−「今だから考える憲法問題」(二院制廃止論)−
小さな議会を考える・・。
憲法で規定されている議会の二院制(衆議院・参議院の両院)制度は、権力の行使を慎重に行うための安全装置として設けられている。
しかし、二院制では、与野党の勢力の逆転現象などで多数派衆議院の意向も多数派参議院の反対で法律化は困難な状況を生み出す。
多数派衆議院がその議席の3分の2を占めれば、衆議院の優越で強行な再可決も可能であるが、 そうでなければ参議院の反対で法律化はできない。
即時に必要な法案を通す場合も、この参議院による国家の安全装置が障害となって時の政府の必要とする法案を可決できない。
震災後の現状では、野党が協力してくれているからそれに支障はないが、これも一時的なもので、震災騒動がある程度落ち着けば、 また権力争いの構図が出てきて、与党で多数派を占める衆議院であっても、 野党で多数派を占める参議院による阻止で政府の法律案の可決は難しい状況となる。
すなわち、国家の安全装置が支障になっているのであれば、それを排除する必要がある。
そのためには、今、憲法を改正し、参議院を廃止して、一院制の議会構築を図る必要があると思われる。
なお、一院制の問題を考えると、その時の政府の強行採決で法案が決まるので、安全装置が機能しないと危惧されるかもしれない。 その場合、例えば、衆議院のリコール制度を創設する手も考えられるが、それでは政局が安定しない。衆議院の総選挙を待って真意を問えば問題ないと考えられる。
震災復興の道筋は長い。議会運営を野党の意向を聞きながら推し進めるのは少し無理がある。こんな時代だからこそ、重 要な法律案は迅速な手続きを経て法制化されることが望ましい。
日本の震災復興のためには小さな議会が嘱望される。今できることをやろう。そう思うのである。
*2011/05/09修正
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