宮ノ下は熊野神社の下に開けた温泉地であり、地名もここから来ているようですが、宮ノ下にはもう一つの宮「箱根神社」があり、宮の下という名の由来はここにもあるようです。この宮ノ下が大きく脚光を浴びるようになったのは19世紀半ば以降です。開国の兆しが見え始めた幕末、わが国には外国人の姿が多く見られるようになりますが、横浜の居留地に留め置かれて、自由に旅することは許されていませんでした。ただ、何とか箱根までは許可を得ることができ、車もない時代には、馬やチェアと呼ばれる椅子型のカゴに乗って、箱根までやってきました。彼らは、自分たちの独自の目で箱根を見て、その自然と歴史に私たち日本人には気がつかないすばらしさを感じていたようです。
箱根神社は富士屋ホテルの角を左に曲がり少しのところに苔むす階段の上に佇んでいます。この神社は、一般に「宮ノ下の箱根神社と呼ばれ、御祭神・箱根大神がお祀りされています。芦ノ湖湖畔に鎮座する関東総鎮守・箱根神社を本宮と仰ぐ由緒正しき御分社です。旧明治天皇御用邸(後に高松宮別邸)に隣接し、眼下には多くの老舗旅館やホテルが建ち並ぶ宮ノ下地区温泉街の高台に鎮座しています。箱根神社の御神水は、狭い参道の左側に赤い灯篭と大きな石が見えます。ここが手水舎で水道の蛇口から流れ出てます。
箱根神社の御神水