オランダ・ベルギー・パリ 一人旅(2011.11.06-25)![]() |
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北軽井沢での生活も10月で終わり、12月からの郵便局のバイトまで間があるのでぶらぶら一人旅することにして、行く場所は以前行ったことがあるオランダ、ベルギー、そしてパリにしました。前回行きそびれたところもありますし、また同じところでじっくり見たいという気持ちもあります。それに2回目ですから土地勘もあるし鉄道に乗るのも慣れているので安心です。オランダのスキポール空港に降りて、ライデンという中都市に5泊してオランダ国内を巡り、ベルギーはゲントという街に6泊してベルギー国内を巡り、パリは北駅近くのホテルに7泊です。一人ですから朝起きて天気見てからその日の行動を決めるきままな旅を楽しんできました。 | ||
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ライデンには1575年に創設されたオランダ最古の大学があり、幕末シーボルトが日本から帰国後日本研究に励んだところでライデンの大学には日本学科もあるそうです。散策していたら、芭蕉の「荒海や佐渡によこたふ天の川」が壁面を飾っている建物もありました。ホテルは駅から10分ほどの旧市街の運河沿いにある古い建物ですが暖房は良く効いて寒いことはありません。駅まで歩いていると自転車専用道をビュンビュン自転車が走って行きます。オランダは自転車最優先、次に歩行者、最後に車でしょうか。駅には駐輪場が地下に設置されていますし、もちろん列車にも自転車が乗ってきます。 オランダでの移動には「ov-chipkaart」という日本のスイカのようなカードを購入し100ユーロチャージしてオランダ国鉄、地下鉄、トラム、バス、全ての公共機関に使えました。アムステルダムとスキポールを除けば、切符の自動販売機はコインしか使えないので窓口に並ばなければならないし、手数料も2ユーロ程度取られるのでこのカードは便利です。ただし。国鉄に乗るときに最低20ユーロ保持していなければならないので15ユーロほど残があります。これは5年間有効ですから持っているか、オークションで売るかですね。 |
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![]() これが「ov-chipkaart」、乗るときと降りるときタッチ |
![]() 運河沿いのホテル「Nieuw Minerva」 |
![]() 朝晩は3度くらいまで下がりすごく寒いです |
![]() 部屋はシンプル、船室をイメージしてます |
![]() 夜は持参した映画を見ていました(これは韓国TVアイリス) |
![]() これが芭蕉の句を壁面書いた建物 |
オランダで見た美術館は以下の通りです。 1.アムステルダム「国立美術館」→改修工事が延びて2年まえと同じでした、残念 2.ハーグ「マウリッツハイス美術館」→2年前と同じ、「パノラマ・メスタグ」→この展示には感動です 3.ロッテルダム「ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館」→現代美術の展示にも感激 4.デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園「クローラー・ミューラー美術館」→今回最大の目的が叶いました 5.デルフト「フェルメールセンター」→美術館ではありませんが、フェルメールの年代順全作品のコピーを見て再認識 |
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1.アムステルダム 2年前に行った時は2011春に全面公開予定だったのですが、ドキュメンタリー映画「ようこそアムステルダム国立美術館へ」でも紹介されたように改修が遅れに遅れているようです。このときも正面は塀で囲まれていました。こうなったら全面改修が終わるのを待って行くしかありません。ということで2年前と同じ展示を見てきましたが、レンブラントについて本やTVで更に理解を深めたのでオーディオを借りてじっくり鑑賞しました。レンブラントの「夜警」が有名ですが他にも「ユダヤの花嫁」(私はこれが一番好きです)、「自画像」、フェルメールの4点「牛乳を注ぐ女」(これは貸し出中)「手紙を読む青衣の女」などが人気です。私はロイスダールの風景画やフランス・ハルス、ホーホが気に入ってます。 |
![]() 改修中の入り口(正面の右横にあります) |
![]() 改修中のため10%程度しか公開していません |
![]() ロイスダール「ワイク・バイ・ドゥールステーデの風車」 |
![]() フランス・ハルス「陽気な酒飲み」 |
![]() デ・ホーホ「母親の膝に頭をのせる子供」 2008年に東京都美術館のフェルメール展(~光の天才画家とデルフトの巨匠たち)で初めて知った画家です |
![]() チューリップを売る店が並んでいます |
![]() 野菜の種は日本の2倍の量が入ってます |
![]() お土産屋には木靴が |
2.ハーグ マウリッツハイス美術館は何度訪れてもいいです。秀作揃いで手ごろな広さで見て廻ってもそれほど疲れません。ローマのヴォルケーぜ美術館を思い起こします。前回見れなかったハーヒト「アベレスが描くカンバスペ」見れました。やはりここでもロイスダール、ハルス、ホーホを見入りましたが風俗画ヤン・ステーン「牡蠣を食べる娘」、ボルフ「蚤探し」もいいです。もちろんフェルメールの「デルフトの眺望」「真珠のの耳飾の少女」、レンブラント「シメオンの賛歌」、ルーベンス「ローソクを持つ老婆と少女」他もすばらしい。 ここから10分ほど歩いてパノラマ・メスタグへ。ここには高さ15m、円周115mのスヘーフェニンゲンの風景を描いた絵を飾るための美術館です。ついでに、トラムで15分のスヘーフェニンゲンにも足を伸ばしてみました。 |
![]() 建物も美しいマウリッツハイス美術館 |
![]() パノラマ・メスダグの概観図 真ん中から絵を360度見ます |
![]() ハーヒトの画中画「カンパスペを描くアペレス」(中央下はルーベンスとプリューゲルの狩の絵、右下のマセイスの両替商、 |
![]() ロイスダール「ハーレムの眺望」この雄大な雲 |
![]() ハルス「笑う少年」小さな絵ですがいつまでも見入ってました |
![]() ヤン・ステーン「牡蠣を食べる娘」精力がつく牡蠣を若い娘がこっそり食べる表情、目が意味深です |
![]() ボルフ「蚤探し」少女が母親に身を預けている姿が可愛いです |
![]() レンブラント「シメオンの賛歌」幼子イエスを抱くシメオンと頷くマリアに光が集中しています |
![]() ルーベンス「ローソクを持つ老婆と少年」 |
![]() スヘーフェニンゲンはオランダ最大のリゾート地です |
![]() 北海に面していますがこの日は気温12度日差しもあり海岸を散歩する人が多かったです この風景(海、砂浜、町並み)をメスダグが1880年に描きました |
3.ロッテルダム ロッテルダムにはオランダ第3の規模のボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館あり、ピーテル・ブリューゲル「バベルの塔」(ウィーンにもありましたし、アントワープでもみました)が有名ですが、ゴッホ、モネ、ピカソなど見所満載、現代アートの展示も広く行われてました。美術館近辺には様々なオブジェもあり楽しめます。 その後、隣町のスキーダムの立ち寄り、風車を見てきました。ここの風車は街中に5基あり動いているのも1基あります。田園の中の風車はキンデルダイクが有名ですが、こちらも見ごたえがあります。 |
![]() ブリューゲル「バベルの塔」 |
![]() フーベルト・ファン・エイク「墓場の3人のマリア」 |
![]() ピカソのこの絵が美術館にあります |
![]() スキーダムの風車です |
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4.デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園 ここはライデンから電車で90分のアペルドールンからバスで30分のところにあります。公園入り口で自転車を借りて20分ほど行くとクローラー・ミューラー美術館があり、ゴッホの名作があります。もちろんゴッホの他にも印象派の絵も多数展示されています。 公園内を自転車で廻りましたが、手動ブレーキはなくペダルを逆回転させることでブレーキが効きます。午前中はもやっていましたが美術館を出たら陽が出ていたので暖かく、2時間ほど公園内をサイクリングしていました。 |
![]() アルルの跳ね橋 |
![]() ミレーを模写した「種を撒く人」 |
![]() 星空のカフェテラス |
![]() 糸杉のある道(夜の 星空、荷車、通行人) |
![]() 郵便配達人 |
![]() 午前中はもやっています |
![]() 自転車専用道を |
![]() ようやく美術館に到着 |
![]() 帰りは遠回りしてサイクリング |
![]() クローク・ミューラーの狩猟用の城 |
![]() バスは1時間に1本、時間潰しにカフェへ |
5.デルフト フェルメールの聖地ですが絵画はありません。しかし新教会の横に「フェルメールセンター」がありここで、フェルメールの年代順全作品のコピーを見ることができます。オランダ国内はもちろん、ロンドン、パリ、ウィーンなどで見た絵が出てくると嬉しくなります。 |
![]() フェルメールセンター内部 |
![]() 旧教会はやはり傾いています |
オランダから次の宿泊地ベルギーのゲントへは国境手前のローゼンダールまでov-chipkaartを使い、そこでゲント行き切符を買って乗り換えました。2時間ほどでゲントに着きます。前回泊まった駅前のホテルは営業を辞めたようで徒歩5分くらいの別のホテルにしました。移動は前回と同じベルギー国鉄の10回乗れるRAILPASSです。 ベルギーでは美術館だけでなくお城なども以下のところをぶらぶら歩いてます。 1.ゲントでは聖バーフ教会のエイク兄弟の神秘の子羊を2度見て、市立美術館ではボッシュを 2.ブルージュでヤン・ファン・エイク、メムリンクの宗教画を見てから、港町オーステンドへ 3.ブリュッセルでは王立美術館を見た後は食べ歩き 4.アントワープはルーベンスの街です、ルーベンスハイス、フランダースの犬で有名なノートルダム大聖堂へ 5.美術館を離れてナミュールとディナンの城砦、そして司教の街リエージュにも行ってみました |
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1、ゲント ホテルはチェーン展開されているもので設備もいいです。ここでは朝食付です。目の前がトラム停留所で、ここから1.2ユーロ券売機を入れて旧市街地へ10分で行きます。行きは登りなのでトラムですが帰りは歩いて30分でした。 お城がありそこの城壁からは旧市街が全貌できます。ベルギーではゲントとブルージュの旧市街が15世紀のまま取り残されています。聖バーフ教会の祭壇画へベルギーに着いた日と離れる日と2回、前回と合わせて3回見たことになりますが何度見ても感動します。 |
![]() 夕焼け(16時)にホテルとトラム |
![]() 券売機ですが、地元の人は無銭乗車しているようです |
![]() フランドル伯居城で博物館になってます |
![]() 城から見る塔は左から聖バーフ教会、鐘楼、聖ニコラス教会、聖ミヒエル教会 |
![]() 聖ペーテル広場 |
![]() 聖バーフ教会の右横にエイク兄弟の銅像が飾られています |
ゲントの祭壇画です。開いた状態で350.5×460cm前面14面(上部両端のアダムとイブの上部も別でアダムとイブの息子たちカインがアベルを殺す人類最初の罪を犯した場面)でオーディオガイドが丁寧に説明してくれるので全部聞くと40分掛かります。 この祭壇画はナポレオンにパリへ移されたり、売却されてアダムとイブはブリュッセルへ(そこでアダムとイブは着衣姿にされた)、他も転売され1918年までベルリンの美術館にあったそうです。ようやくゲント戻ってきても1940年に最左翼下段のパネルが盗まれたままで現在見ているのは複製だそうです。 フーベルト&ヤン・ファン・エイク兄弟が1432年に完成した絵ですが、謎の多い絵で兄と弟がどう分担したかは定かではないし、中央の主役左がマリア、右は洗礼者ヨハネですが中央はキリストなのか、父なる神なのかも論争が続いているらしいです。 1mくらいの台の上にありガラスで覆われて20畳くらいの小さな部屋に展示されていて、目線はちょうど子羊あたりでしょうか、天上の人々はまさに見上げる状態です。初日に見たと時は20人くらい居ました。最後の日は5人くらいで独占できてじっくり見ることができて幸せでした。聖母マリアが天上の人なのに受胎する前の少女のような表情には見とれてしまいます。15世紀最大の絵画といわれていますが私も世界の至宝、すばらしい絵画だと思います |
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![]() ![]() これは、扉を閉じた状態です中央は受胎告知でその背景は当時のゲント、下段両端の二人は寄進者、中央左が洗礼者ヨハネ、右が福音記者ヨハネで扉は開いているので裏に廻って見ます 右の手の拡大図はアダムの右の天使の聖歌隊の一部で衣装や宝石が細微に表現されているこあわかります |
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![]() ヒエロニムス・ボス「十字架を担うキリスト」これはアルチンボルドが参考にしたんじゃないでしょうか |
![]() ゲント市立美術館 |
![]() ホテルまでの帰り道は紅葉(黄葉)の小道で小学生か中学生らしき団体があるいてます |
2.ブルージュ→オーステンド ブルージュはゲントからでで電車で40分、旧市街まで歩いて15分、フランドルの水の都は50の運河・水路に囲まれ12~13世紀は西ヨーロッパ第一の貿易港として栄えましたが15世紀に水路が沈泥で使えなくなりその座をゲントへ、そしてアントワープへそしてアムステルダムへと移り変わって、ブルージュはその当時のまま残り宝石箱と言われています。ここでは市立グルーニング美術館、メムリンク美術館を見てきました。 宗教画ばかり見ていたので気分を変えて港町オーステンドへ足を伸ばし海の幸を味わいました。ここはドーバートンネルができる前はイギリスとの連絡航路で賑わった港です。 |
![]() 駅から歩いて行くと鐘楼が水路の先に見えます |
![]() そのまま15世紀にタイムスリップしたようです |
![]() グルーニング美術館も奥まった屋敷にあります |
![]() ヤンファンエイク「ヴァン・デレ・ヴァーレの聖母子」 遠近法や衣装、宝石の描き方などはゲントの祭壇画と同じです |
![]() ヒューホ・ヴァン・デル・フース「聖母の死」 12人の使徒が茫然自失の様に苦笑いです |
![]() メムリンク美術館の祭壇画「聖カタリナの神秘の結婚」 左翼はヘロデ王の娘サロメが踊りの褒美に洗礼者ヨハネの首を所望し斬首される洗礼者ヨハネが斬首される場面 中央は玉座の聖母の左に宗教的恍惚のうちにキリストと結婚し同じ傷を受けたといわれる聖カタリナ 右翼は「バトモス島の福音書記者ヨハネ」 |
![]() メムリンク「聖ウルスラ伝の聖遺物箱」はベルギー七大至宝のひとつに数えられるほど見事な絵画です |
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![]() ブリュージュから電車でオーステンドへはノンストップ |
![]() オーステンドの聖ピーター&ポール教会 |
![]() 港町にも陽が沈んでいきます |
3.ブリュッセル 日曜で混雑していました。最初に王立美術館へ。ここは前回も来ましたが年代順に且つプリューゲル、ヨルダーンス、ヤン・ステーンと言ったブリュッセルゆかりの画家は一室まとめて展示されています。そしてルーベンスは最後の一室で師匠の「ファン・ノールト」(彼はヨルダーンスの師匠にも)」「オットー・ファン・フェーン」の絵と一緒に大作7点が展示されています。大作もいいですが小品で「黒人の顔」が印象に残りました。ルーベンスは多作で宗教画の大作が多くつい敬遠してしまいますが今回はじっくり見させてもらいました。 美術館を後にしてグランプラスへ向う途中高校生らしき女性二人が声を掛けてきてハンディキャップのある人に2ユーロ募金して欲しいと身分証明書らしきものを見せて署名を求められて2ユーロコインを出したら5ユーロ札がいいと変なことを言います。財布を出しながら署名していると財布から札を抜こうとするので「STOP!」と叫んだら逃げていきました。都会は油断なりません。 |
![]() 世界一美しい広場グラン・プラス |
![]() ベルギーと言えばムール貝のワイン蒸にビール |
![]() ディルク・バウツ「(オットー皇帝の裁判(無実の伯爵の斬首)」 皇帝の后が伯爵に言い寄ったが相手にされず、腹いせに皇帝に伯爵に言い寄られたと訴えたため伯爵は斬首された場面 |
![]() 「オットー皇帝の裁判(正義の勝利)」 伯爵の首を受け取った妻は、無実の罪を神明裁判(熱した鉄の塊を握って9フィート歩き、数日後、神の意志によって火傷が治癒し始めれば無罪)で無実を証明し皇帝に訴え出る場面 |
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![]() ペーテル・プリューゲル(父)「叛逆天使の墜落」 大天使ミカエルが率いる天使軍≪善徳≫と、天を追放され冥界へ落された神の敵対者である堕天使サタン(ルシファー)を始めとした魔界軍≪悪徳≫との対決 |
![]() ヤーコブ・ヨルダーンス「酒を飲む王様」 王様はヨルダーンスの師匠であり義父でもあるファン・ノートルで、ルーベンスの師 |
![]() ルーベンス「4人の黒人」 これは小さな作品ですが何故か気になってずっと見ていました |
4.アントワープ ルーベンスが生涯のほとんどを過ごした街です。レンブラントは破産しアトリエを出ていますがルーベンスの豪邸は今はルーベンスハウスとして彼の収集した美術品や家具食器etcが展示されています。そしてフランダースの犬で有名なノートル大聖堂の「キリストの昇架」「キリストの降架」「聖母被昇天」、ルーベンスの礼拝堂がある聖ヤコブ教会(11月~3月は予約のみ見学可で入れませんでした)があります。 また王立アントワープ美術館は現在改装中で主要作品は旧港にできた新しいMAS博物館で見ることができました。 |
![]() ルーヴルにある「マリード・メディシスの生涯」の背景にも描かれたルーベンスハウスの中庭 |
![]() ここでもハーヒトの画中画「コルネリス・ファン・デル・ヘーストの収集室」を見ることができました。ここには左下で注目されている絵はアムステルダム国立美術館所蔵されているクエンティン・マセイスの「聖母子」 |
![]() ノートルダム大聖堂を背景にしたルーベンスの像 |
![]() 「キリストの昇架」 |
![]() 「キリストの降架」 こちらの絵が出来が良いと思います。マグラダのマリアがキリストの足をさすっている姿が美しい。この当時からマグラダのマリアが美しく描かれるようになったらしい。マリア崇拝、反宗教改革の流れでしょうか |
![]() MAS博物館は海に関する展示や、宇宙に関するものもあります 9階の屋上からはアントワープが一望できます。港の大きさも実感できました。 |
![]() ジャン・フーケの「聖母子」 おっぱいがぽろりと見えていますがこれはキリストに授乳しようとしているのでしょうか?それとも美しい乳房を表現したかったのでしょうか?当時問題にならなかったんでしょうか。背景の天使も玉座もこれが15世紀の絵画とは思えません。前回も今回も絵葉書を買いました。フーケはフランス人でフランドルのエイクのようにフランス絵画のルネサンスの草分けだそうです。 |
![]() ヤン・ファン・エイク「聖カタリナ」表情がエイク流です |
5.美術館を離れてワロン地方(ブリュッセルの北がフランダース・オランダ語圏、南がワロン地方のフランス語圏で電車のアナウンスも表示も2ヶ国語です)へ出かけました。 先ずはディナンへ行くつもりでしたが乗った電車が途中駅ナミュールで前後分かれて行き先が変わり、車掌さんが後の車両に移るよう言ってくれたのですが良く分からなくて頷いてそのまま乗っていたら、次の駅で降りて戻るように言われました。ナミュールまで戻って城砦を歩いてから、ディナンの城砦へ。次の日は、司教の街リエージュにも行ってみました。いずれもムーズ川沿いの町ですがムーズ川はライン川と合流してロッテルダムで北海に注いでます |
![]() ナミュールの城砦の公園内のカフェで一休み |
![]() ムーズ川沿いの町並み |
![]() ナミュールからディナンへの車窓風景 |
![]() ディナン 玉ねぎ型の尖塔のノートルダム教会の裏に城砦があります。第二次世界大戦ではドイツ軍と連合軍とそ壮絶な戦いが行われました。 |
![]() ムーズ川沿いの町並み |
![]() サックフォーンを発明したアドルフ・サックスが生まれた町 |
![]() 100mの城砦からノートルダム教会 |
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ブリュッセルからパリへはタリスという高速列車で行きます。ブリュッセル南駅16:15発パリ北駅17:35着で4000円程度です。距離が150キロ程度で1時間20分、ノンストップで出発から暫くはゆっくり走っているので在来線と同じ線路を使っているように思えましたが20分すると速度がどんどん上がっていくのが体感できます。 パリでは6日間のミュージアムパス(64ユーロ)と地下鉄や近郊路線を駆使して廻ってきました。 1.ルーヴル美術館(3回通いました) 2.パリ市内の美術館 オルセー、マルモッタン、ジャックマール・アンドレ、キュスターヴ・モローの各美術館 3.ヴェルサイユ 宮殿と庭園 4.シャンティイ オーマール公の絵画コレクションがあるシャンティイ城のコンテ博物館と競馬場 5.サンジェルマン・アン・レー 城と2.4キロに及ぶ大テラスからのセーヌ川とパリ市内の眺望、モーリス・ドニ美術館 |
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ブリュッセル南駅はベルギー高速鉄道のターミナル駅で、東京駅八重洲口の雰囲気でビジネスマンや旅行客が往来してます。タリスの乗り心地はテーブルの飲み物を手で押さえていないと不安になる感じで、日本の新幹線のほうが心地いいです。 パリ北駅から徒歩3分の一つ星ホテルに泊まりました。7泊するので値段重視、隣室の声が良く聞こえることを我慢すればまあまあです。駅からホテルの間には8:30から開いているスーパーもあり重宝しました。 |
![]() タリスのデザインは洒落てます、室内も赤でまとめられています |
![]() この建物に3軒のホテルが入ってます |
1.ルーヴルは3日通いました。初日はフランス絵画、北方絵画(オランダ、ベルギー、ドイツ)、イタリア・スペイン絵画をざぁっと見て周り、2日はイタリアを中心に、3日目は北方絵画を中心に音声ガイドを聞きながらじっくり見て廻りました。モナリザのある部屋はもちろんすごい人だかりですしやはりイタリア絵画には団体客(中国人)がぞろぞろ連なってます。北方絵画もフェルメールやルーベンスの間(「マリード・メディシスの生涯」の24点の大作が専用の部屋に展示されています)などには人が居ますが、他はそれほどでもありません。皆さん忙しいので有名な絵を急いで見て廻っているようです。ここに3日間も通えるなんて贅沢、幸せものです。沢山の中から5点のお気に入りをご紹介します。 | ![]() ヤン・ファン・エイク「ロランの聖母」初日に見ましたが2日めからは立ち入り禁止になってました。一度みれて良かった。 |
![]() 作者不明「ガブリエル・デストレとその妹」 右のガブリエルは当時(1490年ごろ)フランス国王アンリ4世の愛妾で子供の無い正妻と離婚してガブリエルとの結婚を画策したようです。左の手に結婚指輪、奥の従女が子供服を縫っていて、国王との間に3人の子供を生んだガブリエルの隆盛を描いているとも言われてますが、離婚が認められて年に夢かなわず急逝(毒殺説も)、アンリ4世はその後メディチ家のマリー・ド・メディシスと再婚します。マリー・ド・メディシスはルーベンスの間で大作24枚に描かれていますが、メディチ家の権威と愛妾との差が絵にも表れています。 |
![]() クエンティ・マセイス「両替商夫妻」 ガイドではこの夫婦は敬虔なキリスト教徒で、天秤、祈祷書、背景の様々小物のそれを示唆しているそうです。手前中央の凸面鏡に窓の風景が映っていてその光が夫妻の左から差し込んでいる様子も描かれています |
![]() アントロネ・ダ・メッシーナ「傭兵隊長」 イタリア・ウルビーノ公国のフェデリコ公がモデルとも言われています。シチリアのメッシーナの出身でシチリア・パレルモで見た「受胎告知のマリア」も、飾り気の無い絵でしたがその表情に全てが絵が描きこまれていました。この絵も意思の固い、力強い性格が眼力ときりっと結ばれた口、そして背景と帽子、衣装が黒に映えています。 |
![]() カラヴァッジョ「聖母の死」 裸足、モデルが娼婦という理由で教会から受け取りを拒否されたいわく付の絵です 昨年ローマのカラヴァッジョ展でもみましたが今回はゆっくり鑑賞できました。 |
2.パリ市内の美術館 やはりオルセーには行きました。ゴッホと最上階の印象派の絵画を中心に見てきましたがどの一枚でも日本に来れば大勢の人が集まるような有名なばかりです。でもマネのベルト・モリゾがモデルの絵がやはり気になります。その足で、またマルモッタン美術館ではモリゾの絵も見てきました。ここにはモネの息子が寄贈した作品が所蔵されとりモネの「日の出」が有名ですし、ルノワール、マリゾの作品も多いこの美術館は住宅地にあり雰囲気がとてもいいです。ベルトモリゾという女性画家は、マネの弟子(モデルでもありますし、単なる師弟、友人を越えた関係かは謎)でマネを中心の印象派サロンのマドンナだっと思います。 グループにはルノワール、モネ、ドガなどが集まり、後にマネの弟ウージェーヌ・マネと結婚した。結婚後はマネのモデルになることは無く、モリゾは家庭の絵を多く描いていますが、二人の間の長女ジュリーが16歳のときモリゾが亡くなり、ルノワールやドガが孤児となったジュリーの後見人になっています。(マネも弟ウージェーヌも既に他界) モリゾに興味が沸いて「黒衣の女流画家 ベルト・モリゾ」という本を読んでいますし、娘のジュリーが書いた「印象派の画家たち」も次に読みます。 他に銀行家の夫と画家の妻が収集したジャックマレー・アンドレ美術館ではフラ・アンジェリコ展を、30分待って混雑した中で見てきました。そしてアトリエを美術館にしたキュスターヴ・モロー美術館にも。 |
![]() ゴッホ「昼寝」 |
![]() ゴッホ「オヴェールの教会」 |
![]() マネ「スミレの花束を持ったベルト・モリゾ」オルセー |
![]() マネ「バルコニー」 左がモリゾ オルセー |
![]() マネ「横たわるベルト・モリゾの肖像」マルモッタン美術館 ![]() 「モリゾ「ブージヴァルの庭のウジェーヌ・マネと娘(ジュリー)」 マルモッタン美術館 |
![]() ルノワール「ジュリー・マネの肖像」 マルモッタン美術館 |
![]() マルモッタン美術館の前は公園です ![]() ジャックマレー・アンドレ美術館ではフラアンジェリコを |
![]() ![]() モンマルトル近いキュスターヴ・モロー美術館と モロー「プロメテウス」 |
3.前回行けなかったヴェルサイユへ 市内から近郊線RERで40分くらいですが、この電車は2階建てで2階からはオルセーの地下駅を過ぎて地上にでると右側にセーヌ川が眺められます。駅から10分ほどでヴェルサイユ宮殿に。館内はオーディオガイドを聞きながら回りますが、パリ観光のメッカですから団体客が多く混雑しています。天気がいいので館外へ出て噴水や池を眺めながら、ルイ14世が愛人のマントノン夫人と過ごすために建てた離宮グラン・トリノ、マリー・アントワネットが宮廷のしきたりを嫌い友人や家族だけで過ごした離宮プチ・トリアノンの園内をぶらぶら歩きながら1日のんびり過ごしました。 |
![]() 宮殿2階からの庭園、下のほうに水路が向こうまで歩いて30分、右側にグラントリノ、さらにその右にプチトリノ |
![]() グラン・トリノ付近は人が少なく静香です |
![]() グラン・トリノへの道 |
![]() プチ・トリアン内の小道 |
![]() プチ・トリアン内の村里、鶏や牛が飼われていました ![]() 宮殿に近づくとまた人が増えてきます 土曜日なので庭園を走っている人や自転車を積んできてサイクリングを楽しむ人たちでも賑わってました |
4.シャンティイは霧の中でした 市内から北へ40キロ、鉄道30分のシャンティイ駅に着きましたが、パリを離れて15分ぐらいで景色は真っ白で駅からシャンティイ城へ向かう間も、午後帰る間も変わりませんでした。19世紀に絵画を飾るために改築され、その絵画コレクションは門外不出で有名です。オーマール公は王政復古の最後のフランス国ルイ・フィリップの5男だそうですがフランスの歴史は複雑です。壁一面に絵画が飾られていますがこれはオーマール公が所蔵品を国家へ寄贈する条件があって 寄贈したすべてを一般に公開すること 陳列品の配置を絶対に変えないこと コレクションを常に完全な状態に保管すること 従って貸し出しは禁止
がいまでも守られているそうです。また城の隣にはシャンティイ競馬場があり、フランスダービーが行われるそうです。 |
![]() シャンティイ城へ向かう20分の道のり |
![]() 開館を待つ人々、この門の先に城があるのですが・・・ |
![]() 展示の配列は19世紀のまま変わりません |
![]() 国王家の肖像画も10ほどのの小部屋に展示 |
![]() ピエロ・ディ・コジモ『シモネッタ・ヴェスプッチの肖像』。 |
![]() 宗教画の八角の間です メムリンクのえもあります |
![]() 16世紀のステンドグラスの傑作を、この城を再建するにあたって、オーマール公が移築 すごく近くで見れます |
![]() ラファエロ「三美神」 ![]() ラファエロ「オルレアンの聖母」 |
![]() 朝よりは霧が晴れてきました |
![]() 天気が良ければこんな風景です |
![]() 帰りは競馬場沿いの散策路を歩きました |
5.サンジェルマン・アン・レー パリから西へ20KM、パリより小洒落た町サン・ジェルマン・アン・レイは城と2.4キロに及ぶ大テラスからのセーヌ川とパリ市内の眺望、モーリス・ドニ美術館、街並みが楽しめます。お城の国立博物館は休館日だったのでモーリス・ドニ美術館を目指して適当に歩いていたらInfoマークを見つけ道を聞いたら美術館の他にアン・レーの町の見所を記した日本語のパンフレットも。そしてこのInfoはこの地で生まれたドビッシーの記念館でもありました。(開館時間で無いので入りませんでしたが)。 お城はルイ14世が生まれたところでもあります。 美術館も城もいいですが街並みがすばらしいです。ついつい待ち歩きをしてあっという間に時間が過ぎてしまいました。 |
![]() 地下の駅から地上に出るとアン・レー城 |
![]() 2400mの大テラスからは眼下のセーヌ川遥か向こうにパリ |
![]() モーリス・ドニ美術館 庭も広いです |
![]() 第一次世界大戦後に自ら設計したチャペル、ステンドグラス |
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ここではレストランやカフェでの食事を紹介します。お店で食べたものですね。ハンバーガーもありますしコーヒーだけのとき、ビールだけのときもあります。オランダとパリでは朝食を付けなかったので朝軽く食べたりしましたし、トイレに行きたくなってカフェに入るときもあります。コーヒーは3~5ユーロ、ビールは250mlで2ユーロ~、500mlで5ユーロ~、サンドイッチなどは5ユーロ~、ちょっとした食事は10ユーロ~が相場です。食事してビールを飲むと20ユーロ前後といったところです。個々に値段を入れてますがうろ覚えなのであくまでも目安です。 | ![]() クローク・ミューラー美術館のカフェでアップルパイとカプチーノで10ユーロくらい(これで朝食兼昼食です) |
![]() ロッテルダム駅中のバーガーキング 6ユーロ |
![]() ライデンでワイン500mlにスパゲッティで18ユーロ |
![]() ゲントのホテル朝食 8ユーロ |
![]() ブリュッセルでムール貝1キロと黒ビール 15ユーロ このムール貝はセロリと香菜のシンプルな味付けでしたがとてもいけます |
![]() アントワープのイタリアンレストランでトマトのサラダ、ワイン、右のカルボナーラで25ユーロ、付け合せのオリーブは塩はきつくて不味い |
![]() カルボナーラにチーズたっぷり掛けて濃厚ですが美味しかった。 メニューが分かり易いのでついついイタリアンに入ってしまいます。 |
![]() リエージュで昼食のハムのサンドイッチとビールで7ユーロ サンドイッチは大体フランスパンに何かサンドしてます |
右から5枚の写真はゲントの運河沿い、水辺の洒落たビアレストランで日替わりのランチを頼んだものです。平日の早めの時間なので空いてましたが休日などは行列ができるそうです。 先ずは黒ビール、つけ合わせにとろけるチーズとクッキーです。 サラダはナス、パプリカ、アスパラなどをオリーブオイルで炒めたものでこれは美味しかった。そしてブロッコリーとベーコンのホワイトソースの貝の形のパスタ(コンキリエ)、これもグーでした。最後にカプチーノをいただきながら神秘の子羊のガイド本を読んでパリ行きのタリスの時間までゆっくりしてました。 25ユーロ |
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![]() パリのシャンゼリゼのベルギー料理店でまたムール貝、今度はベーコンたっぷりチーズスープです 28ユーロとちょっと高め |
![]() ルーヴルで歩きつかれてビール500ml飲んでルーヴルのガイド本を読んでます ビール8ユーロ |
![]() パリ北駅mホテルの近くでナポリターナ(アンチョビ)のピザとシャンティワイン 25ユーロ |
![]() パリ北駅で朝食 サンドイッチとカフェオレ 8ユーロ |
![]() ルーヴル近くのカフェテリアでスペインの肉団子煮と野菜煮にビール500ml 15ユーロ |
![]() 中華が食べたくなって北駅近くのレストランで餃子と揚げ焼きそばとビール20ーロ |
![]() パリのルーヴル近くの高級カフェのカプチーノ 5ユーロ |
![]() パリ郊外サンジェルマン・アレーでカフェオレとケーキ 6ユーロ |
![]() 再びルーヴル近くのカフェテリアでスペイン料理5種盛にガスパッチョ(これうまい)、ビールで20ユーロ |
![]() 北駅近くのカフェで魚をフライパンで焼いたもの付け合せはネギのクリーム煮でこっちのほうがうまい+ビール 20ユーロ |
![]() パリ最後の夜にステーキを頼んだら山盛りのポテトフライ(80%残し)、肉は固いし、やはり魚にすればよかった+ビール 25ユーロ |
![]() シャルルドゴール空港で荷物も預けて気も軽くなって、イタリアンカフェテリアでピザに冷えた白ワイン 18ユーロ |
こちらは食べ歩きの紹介です。皆さん朝も昼もフランスパンやクレープに好きなものを選んで挟んだものを歩きながら、ホームで待ちながら食べていますし、電車の中でコーヒー飲みながら食べている光景も良く見ました。駅にも沢山の店が出ています。 | ![]() デルフトで「SUSHI」と書いてあったので覗いたらパンに海鮮ものを挟んで売ってました |
![]() 私はハーリング(生のニシン)を挟んだものを頂きました 4ユーロ |
![]() ゲントでパン屋さんとドロッピエというゴムのようなお菓子を売ってる屋台がならんでいました。パン屋は人気店のようです |
![]() 左のパン屋の屋台ででブルーベリーのタルトを購入、すごく甘いです 2ユーロ |
![]() 港町オーステンドでは海鮮専門の屋台が10件ほど連なっていました 店の右端に巻貝スープの鍋が見えます |
![]() 冷蔵ショーケースには海鮮サラダ、えび、ニシンなどが並んでます |
![]() かにとえびのサラダ 4ユーロ |
![]() 一緒に巻貝のスープも(これはノンスパイシーを選択) 2ユーロ |
![]() ワッフルの店では店頭にチョコ、砂糖、蜂蜜、バナナ、苺、生クリームをトッピングしたサンプルが並べられて指差しで購入 |
![]() 生チョコ 2ユーロ |
![]() バナナ+生クリーム+生チョコ 4ユーロ |
![]() ナミュールでピザ 2ユーロ |
![]() シャンティイの街のパン屋さんで菓子パン 1ユーロ |
![]() サンジェルマン・アン・レーの高級パン屋さんでサーモンサンドとチーズタルト 7ユーロとお高め |