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2004/12/02(木) (鳴門市大麻山538メートル+鉄塔20メートル360°景色を単独冒険) 大麻山山頂は大きな樹木に重なって遮られ全く展望がありません。 標高538メートル山頂まで讃岐こんぴらさん3倍の2348階段をひ〜ひ〜大汗かいて登っても、「なんじゃこの景色は!」と「がっかり山頂」拝命の階段ばかりの山です。 登山口から2キロで標高差は500メートルあり、身体を鍛え登るにはもってこいの山で、私の(体重85キロ)最高タイムは34分20秒です。(吐きそうなくらいの限界) よく会う顔見知りのSさんが28分を切り、みんなから大麻山の怪物と呼ばれるKさんは25分を切って登ります。(どちらも私とほぼ同年代です) 登山者達で話題になるのは山頂の展望のなさ、周りの樹木を大伐採するか大展望台を作るかすれば景色がよく見えて人気上がるのになぁとなる。 そこで私は鳴門市一番高峰のこの山頂から360度景色をぜひ見てみたいと、夜になると自宅からでもよく輝いて見える、 山頂神社横の航空標識灯と思われる20メートルほどの鉄塔に登ってみることにした。(危険極まりないし、怒られると思うので良い子は真似しないでください!) だが、2回挫折した。1/4ぐらい登っただけで、これほど手に握力があるのかと握り締めた手が離れず次ぎの上ステップへ進めないのである。 足もガクガクで、下をみればゾ〜上を見ればヒェ〜ととにかく恐いのである。見かねた電気屋登山家さんが今度来たとき電柱登り用の落下防止道具(なんと呼ぶのか) を置いといてくれると言ってくれた。電気屋さんが間に合わなかった場合に使おうと前2回よりもしっかりしたロープを身体に巻きつけ、 端2ヶ所を輪にして交互にステップに引っ掛ける手製落下防止道具を用意した。天気が良かった今日、山頂での体力温存速度(45'35)でゆっくり登った。 今日で3度目なので決意と覚悟を決めて無事祈願を神社に賽銭した。(いつもは商売繁盛金難女難回避祈願だが^^) 一段目ステップに足を置きロープの輪2つを上とその上のステップに掛け、両手を離して命綱の効果を確かめた。ウエストに食い込みながらも吊るされた。 一段ずつ確かめるように登る。両手両足ロープ2本の計6ヶ所で保持しているにもかかわらず、さっきまでの山登りの熱い汗が冷や汗に変わっていく。 やはり恐い、お〜恐いのでもうやめようと半分くらいのところで、そそり立ち残る上と絶壁下見たらクラッとめまいがきた。やめよう。 目線を水平にし隣りの樹木をしばらく眺めた。水平視線にするとまだ木より下なんだ恐いものは見えないんだと心臓鼓動がアイドリングになった。 鉄塔上からの景色はどんなんだろうという気持ちが蘇ってきた。好きな彼女の服姿の中身を見ずに挫折できるかと不謹慎ながらの元気が出てきた。 男である。よちよち歩きのカエルみたいに歩みを上へ進めた。ふふやるじゃないか、一枚また一枚脱がす歩みである^^。ロープが絡まる。焦る。縮む(どこがじゃ)。 最後に難関が来た。畳半畳ぐらいの広さのてっぺんにロープ引っ掛けるステップがない・・ない。 ロープを巻きつけるような細かい作業をこの場に及んでは出来ない。ぞ〜、ぞ〜、心臓鼓動上がり全身痙攣だ。ここまで来て「役立たずが」と妻の声が自宅から遠くこだます。 「男じゃー」と口ごもり、足のところに掛かっているロープ1ヶ所に命を預け震える両手をてっぺんに掛け懸垂腕力で這い上がった。 やった。ガッツ。こぶしに親指が立った。鉄塔の登りに15分要した。 てっぺん足場でこれでもかと身体と鉄とにロープをぐるぐる巻いた。そしたらふっと周りの景色に日本人離れした大きな目のピントが合った。 うぉ〜〜〜〜〜〜〜、綺麗、空中散歩だ、空飛ぶじゅうたんだ、スーパーマンだ、地図と同じ地形が360度広がっていた。 槍ヶ岳よりも三嶺よりも刺激的な針ピークの世界だ。水銀灯とツーショットの自分や景色をいつもは回らないはずの首を振りまわし、感動と恐怖に震える手で デジカメ写真(画面クリックで拡大もあり)と動画を撮った。 下頂上には登山者が4人来ていた。「メンテナンスやいよんですかぁ」と声掛けられ、「ハイ、清心メンテできました」と心で叫び「上に来ませんか」と 勝ち誇ったように誘うが「とんでもない、高所恐怖症ですから遠慮しときます」と空に返事が抜けてきた。その後お山の大将に浸った。 下りとなった。下を見なければいけない。最初一段のひっかかりがない。また血圧上がる。とにかく1ヶ所ロープを下に掛け、これでもかと短い足を おもいっきり伸ばす。20センチは余分に伸びただろう。腕はL型鉄にへびのように巻きつけていた。両手で鉄に思いっきり抱きついていた。 こんなきつい抱擁は人間以外には初めてである。「鉄さん好き好き」を繰り返し見事な後ずさりを繰り返した。10分要した。 地面に足が付き、これが「地に足が付く」ということかと、いつもの上ずった自分の生活や仕事姿勢への悟りも得たような気がした。 下りの山道はいつになくルンルンだった。 (1番霊山寺の北)大麻比古神社鳥居の中に大麻山538m (大麻比古神社奥の院横)大麻山山頂538m+鉄塔20m 右側ステップを上がる 鉄塔頂上水銀灯横より屋島、小豆島方面 鉄塔頂上水銀灯横より徳島市内方面 鉄塔頂上水銀灯横より大鳴門橋方面(画面クリックで拡大) 昼の大麻山鉄塔(画面クリックで大麻山全容と光輝く鉄塔) 夜の大麻山鉄塔 鳴門市大麻山538m+鉄塔20mより360°景色 (冒険成果)標高538メートル+鉄塔(目測)20メートル360°の絶景です。(ずっと→スクロールしてください) 10年以上も前にNTVのスクープとなったエベレスト登頂生中継のような動画映像も震えながら撮れました。トップページ「動画探偵団」をご覧ください。
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