白滝不動尊の湧水
幕末に外人遊歩道に面して、百級の石段がまっすぐに不動堂のある丘陵に向かって続いています。不動堂拝殿からは根岸湾の勝景が眺望できましたが、今はその眺望も変貌しました。本尊不動明王像は、境内の懸崖の中段にあった井戸の中から出現したという伝説があります。この不動尊を信仰する人々は、房総・三浦まで広がり、不動下には、明治中頃まで茶店や旅籠が軒を並べ、参詣の人々で賑わっていました。不動堂の丘の下の滝は、高さ20メートル、幅5メートルの滝で、市内で最も見事な飛瀑で不動滝の名で呼ばれていましたが、丘陵地帯が開発されて水源を失い、現在はわずかに一筋の水が滝の名残りをとどめて落下しています。その一筋の水は、不動堂横に小さな滝壺(深さ3m位、直径3m位)に側面から水が滴り落ちているのと、滝壺側面上部に欅の大木が根を張っていて、その根の中に石造の竜(?)から水が飛び出して滝つぼに落下しています。この滝壺から不動滝の上部に流れています。なお、不動堂の横に石碑が立っていて側面に「獣滝口」と書いてあります。(汲むこと、飲むことは出来ません)尚、白滝不動の前の坂(不動坂)を登っていくと、荒井由実の「海を見ていた午後」で、「山手のドルフィンは 静かなレストラン 晴れた午後には 遠く三浦岬も見える ソーダ水の中を 貨物船がとおる」と書かれている、ドルフィンの前を通って根岸森林公園へ出ます。