江月水仙ロード




鋸南町は町内に1億本(!!!)の水仙がある日本最大の水仙の町です。水仙の出荷量は日本全体の70%以上を占めていると言われています。

毎年12月中旬から水仙まつりが行われ、一斉に咲き誇る水仙をゆっくり散策しながら楽しむことが出来ます。

町内の名所は谷原水仙郷、をくずれ水仙郷、江月水仙ロードの3か所で、今回は江月水仙ロードのご紹介です。




江月は保田の町から山奥へ、館山道の橋を潜って進んだ先にある集落です。

江戸時代の江月村は日本昔話に出てくるような山間の山村となっています。現在の地図を見ると保田から1本道を通っていき、江月から先に通じている道がない袋小路になっています。




日本昔話と言えば、江月にはこんな伝説があるそうで、案内板が設置されていました。

デーデッポの足跡
むかし、デーデッポという雲をつくような巨人がいました。
富士山に腰をおろし、うち海(今の東京湾)で顔を洗ったというこの巨人は、ある時、海をひとまたぎして房州へやってきました。
江月の遠柿には、その時できたと言われるデーデッポの足跡があります。

巨人デーデッポの伝説は日本各地にあり、土地によって呼び名も変わるようです。もののけ姫でシシガミ様が巨大なデーダラボッチに姿を変えたシーンが思い出されます。



かつては棚田や段々畑だったところが、人口減少で使われなくなったのだと思いますが、そこに大量の水仙が植えられて水仙の名所となりました。道が細いのでクルマを使うよりも、保田からハイキングで水仙を楽しみながらゆっくり散策するのが定番のようです。


しばらく山を登っていくと江月の集落に入ります。谷間のゆるやかな斜面に作られた畑と家屋を水仙が彩ります。

源平合戦の頃、ここの名馬「池月」が源頼朝に献上されました。この「池月」が訛って「江月」になったと言われています。名馬池月は宇治川合戦の先陣争いで歴史に名を遺しています。


名馬を献上された源頼朝がお礼に武士舞を舞ったという場所が武台という小字の地名にのこっているそうです。また池月を献上した人物に頼朝が馬賀の姓をもらったとされています。竜島の左右加家と同じような伝承が江月にもあるのですね。



江月の集落の更に先に進むと峠にでます。通称見返り峠。

佐久間と江月を隔てる山の鞍部で、目の前に佐久間の山々が広がります。集落内の標高が80メートル位と看板がありましたので峠の頂上は100メートルくらいかと思います。


鎌倉時代、内房と鴨川を結ぶ内陸の道は保田の吉浜から江月、市井原、鴨川の大山、長狭へと尾根伝いに続いていたとされていますが、なんとなくそれが納得できる光景です。