バスという魚は、1925年に実業家の赤星鉄馬氏によって、釣り魚として北米大陸から移入され、神奈川県の芦ノ湖に放流されました。
一般的にバスと呼ばれているのはノーザン・ラージマウス・バスという種類で、日本でも北海道を除くほぼ全国的に生息しているバスの一種です。
このほか世界では10種類のバスが確認されていますが、日本ではフロリダ・ラージマウス・バス、ノーザン・スポッテッド・バス、スモールマウス・バスが確認されています。
バスという魚の複雑な生態や気まぐれな性質は、今だ全ては解明されてはいませんが、順応性が高く日本中の湖・川・池・沼・貯水池などの淡水、汽水域なら生息可能で、アユやオイカワなどの魚に混じって各湖沼や河川へ放流、また釣り人の手によって日本中に生息域を広げています。
16〜24℃が適水温といわれている温水系の魚ですが、氷結するような寒い所でも、水温が30℃を超える所でも生息が確認されていて、卵が孵化し稚魚が育つことのできる繁殖可能水温の16℃を一定期間保てる所であれば、どこでも生きられる強い魚です。
なぜバスフィッシィングはスポーツフィッシィングとして、これほどの人気をえているのでしょう?
それはバスがルアーに掛かり(ヒット)釣り上げるまでのパワフルなやりとり(ファイト)に、釣り自体の第一の面白さがあげられます。
ではなぜルアーという疑似餌でバスは釣れるのか?
それはバスという魚の習性や優れた感覚にほかなりません
まずフィッシュイーターであるバスは、普段は小魚や昆虫・ミミズなどの生きエサを捕食して生きています。それらをまねて作られたルアーを、バスはエサと思い込んで食いついてくるのです。アホかもしれません。
またバスは動く物や逃げる物に対して敏感に反応し、追いかけるという習性があり、とくに食欲がない時でも変わった動きをする物に、つい反射的に食いついてしまったり、見慣れない物に対して興味本位でルアーを咥えてみるという行為をします。これは目ではなく口に入れてから何物かを判断する為です。やっぱりアホですねぇ〜
このほかに、バスはとてもテリトリー(なわばり)意識が強く、自分のテリトリーに侵入してくる物に対し執拗に攻撃をしかけます。産卵期は特に攻撃的になり、ルアーを追いまわします。

ではそのルアー!
ルアーについては別のコーナーで解説しますが、これは季節や時間・場所などさまざまな条件によって変わるバスの行動に対応する為です。
何万種類もあるルアーをバスはどれだけ識別しているのでしょう?そんな悩みをお持ちのあなたの為にバスの感覚について触れてみましょう。
バスの視覚は形や明るさはもちろん、ほとんどの色を区別できると言われ、同じルアーでも色によって釣果が変わってくる事も多々あります。1度も釣具屋さんへ行った事のないあなた!そう、あなたです。
ぜひ1度足を運んでご覧ください。あんなにもカラフルに揃ったルアーは、単に釣り人の趣味嗜好の為だけではなく、バスの色を識別する能力の高さの表れなのです。
バスは体の側面にある側線をはじめ、色々な部分を使って音をとらえています。側線は音(振動)を察知する以外に微妙な水流も感じ取ります。このバスの聴覚を利用して、音で誘い出すタイプのルアーもあるが、使い方を間違えると逆にバスを遠ざける事になります。また、岸辺でのドタバタ歩きや大騒ぎも厳禁です。釣り人の接近やギャグをバスはしっかり聞き取っています。
またバスは目の前方にある4つの鼻孔、そこにあるシワの細胞で水に溶け込んだ物質の匂いを嗅ぎ分けています。これを利用したフィッシュ・フォーミュラと言われる集魚剤には、小魚やエビのエキスを抽出した物のほかに、イチゴやメロン・バナナの香り...etc なんだそりゃ?ってな物まで市販されています。