−「定住外国人の参政権の一考察」−

法的観点から考える・・。


昨今、外国人,特に日本国に永年定住する外国人に参政権を与えるべきか否かが議論されている。

従来より、参政権はその性質上外国人には認められないと考えられてきた。すなわち、国民主権を標榜する日本国憲法下では、 その主権の行使の主体は国民に限り認められるものであると考えられていたからである。

また、憲法15条1項の規定の解釈にもよる。

(憲法15条1項)
公務員を選定し、及びこれを罷免することは、「国民固有の権利」である。

すなわち、参政権は、「国民固有の権利」であり、ここで規定される国民とは、 憲法10条の規定を受けた国籍法により定まる日本国籍を有した者に限定されるから、 日本国籍を有しない外国人に参政権を認めることは憲法違反であると解するのである。

しかしながら、高橋和之教授の著書「立憲主義と日本国憲法第2版」では、国民主権にいう「国民」は、 前述のように、国籍とは異なるレベルの「国家構成員」(国家以前の社会構成員)であり、 仮に定住外国人がこの意味での国家構成員であるとすれば、主権者として当然に参政権をもつということになるはずであり、 その参政権が国籍を有しないことを理由に奪われてもよいのかと問題指摘されている。

この指摘・解釈は大いに拝借すべきである。

そこで、私見では、この解釈の方向性を参酌し、憲法10条の規定による国民の要件の定め方を修正することを提案する。 すなわち、国籍法を改正するか新たな法律を制定し、例えば、「定住外国人は日本国民たる地位に準ずる。」旨規定する。 国民の要件を国籍要件以外にも拡充させれば良いのである。 これには、国籍要件だけで国民を規定する国籍主義者からは違憲上許容できないと異論が出るかもしれない。 しかし、国民たる要件は、上述の高橋教授の説の通り、憲法以前の存在である社会構成員として捉えることができ、 定住外国者を排除することはできないと考える。従って、定住外国人を国民と準ずる地位に置くことは違憲上許容される。 このように、違憲とならない範囲で法律を修正すれば、憲法15条及び10条の問題は解消され、定住外国人にも参政権を付与することは可能となると思われる。

このようにして憲法を改正せずに法的問題が解消できるとすれば、あとは、 日本国民が定住外国人に参政権を付与すべきか否かの議論となるであろう。

定住外国人も国家の構成員である。そのことを忘れてはならない。



− 2011/02/12 written by kazkaz −