篠路福移湿原とは



 かつて湿原は不毛の地、役に立たない土地とされていた。したがってこれまではどこの地域でも当然のように湿原の農地化を目指してきた。特に北海道では戦後食糧増産の国策で急激に開発が進んだ。このため北海道の湿原は大幅に消失、縮小した。また現在も開発によって減少しつつある。しかし近年、湿原はその保水機能、浄化機能、貴重な野生生物の生息地、渡り鳥の中継地になっていることなど、また環境問題への意識の高まりからその重要性が広く認識されてきた。その結果、湿原の消失、減少を食い止め環境保全を図る動きも高まってきている。今後は残された湿原への適切な保全保護対策が一層必要となってくる。そのためにはまず多くの人々に湿原へ関心を持ってもらうことが重要である。(北大 冨士田先生の文から引用)
 篠路福移湿原は、札幌市北区篠路町福移(地図、航空写真参照)の原野に存在する約4000年前に形成された石狩湿原の一部で、札幌市内に残った唯一の湿原である
この湿原には 
 
昆虫…カラカネイトトンボ(準絶滅危惧)、ゴマシジミ(絶滅危惧U類)
・ 植物…オオミズゴケ(絶滅危惧T類)、タヌキモ(絶滅危惧U類)
・ 鳥類…チュウヒ(絶滅危惧U類)、オオジシギ、アカモズ(準絶滅危惧)
・ 魚類…エゾホトケドジョウ(絶滅危惧U類)、エゾトミヨ、ヤチウグイ(準絶滅危惧)
  

など貴重な生物が生息している。
 もちろん他の動植物もたくさん見られる。ノハナショウブや、モウセンゴケの可憐な花、エゾアカガエルの産卵、コチドリやハクセキレイも姿を見せる。
 しかし、この地域は40年前に原野商法で切り売りされ登記簿上では800人以上の地権者がいる私有地である所在不明の地権者も多い。さらに周辺からの埋め立てが進み20ヘクタールあった湿原が5ヘクタールまでに減少している。一方湿原の乾燥化が大きな問題になっている。周辺地域の開発や湿地内に掘られた排水路などの影響で乾燥化が進行し、湿原としての機能を維持して行くためには何らかの対策が必要であり、具体的には排水路の堰き止めや雨水流出対策などが考えられる。何はともあれ、この湿原は早急に保護保全を進めなければ近い将来消失することは間違いないだろう。
   篠路福移湿原
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