気にナイス♪効果音も何気に懲りまくってます。


10は7同様のイントロより。少しずつヘヴィーに展開します。
デヴィッドとロジャーの歌が細かくミックスされてる点に注目。
効果音も含めて作り込まれてます。終盤のコーラスも実に強力!


11は小曲。ロジャーが静かに歌います。さあフィナーレへ!!


で12。歌劇風のオーケストラをバックにロジャーが歌います。
訴える様な力強い歌が超刺激的!アレンジも絶妙に絡んでます。
終盤はG、B、D等も加わって、豪快にテンションを上げます。
ラストは「壁は破壊しろっ!!!」の連呼っ!そして爆発音っ!
壁が崩れ落ちます。。言葉を絶する壮絶な世界なり。凄い。。。


最後の13は本作の冒頭で少しだけ流れた物悲しいメロディー。
何もかもが終わった後の安堵感に満ちてます。凄いなぁ。。。。


(2010/11/22)