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上の空の宇野 12/183年かけて放送されたNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」が終了した。
私も20代の頃に小説を読んで非常に感銘を受け、司馬さんの作品では上位3作に入る作品だと思っている。映像化してほしかった反面、あの壮大な戦争を描ききれずに陳腐なものになる危険性もあって、NHKがドラマ化すると聞いた時には嬉しさと不安が半々という思いだった。しかしながら全編を見終わった感想は、非常に丁寧に映像化できていたと思う。クライマックスの奉天会戦と日本海海戦が、ややボリューム不足だった気もしたが、あまり無理を言ってもいけない。点数をつければ90点と言っていい出来だった。
小説ではほとんど登場していなかった(と思ったが)女性陣を脚本に加えたところも良かったと思う。
たしか司馬さんは別の意味で、この小説の映像化に難色を示していたと聞いている。奇跡的に勝った戦争を取り上げることで戦争礼賛につながるのではという心配があったらしい。そのあたりも踏まえて戦争の悲惨さも十分描いてあった。
あのドラマを見て戦争にあこがれる人間はいないと思う。戦争という方法ではあったが、必死の思いで国を守った人たちがいたということが判ればよいと思う。
このドラマの制作の話が出たころ、どこからか私に「主人公は誰が演じたらよいと思うか」というリサーチのメールが来たが、即座に俳優の名前が浮かばず、「できるだけ実際の人物に似た人を」という返事をした記憶がある。
なんで私のところにそんなお尋ねが来たのか不思議な気がするが、それはともかく主人公の三人をはじめとして、なかなか見事な配役だった。今のご時勢、NHKにしか作れないドラマだったと思う。十分堪能いたしました。