−「政局より大局を」−

【要新経済構築論】


野田首相は5日、都内のホテルで開かれた経団連など経済3団体の新年祝賀パーティーで、自民党の谷垣総裁と公明党の山口代表に 向け、社会保障・税一体改革に関する与野党協議に応じるよう呼びかけた(読売新聞)。


今年も景気の底冷えで我慢を余儀なくされる生活が続いています。経済は、市場が我慢すると、消費が落ち込み、不景気になります。 この我慢の傾向が続く限り、デフレは回復しません。増税議論は、こんな落ち込んだ市場を更に悪化させる懸念があります。 政府は、不景気なんて治癒しない。増税で財源だけ確保すれば良いと考えているようです。

TPPで新たな経済成長を目論んでいるようですが、全品目に関して市場の規制を解除すると、市場は相当な混乱を生みます。 新自由主義が提案する規制解除政策(構造改革)は、歴史的に見ても市場を混乱させただけで、却って市場の景気を悪化させています。 その失敗を踏まえないで、最期の全品目規制解除に臨もうとする政府の考えは、私みたいな庶民には理解できかねます。

増税政策は、昔のお上の常等戦略。TPPはアメリカの新自由主義者達が提案する経済戦略の一部。野田首相は、この2つの戦略を 武器として難局を乗り越えようとしていますが、どれも借りてきた理論。主体性のある政策ではない。 その陰に潜んでいる前原氏に操られているんですから、お先真っ暗。何故って、前原氏は新自由主義者だからです。

あー、それを知らずに支持してきた私は、たわけ者です(涙)。

ところで、今日のように景気が悪くなった要因は人口が増加しなくなったためであり、人口が増えれば経済成長が見込めるという ハチャメチャな愚論を言っている経済学者・政治家・官僚がいますが、こんな人達が不景気の要因を正確に把握できていないのは非常 に残念です。

資本主義経済というのは、ねずみ講と同じで、ある程度成長が成熟したらそこから成長がストップします。

成長が低迷した資本主義社会では、コスト削減による価格競争へと突き進みますが、コスト削減によってクビを切られた失業者達は 消費者どころか社会保障者へと転落します。資本家達は、コスト削減主義により消費者を市場から追い出してしまいました。 これは経済成長を自ら止めているのです。ここで、人口を増加すれば、消費者が増えて市場は回復方向に向かうと説きます。 しかし、そんな夢みたいなことは起こりません。人的資源を限りなく削減した社会では、消費の中核となる労働者(消費者)の増加は 見込めないのです。資産を持った労働者(消費者)が天から降って沸いてくるのでしょうか?そんな夢の社会はありえません。 即ち、労働者の激減する社会では消費者は増加せず、却って失業者となり、社会保障費を圧迫させるだけなのです。

消費者を増加させるためには、消費者となる労働者を沢山輩出しなければならないのです。しかし、現実の社会はこれとは逆行し、 労働者を沢山切り捨てて消費者を削減させる世の中になっているのです。この矛盾・齟齬を解消しない限り、経済成長は見込めないと 考えるのが通常の思考能力を持つ人達です。残念ながら、日本社会を牛耳っているエリートと呼ばれる人達の頭では理解できないよう です。

「政局よりも大局」を考えて欲しいと呼びかける野田首相。この人が一番、大局が見えていないご様子。 その場限りのしのぎ政策を押し付けるだけです。今、明日に繋がる消費経済社会のシステム構築が重要な課題なのです。 リーダーとしては、それを国民・国家・世界社会に提案していかなければならないと思うのです。

理想とする国家像が見えない。野田首相、あなたじゃ駄目なんです。

TVで流れていたものが耳に残っていたのですが、ダーウィンは、その進化論で勝ち残れる種は強いものではなく、 進化できるものと説いているそうです。時代は、進化して生き残れる新たな経済システムの提案を待ち望んでいるのです。 それは、新自由主義者の唱える規制の撤廃ではないことだけは明らかなのです。




− 2012/01/06 written by kazkaz −