10・15モードって何?


  自動車のカタログをみると、必ず10・15モードという表現が出てきます。
 これは、自動車の燃費を測るデーターの取り方で、
 より実際の走行に近い形を想定して測定されたデーターです。

  とは言ってもこのデーター元々は、国土交通省が定めた
 排気ガスを測定する試験方法の一つで、カタログ上の10・15モードで
 低燃費になっていても、実際の燃費はそこまでは良くないのがほとんどです。
  車種によっても違いますが、通常はカタログの60〜80%程度の燃費の車が
 多いようです。

  なぜここまで違うのかというと、10・15モード測定は実際の道路を
 走行するわけでなく、シャシーダイナモと呼ばれる機械に車をのせて、
 その上で試験内容のパターンの運転をするからです。
 実際に道路を走るわけではありませんから、空気の抵抗も路面の変化も
 車重も関係ありません。(ちなみに空気の抵抗と車重、エンジンパワー等は、
 実際の走行時の燃費には、かなり大きく影響を及ぼします。)

  試験時の走行パターンも実際の走行より緩やかな内容なので、実際の走行時
 よりも燃費が良くて当然になります。しかも燃費はその時の湿度、気温、
 運転者の状態、エンジンの状態、タイヤの種類やコンディションでも相当
 変わります。(メーカーでもこの為に専属のドライバーで何日かかけて測定します)

  これではカタログ上の燃費(10・15モード燃費)表示はあまり意味が無いような
 気がしますが、全ての車がある程度同じような状態で、同じ方法で試験を
 行いますので、各車の10・15モード試験でのデータの差は、実際の走行時にも
 多少は現れてくると思いますから、車選び時に少しは参考になります。

  10・15モードのデーターはカタログ上での比較の為の数字として考えてください。
 実際の燃費がそこまで良くないとしても、決して車が不調というわけではありません。
  それから、走行条件(高速道路や、信号の無い長い下り坂などで)と
 運転の仕方次第(アクセル一定の一定速度での巡航)では、一時的に
 10・15モードの数値を超える燃費をたたき出す事も可能です。
 10・15モードの数値を、一つの目標として低燃費運転を目指すのもいいでしょう。

 ※検討中のお車を比較した際、本命の車のカタログ燃費(10・15モード燃費データ)
  が負けていても、実用燃費では逆に勝っている場合もありますので、店員さんには
  実用燃費もおおよそどのくらいか聞いてみるのも良いでしょう。




                                    
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