官民合同研修について                             

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1 地方自治体の必要性の背景

 次のような理由から、変化を先取し、あるいは独自の行政を展開できる政策マン(創造型・戦略型人材)が要請されるようになった。
 ・地方分権によって政策形成の展開が必要になり、そのための人材育成が緊急課題となったこと ・行政・経営環境の質的変化により、変化を先取し、従前の延長線上を超えてビジョンを創造し、戦  略的に実現していく行政が必要となったこと。
 ・多様化する行政ニーズや地域の独自性に対応する必要性が増大したこと。
 ・地域管理の行政から、地域創造、地域経営の行政が不可欠となり、また財政悪化に   よる効  率化のため、経営能力を高める必要が生じたこと。
 この種の人材の育成や意識改革のためには、組織を超える発想、思考が重要であり、  異質との交流が効果的であること、また企業の経営センス、戦略性、経営改革の実態、マネジメントなどを学ぶことが優れた効果を発揮する。更に、官・民の人的ネットワークが一層重要性を増してきたことへの対応としての効果が大きいことによる。

2 官民合同研修の実施のポイント

(1)官民合同研修の目的、効果

  ・テーマについての研究
  ・環境変革の認識、変化対応の研究、先取的政策形成の必要性の認識
  ・異質交流、矛盾の気付き、常識の見直し、視野の拡大
  ・戦略性の向上、革新的創造性の触発
  ・経営センス、企業家精神などの触発
  ・企業の実態、システム等の研究
  ・行政ニーズの把握・創造
  ・意識改革、自己革新
  ・官・民ネットワーク形成、外部人脈の形成

(2)テーマ
  官民共通して扱えるテーマとして次のようなものが適当

  ・現在抱えている行政課題の解決
  ・地域や政策の将来ビジョン
  ・戦略(変革対応)マネジメント、戦略型人材の育成
 幹部研修では、意識改革が重要であること及びその立場上から戦略マネジメントが  効果的。中堅層は将来ビジョンをテーマとして、先取的政策形成の方向と方策の研究が望ましい。

(3)日程
  ・1.5〜3日

  ・討議時間を十分とることが必要。
  ・合宿が望ましいが、通勤型でも差し支えない。

(4)講師
  ・官民双方に通ずる講師が適切
  ・問題解決型の講師よりも、創造・戦略型の講師が望ましい。

(5)メンバー、人数
  ・20〜30人で官民同数程度

  ・将来の幹部候補(エリート)が望ましい。職種、階層は問わず、年齢で合わせる。 この場合、企   業は行政よりも若い層で幹部になるため、企業年齢を若干下げること   も考慮する。

(6)企業選定
  ・1企業1名が望ましい。

  ・幅広い業種、業種バランス。同業種は討議グループ数まで
  ・地元企業、全国ネット企業の割合は半々程度が望ましい。行政の枠を越えるとともに、地域発    想の枠を越えることが効果的であるため。

(7)研修方法
  ・基調講義、ディスカッション、発表・討議方式
  ・徹底的議論
    同業種の者は1討議グループ1社とする。
    同一グループに企業とその行政の監督部門の者は含めない。
    親会社と子会社・下請け企業も同一グループに含めない。
  ・時間的余裕があればメンバーの組み替えや自由テーマの討議が面白い

(8)懇親会(交流会)、同窓会
  ・より本音の議論を促すため、また人脈形成のため、交流会の実施が望ましい。
  ・初日に実施。
  ・絶えざる異質交流やネットワークの維持のため、同窓会を形成して交流を継続して いくことが    望ましい。

(9)経費
  ・企業からは実費(宿泊、交通費等)のみ。
    企業参加者は教材との位置づけ
  ・懇親会費用は柔軟に。

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