バスフィッシング専用にデザインし開発されたルアーで、いくつかのルアーの要素を取り入れ、あらゆる状況下に対応できる様に考えられたのが、このスピナーベイトです。
 形状の特徴として、約90度に曲げられた金属のアームの片方に回転する金属の板(ブレイド)がつき、もう一方にヘッドと針が固定された形でついているルアーです。多くの場合はヘッドの部分にラバースカートを装着して使われます。
 リトリーブするとブレイドが水の抵抗を受ける事により回転して振動を起こしキラメキを放ち、これでバスを誘い、ラバースカートで食欲を刺激します。
 また水中ではブレイドが上、ラバースカート部分が下にきて、針先は常に上(内側)を向いた状態で泳ぐので、これにより立ち木やウィードなどの障害物に引っ掛かりにくい構造になっています。
 つまりスピナーベイトはウィードレス効果が高く、他のルアーでは攻めきれないヘビーカバーのポイントでも躊躇なく使う事のできるルアーの1種なのです。
 スピナーベイトは表層から底まで全ての水深を引いてくる事ができますが、狙うポイントの水深や水質、その日の天候などを考慮して使い分けます。
 基本的には、浅場では軽い物、深場では重い物を使いますが、ブレイドのタイプや枚数によって浮き上がる力や振動が違いますので、それぞれのタイプの特徴を覚えておくと、ヒット率も大きく違ってくるでしょう。
 ブレイドは大きく分けると3タイプあり、コロラド・インディアナ・ウィローリーフと、幅が広くなるほど浮く力が強く振動も大きくなります。ブレイドの枚数も1枚よりも2枚の方が浮く力が強くなります。

ブレイドの種類

<コロラド型> <インディアナ型> <ウィローリーフ型>

ブレイドの枚数

<シングルブレイド>
沈むのが早く、リトリーブした時にゆっくりと浮き上がる。深場の障害物まわりに適しています。
<タンデムブレイド>
シングルブレイドよりも沈むのが遅く、リトリーブしたとき浮き上がりやすい。浅場を引くのに適している。

 また、空気抵抗を受けにくいデザインである為、遠投性にも優れています。
 ブレイド・ラバースカートの色もさまざまな種類があり、特によく言われているのがシルバー系は晴天の時や水の澄んでいる時、ゴールド系は曇りの日や水が濁っている時、など上手に使い分ける様にしましょう。
 使い方はポイントによって違ってきますが、一定のスピードで泳がせるのが基本です。
 狙うポイントの先へキャストし、着水したら泳がせたい水深までカウントダウンさせてからリトリーブに入ります。障害物付近にきたらリトリーブを止めてルアーを沈ませたり障害物に軽く当てるのがコツです。
 水面を攻める場合は、着水と同時にロッドを立ててスピナーベイトが沈まない速さでリールを巻きます。このテクニックは『バジング』と言って、浮力が強いタンデムブレイドのスピナーベイトを使います。
 また、ヘッド部分にグラブやカーリーテール・ピンテールなどのソフトベイトをセットして使うのが効果的です。
 ただ漠然と引いてくるだけで釣れる、つまり特殊なアクションを必要としないのが最大の特徴で、この様なスピナーベイトの性能的な特徴から、バスがどの様な状態・どの様な場所にいるかを探るパイロットルアーとして使用されるケースが多く、ビギナーにも扱いやすいタイプのルアーである。