オランダ・ベルギー中世絵画紀行(2010.2.26-3.6)
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2月3月はバイトも暇だし、オランダ・ベルギーの絵画を見て廻ろうかと思い、正月明けに各航空会社からプレゼント付き航空券が売り出されるのを待っていました。1月5日からKLMでは5000円VISA商品券と5000マイルのボーナスマイルが付くメールが来たので、満を持して5日の朝にサイトを開いて、東京-アムステルダム往復を日程と費用を見比べながらチェックして、7泊9日の日程で5万+諸税の券をクリックして購入しました。このとき、3回、フライトスケジュールを確認するように注意されましたが気にせずOK!OK!OK!GO!GO!GO!。クレジット支払いも済ませて、確認メールが届いたので、見てみると、行きがソウル経由(帰りは直行便)でした。えー!!、5時間も余分に掛かる。でもたまにはソウル発で韓国料理の機内食もいいかと思い直し、プレゼント申し込みをしようとしたら、なんと、日本発着直行便のみ対象でした。
気を取り直して、事前勉強です。先ずは歴史風土の入門書を読み、もう少し詳しい歴史の本を物色していると、ホイジンガの「中世の秋」(堀越孝一訳)が14~15世紀のブルゴーニュ公国(オランダ、ベルギー、北フランス)の文化に触れることが出来るらしいと図書館に行ったら、ずっしり重い幅5cmの本でした。これはきついなと思って周りを探したら、訳者の堀越孝一さんの「ブルゴーニュ家――中世の秋の歴史」「中世の秋の画家たち」を見つけました。始めに「歴史」を読み、次に「画家たち」を読みました。特に「画家たち」は見に行く絵画の入門書になるので、本屋で購入して持参しました。廻るルートもこの本の書かれた絵画を中心になってます。
この時期は最低気温は氷点下3~5度、最高気温は5~8度ですから、青森くらいでしょうか。雪はありませんが特に風が吹くと昼でも体感温度は氷点下です。持って行った毛糸の帽子と手袋は必需品です。ホテルはハーグに3泊、ゲントに4泊しオランダ、ベルギーはそこを基点にして廻りましたが、これは大正解です。国鉄は発達していて、1時間以内で行けますし、本数も20分から30分おきにありますから荷物を持って移動する回数が少なくてとても楽でした。また、アムステルダムの王立博物館、ゴッホ美術館はインタネットで入場券を購入し、チケットを印刷して持って行ったら、丁度日曜日にあたり、長蛇の列に並ぶことなく入場できたので助かりました。 |

左が入門本、右が堀越孝一さんの歴史本(共に図書館で借りました) |

左が堀越孝一さんの絵画本(購入)、右はガイドブック(図書館) |

アムステルダムの2ヶの美術館の入館券は自宅のプリンタで印刷 |
行きの飛行機(2/26)
9:00発成田は早いです。大船始発5:23で成田空港に7:37に着きます。まあ間に合いますが、もっと早く行こうとすると、始発の根岸線で横浜からリムジンバスで7:00着という手もあります。どちらにしても暗い中、荷物を持って大船に行く必要があるので、前日に東京ドームのスパでくつろいでそのまま早朝、東京駅から成田空港に向かいました。これは楽ですね。
アシアナ航空で初めてソウルに降り立ち、KLM出発ロビーで搭乗券をもらって、TVの前に座ると、女子フィギュアフリーの最後グループ6人は始まるところです。結果はキム・ヨナの圧勝で、韓国の人は大喜びで拍手してました。私も、合わせて拍手、確かに立派でしたね。KLM便に乗ったら、ビール、ワイン、機内食を2回繰り返し、その間、映画を4本(マイレージ・マイライフ、幸せの隠れ場所、ニュームーン・トワイライトサーガ、2012)をみてウトウトしたらアムステルダムに到着。
入国審査で帰りのチケットを見せろと言われて、eチケットだから無いと言ったら別室に連れて行かれて、ホテルの予約票などを見せて納得したようでやっと入国できました。eチケットのバウチャーとしてメールを印刷するのを忘れたのが失敗でした。スギポール空港の地下に国鉄の駅があり、チケットマシンでハーグまでのチケットをクレジットカードで 購入(1€手数料)しハーグ・セントラル駅まで40分。そこからホテルまでトラムで行こうと、トラムの回数券を購入し、どのトラムに乗ればいいのかウロウロしていましたが、20時を過ぎて暗くなってるし、降りる駅を間違えたらホテルにたどり着けそうにないので、ここは奮発してタクシー(12€)しました。正解でした。 |
9:00発アシアナ航空ソウル行きです。成田の始発は8:55ということを始めて知りました。 |

ソウルまでは2時間30分、インチョン空港は立派で日本語が通じて楽でした。これなら地方からは成田へ行かないですね。 |

インチョンからは乗りなれたKLM。ここはワインを小瓶で渡してくれるのでお気に入りです。 |

美樹ティ、真央ちゃんは残念 |

キム・ヨナ立派 |

ロビーは大喜び |
ハーグ(2/26~)
ハーグの目的はマウリッツハウス美術館でフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」と「デルフトの眺望」、ハーフトの「アペレス、カンパスぺを描く」(これはNHKの迷宮美術館で紹介されて)を見ることです。ホテルから回数券を使ってトラムに乗って4つ目のビエンホフ前で降りて、美術館の入口に着いたらオープン5分前です。10人ほどの行列があり、そのうち5人は日本人でした。入場して美術館ガイド本を購入し、ガイド本を読みながら絵画を見て廻ります。3階の12畳くらいの1室にはフェルメールの上記2点に「ダイアナとニンフたち」の3点が展示され、その間にヘラート・テル・ボルフの「手紙を書く女」「虱探し」と見比べられるのが嬉しい。この1室には3人しかいないという贅沢な空間です。ハーフトの絵は残念ながらアントワープのルーベンスハウスに貸し出し中で見ることは出来ませんでしたが、フランス・ハルスの「笑う少年」とラウスダールの「漂白場越しに見るハーレムの眺め」に強く惹かれ、レンブラントの絵画を見終わった昼過ぎに、電車で50分のハーレムにあるフランス・ハルス美術館に行くことにしました。 |

平和宮近くの閑静なホテル |

バスタブ付き4星です |

パンがとても美味しい |

ビエンホフ(国会議事堂)から聖ヤコブ教会方面 |

マウリッツハウス王立美術館、これは3/5の2度目の正面です |

ラウスダールの「漂白場越しに見るハーレムの眺め」
ハーレム手前の車窓から聖パフォー教会の遠景が同じでした |

北のモナリザ、フェルメールの「「真珠の耳飾りの少女」 |

フェルメールの「デルフトの眺望」
3/1にデルフトのこの場所から眺めてみました |

フランス・ハルス[笑う少年」、この笑顔、しばらく見入ってました |
ハーレム(2/27)
ハーグから北へ50分でハーレムの駅に着き、そこから10分ほど歩くと旧市街のマルクト(Marketのドイツ語読み?)広場にでます。この日は土曜日で広場ではマーケットが開かれ、特産のチーズや野菜、花や骨董品が並んでいます。広場の聖パフォー教会からさらに南を向かうと16世紀の美しい街並みが続き、フランス・ハルス美術館に着きます。ハーレムはアムステルダムの隣町でチューリップなどの球根栽培で賑わってようです。フランス・ハルスは集団肖像画と様々な風俗画を描いていて黒の使い方が旨く、同じ画家と思うほどタッチが違います。翌日訪れたアムステルダム王立博物館でも「庭園の夫婦」、「陽気な酒飲み」などを見ることができましたし、あとで調べてみてルーヴルに「リュートを弾く道化師」があったのを思い出しました。
帰りは雨が降り始め、16時過ぎに、駅でサンドウィッチとジュースを買い込み、電車に乗り込んで遅い昼食を取りながらハーグに戻りました。 |

マルクト広場では様々な店が開いており大勢の客で賑わってます。この広場や、聖パフォー教会を眺望する絵画をハーグやアムステルダムみましたが、そのままでした。 |

このチーズをグラム売りしてます |
広場の教会の裏もレストランなどが並んでます |

石畳がきれいです |

ジグザグの三角屋根が印象的です |

17世紀の養老院の建物を利用した美術館 |

聖ゲオルギウス市警備隊の士官たちの晩餐 |

養老院の女理事たち
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遅めの昼食です |
アムステルダム(2/28)
今日の目的はアムステルダムの王立博物館とゴッホ美術館です。ホテルの朝食を済ませ7時40分にトラムの停留所に着いて時刻表を見ると、始発が8時6分、土曜日が7時、平日が6時です。日曜はゆっくり休んでなきゃいけませんね。停留所で待っていると、大統領の警護をしているという人が話しかけてきます。日本人で言葉が判らないというと、英語で盛んに話てきます。4日振りに勤めが終わって、バッグに入っているDVDを見てから寝る?日本大使館はそぐそこにある?、オランダの大統領が6月だ代わる?、・・・。私の話が通じているのかいないのか、良く話しかけてました。
ハーグ中央駅からアムステルダム中央駅へ着くとあいにくの雨なのでトラムで美術館へ向かいます。乗車しハンコを押してもらうつもりで車掌さんにハーグで使った回数券を見せたら、「これはもう使えない、最後まで使ってる」と身振り手振りで言われ現金で乗車券を買いました。回数券は1~15番までハンコを押すようになっていて、私はハーグで機械でハンコを押していましたが、15番から使っていました。これが逆のようで1番から使って、15番までハンコを押したらお終いなのですって。でもハーグでは車掌さんがいないので知らん顔して使い続けました。
王立博物館に10時前に到着。9時開館で特に並ぶことなく入りました。日本語のガイドブックを購入し日本語オーディオを借りてゆっくり廻りました。現在改装中のため、特別展としてメインを展示しているため、全部見ても2時間くらいでした。陶器、食器などもありますが、やはり絵画中心に回り、その中でも別格はレンブラントです。自画像から、宗教画、肖像画、沢山ありますが私は「ユダヤの花嫁」の色彩が印象に残りました。そしてフェルメール4点「牛乳を注ぐ女」「手紙を読む女」「恋文」「小路」がありますが、隣にホーホの「母親の義務」「家の裏庭にいる三人の女性と一人の男」があって見比べられて良かったです。そしてラウスダールの大きな風車の絵。今回のオランダでは、フランス・ハルスとラウスダールに出会えたことが一番の収穫です。
ゴッホ美術館は国立博物館から歩いて5分、その隣には近代美術館があります。丁度昼頃で入館待ちの列が50mくらい続いてますが、インタネットでチケットを購入していたので並ばずに入れました。同じようにガイドブックを見ながら、オーディオで説明を聞きながら、時代順(ニューネン・アントワープ、パリ、アルル、サンレミ、・・)に展示されています。ゴッホ以外の作品を所蔵しており、昨年スイス・サンモリッツの画家セガンティーニの作品も2点ありました。
中央駅までは道々眺めながら雨の中を歩いて帰りました。日曜の午後、人出も多く賑やかでした。 |

ハーグ発8:29アムステルダム行きIC(インターシティ、急行ですね)
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アムステルダム中央駅、雨が降ってます |

ダム広場の老舗デパート前、雨が降っても傘をさす人はちらほらです |

路上チェス対決 |

シゲル花市を運河側から眺めます |

どの店でもチューリップの苗や球根を売ってました |

アムステルダム王立博物館は本館が改造中、雨の中を列をなして入場をまってます |

見学ルートの最後の専用の部屋に飾ってあったレンブラントの「夜警(キャプテン・フランス・バンニング・コックの一隊)」 |

数あるレンブラントの中で、ゴッホが一番感動したという「ユダヤの花嫁(イサクとリベカ)」
私もこれが一番気に入りました |

フェルメール「牛乳を注ぐ女」2年前に日本にもきましたね |

フランス・ハルスの「庭園の夫婦」
気取らない二人の様子と黒の衣装の描き方が素晴らしい |

ラウスダール「ドゥールステーデに近いウェイクの風車」
大きな風車、広い空に圧倒されました |

ゴッホ美術館前も雨傘が並んでます |

「収穫」アルル時代の絵で一番良かった |

二番目の私のお気に入りは「花咲くアーモンドの枝」ゴッホが自殺する5ヶ月前の作品 |
デルフト(3/1)
フェルメールの故郷デルフトはハーグから電車で15分。9時に着いて、駅から10分ほどで運河に囲まれた旧市街に入ります。マルクト広場前には市庁舎、新教会、ちょっと離れて、やや傾いた旧教会。旧教会にはフェルメールの墓がありますが、開示は11時からなので諦めて「小路」描いた場所らしきところを廻りましたが、いまひとつぴんときませんでした。映画「真珠の耳飾りの少女」の場面のイメージもありませんね。映画は霞んでいる場面が多ったですしね。最後に「デルフトの眺望」を描いたであろう場所まで行きました。空も絵のようでした。
デルフトからロッテルダム経由でベルギーのアントワープに向かいます。国境近くでは、ラウスダールの風景画を思わせる景色が見られました。平坦な牧草地、空、雲が綺麗です。大陸的風景でしょうか。アントワープで、ベルギーレイルパス(74€、10回どこでものれる回数券)を窓口で購入し、昼のパンとジュースを食べながら宿泊地のゲントへ向かいました。 |

新教会を望む |

マルクト広場前の市庁舎(消失を免れた13世紀の塔と再建された17世紀の建物) |

こちらは旧教会。傾いているのがわかるでしょうか。 |

「デルフトの眺望」らしい風景、雲の形がいいです |

ラウスダール的風景、空がきれいです |

あわせて5€の昼食 |
ゲント(3/1~)
ゲントには14時前に到着し、駅前のホテルにチェックイン。女将とお互い拙い英語でやりとりして、鍵はチェックアウトまで持っている、23時過ぎると正面のドアは閉めるので脇から自分の鍵で入る・・・。「OK、OK、that's
right・・?」冷蔵庫もついているのでとても便利です。
早速、アイクの祭壇画「神秘の仔羊」を見るべく旧市街へ向かいます。トラムで10分だけど、久しぶりに晴れたので歩いていくことにしました。20分ほどで川を渡り旧市街に入り目指す聖バーフ教会の裏手に到着。早速中に入り、ルーベンスの絵を見たりして、右側奥の祭壇画(複製)の部屋の入ります。複製なのでカメラも自由、扉も開けたり閉めたりして10分ほど眺めてから、入口左側の本物の部屋に4€払って入ります。空調設備の整ったガラスに全て覆われて、周りを歩いて見て廻れます。20人も入れば一杯になる大きさで、日本語オーディオガイドで24枚の絵を丁寧に説明してくれます。
ここからは、旧市街地の風景を楽しみながら帰り道にワイン、ビール、トマト、ルッコラを買ってホテルでシャワー浴びてから冷やしたベルギービールと白ワイン半分飲んだら、19時でもう寝てました。 |

ゲント駅前です(ホテルの部屋から) |

、部屋は4階です、1階にビアホール |

バスタブはありませんが冷蔵庫も付いて機能的には充分 |

「神秘の仔羊」ある聖バーフ教会 |

マルクト広場前の鐘楼(3月は登れません) |

聖ニコラス教会、鐘楼、聖バーフ教会と見渡すビューポイント |

鐘楼から市庁舎 |

左コーンレイ(穀物河岸)右がグラスレイ(香草河岸) |

この写真が一番です |

ファン・アイクの「神秘の仔羊祭壇画」正面に12の絵、扉を閉じると12の絵、全部で24の絵が描かれてます |

中央主題画「仔羊の礼拝」 |

中央がキリスト?、左が聖マリア、右が洗礼者ヨハネ |

今夜の夕食はサラダ(ドレッシングは日本から)、ビール、ワイン(1日半分) |

天気予報では火・水・木と好天で帰る金曜に崩れるようです |

朝食はシンプルですが美味しいです |
アントワープ(3/2)
ダイヤモンドと「フランダースの犬」の舞台として有名なベルギーの都市アントワープ(アントウェルペン)この地名は、英雄ブラボーが「巨人アンティゴーンの手(ant)を切り取って投げた(werpen)という伝説」に因むという由来を持っています。ゲントの駅を9時ごろ出て10時前に到着。駅舎は「鉄道の大聖堂」と言われるほど美しく壮大です。駅前はダイヤモンド加工の街らしく宝飾店が連なっています。またルーベンスが根を下ろした街で工房・住居はルーベンスハウスとして公開されています。駅から15分ほどのマルクト広場には英雄ブラボーが手(ant)投げる(werpen)銅像と噴水が鎮座、周りには市庁舎、ノートルダム大聖堂、レストラン、カフェが囲んでいます。また隣のフルン広場からはルーベンスの銅像と大聖堂の塔を見ることが出来ます。
大聖堂に入って中央奥に、「フランダースの犬」でネロとパトラッシュが最後に見たルーベンスの「聖母被昇天」、そして「キリスト昇架」、「キリスト降架」があります。朝早せいか、訪れる人は5人くらいです。ルーベンスの宗教画は多すぎ?見すぎ?のせいか印象も薄くなります。その足で、20分ほど川沿いを歩いて王立美術館に行きます。ここでも主役はルーベンス、中央の大広間に立て4mサイズの絵が並んでいます。でもルーベンス以外にも素晴らしい絵があります。ジャン・フーケ 「エティエンヌ・シュヴァリエの聖母」とダイクの「キリストの哀悼」は色使いがとても印象的です。フランス・ハルスの絵もありました。ここの出身だそうです。自由を尊ぶ商都の歴史はブルゴーニュ家の束縛を逃れ、ブルージュ→ゲント→アントワープ→アムステルダムと移り変わり、画家たちもパトロンである商人と共に繁栄する街に移り住んだようです。
王立美術館から駅に戻る途中に、マイヤー・ヴァン・デン・ベルフ美術館があり、ここでブリューゲルの「気狂いフリート」などを見ましたが、ルーベンスハウスはパスしました。ルーベンスを食傷気味です。ワッフルを食べながら繁華街を駅に戻り、そこからブリュッセルとの中間にあるメッヘレンに行ってみました。 |

大聖堂?違います、アントワープ中央駅舎です |

手を投げるブラボーの像 |

ルーベンスの左奥に大聖堂 |

キリスト昇架 |

キリスト降架 |

聖母被昇天 |

王立美術館 |

ジャン・フーケ 「エティエンヌ・シュヴァリエの聖母」 |

プリューゲルの雪中画 |

ルーベンスの弟子ダイクの「キリストの哀悼」 |

フランス・ハルスはアントワープ出身でハーレムに住み着いた |

本場のワッフルの味はアップルでシンプル、クリームつけると+1€、これが昼食 |
トゥルネー(3/3)
朝のゲント駅の発車予定掲示を見ると乗る予定のリール(仏領)行きが10分遅れ((+OH10)と出ています。ホームで待っていると、遅れが+15、+20と膨らんでいきます。オランダの国鉄は時間に正確でしたが、ベルギーは遅れる比率が多い気がします。結局、モスクロンで乗り換える予定の電車に間に合わず、しばらく待ち合わせてエノー州のトゥルネーに着きました。エノー州はフランス語圏で、トゥルネーはフランス読み「TOURNAI」、オランダ語では「DOORNIK」となります。電車の案内でも、フランス語、オランダ語両方でアナウンスされます。ベルギーは首都ブリュッセルを除いた北側がオランダ語圏、南のフランス寄りがフランス語圏となります。
トゥルネーに降り立ったら、朝のゲントより格段に寒いです。晴れているのに北風が強く、体感は零度と言っても大げさではありません。ここでは世界遺産の登録された五つの塔を持つ大聖堂があります。立派な駅舎から南へ歩くこと10分で運河にぶつかりこの先が旧市街です。運河に掛かる橋に遮断機がありキンコンカンコン鳴って遮断機が下りてきます。何のことやらと眺めていると、橋全体が上がり始め(開くのではなく)2mほど上がったところで上流から砂利を積んだ船が下ってきます。納得納得。橋が元に戻って渡るとすぐ大聖堂があり、その先に鐘楼が見えます。この72mの鐘楼に登って見渡すと、目の前の大聖堂の五つの塔や、グランプラス(広場)が見下ろせます。美しい街です。
これまで訪れたオランダの町や北側ベルギーの町では、マルクト広場が中心の広場の名前でした。これはマーケット広場(MARKET)のドイツ語読みでドイツの町もいたるところマルクと広場があります。これに対してグラン・プラスはGrandPlaceのフランス読みです。明日訪れるブリュッセルのグランプラスも美しい広場で有名で世界遺産に登録されています。
この町はケーキ屋さんがとても目に付きました。とても美味しそうなケーキはホールやカットで並べられています。妻が一緒だったら絶対に店に入って食べてたでしょうね。 |

この掲示の4本に遅れが表示されてます |

乗り換え駅のムスクロン、寒いです |

トゥルネーの駅舎です |

橋が2m上がって、下を船が通過していきます
右が世界遺産の大聖堂、3月は閑散期で中に入れませんでした
一番右が鐘楼です |
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屋根の色が明るい |
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どれも美味しそうです |

見て楽しむ |

次女の誕生日が昨日でした、航空便で送りたい |
ブリュージュ(3/3)
トゥルネーから西へ向かい、2回乗り換えて古都ブルージュへ向かいます。昼過ぎで途中小学生の団体、中高校生(区別がつきません)の下校に重なり電車は混んでいます。そういえば、高校生(中学生?)がどうどうとタバコを吸っています。16歳未満にはタバコを売ってはいけないようですが、吸ってはいけないとは言ってないようですね、若年総の喫煙率は高そうです。
橋という意味のブルージュは13~14世紀にハンザ同盟の主要都市として繁栄しましたが、15世紀末にはその座をゲントに譲り、そのまま現在まで至る古都です。駅から15分で旧市街マルクと広場は中世のまま残り世界遺産に登録されています。ここも鐘楼に登って景色を楽しむことが出来ますが、工事中で途中まで、しかも180度までしか景色を楽しむことが出来ませんでした。そう言えばチケットを買うとき何か言ってましたが、その説明だったのですね。でもここの目的はグルーニング美術館、メムリンク美術館です。 |

駅から少し歩くと川を渡り中世に雰囲気 |

石畳と教会、養護院、・・ |

15分でマルクト広場に出ました |

鐘楼から広場を望む |

救世主大聖堂、駅の方面 |

広場の裏の運河沿いはカフェやレストラン |

メムリンク美術館の「マールテン・ファン・ニーウウェンホーフェの肖像」 |

メムリンクの最高傑作といわれる「聖カタリナの神秘の結婚」
あでやかな色使いです |

「マギの崇拝」 |
 グルーニング美術館
ゲントの祭壇画のファン・アイクにここでも出会いました
「ファン・デル・バールの聖母子」です。
ルーヴルで見た「宰相ニコラ・ロランの聖母子」の素晴らしさを改めて認識しました。もう一度、ウフィッツ、ルーヴル、ロンドンナショナルギャラリ、ウィーン史美術館を廻りたくなりました。 |

ヒューホ・ヴァン・デル・フース「聖母の死」
ウフィッツの「ボルティナリの祭壇画」も彼の作品でした |

ヘラルト・ダヴィットの「カンピュセスの裁判」
ダヴィットはファン・アイクの技術を継承し16世紀ルネサンスへの先駆となったと言われています。 |

レースも特産でお土産に並んでます |

お土産はやはりチョコレートですね |

ブリュッセルの「ゴディバ」日本でもなじみがあるので、ブリュージュのこの店でお土産を買いました |

お土産も買い、ゲントに戻りホテルのビアホールで、「dark 9% 330cc」頼みました |

次は「pils 5% 250cc」日本のビールに近くてやはり飲みやすい |

18時30分で陽も沈み、私もベットで撃沈 |
ルーヴェン(3/4)
ブリュッセルの東にある町ルーヴェンに、ディルク・バウツの「最後の晩餐」を見にいきました。バウツはハーレムで生まれ、ルーヴェンに移り住んで市の画家として生涯を送ったそうです。聖ペテロ教会に着くと、その前に1階から3階まで人物像が並んでいる市庁舎があり、しばらく見入ってました。朝日があたって大変美しいです。9時過ぎたので、教会の中に入り、お目当ての宝物館のチケット2.5€を買おうとしたら50€紙幣しかありません。やはり釣りは無いと言われ、visa、masterカードを出しても使えず、離れた場所にポストカードなどを売っている場所があったので2枚2€で50€紙幣出すと、今日始めての客で釣りは無いと言われました。仕方なく、広場へ戻り、ファーストフード店でドーナツ+コーヒー(2.3€)を購入し小銭を作りました。ささっと食べて飲んで、また教会に行き、宝物館を巡り、ポストカードを買いに行ったら、先ほどの2枚を1€にまけてくれました。
11時過ぎに、広場に戻ったら、朝より冷えてます。近くのカフェでビールを頼んで、2枚のポストカードを書いて、トイレに行って、また駅に戻り、ベルギー最後の訪問地、ブリュッセルへ向かいました。 |

市庁舎は見事です、来てよかった |

1階が芸術家、見識者、2階がギルド職人、政治家、その上が歴代の君主で、塔に聖書の登場人物の像が飾られています |

ここは陽が当たり外でも暖かい |

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聖ペテロ(シント・ピーターズ、Sint-Pieters)教会 |

内部は朝日はさして神々しい |

バウツの「最後の晩餐」 |

「キリスト降架」 |

『聖エラスムスの殉教の三連祭壇画』 |

教会の裏手にカフェが並んでます |

市庁舎の裏には大学の校舎があり学生が目に付きます |

ビールを飲みながら絵葉書を書きました |
ブリュッセル(3/4)
ルーヴェンから30分で地下のブリュッセル中央駅に到着。上に出るとこの旅行で初めての坂道、丘の上に王宮があり、その手前右側に目指す王立美術館です。ここでもガイドブックを片手に廻りますが、中央の広い部屋にルーベンスが鎮座してます。年代順に並んでいて、じっくり見て廻ったら3時間かかりました。ウエイデン、クリストス、バウツ、ブリューゲル、ヨルダーンスなど見所満載ですが、途中で携帯(カメラ)の電池が切れてしまいました。一番印象に残っているのは、バウツの「皇帝オットーの裁判」「火の試練」です。
見終わってから郵便局で2枚のポストカードの切手を買いポストに投函、その足でグランプラスに行きました。縦110m横68mの広場の周りには市庁舎、王の家,、ブラバン公の家などが並び美しいところで、カメラで写せないのが残念です。日本ならコンビにで補充電池でも買うところですね。美術館で時間を使いすぎてもう17時過ぎなので、ゲントへ帰る電車に乗り、疲れ果ててワインを半分飲んで寝てしまいました。、 |

ウェイデンの「ピエタ」 |

ペトロス・」クリストスの「哀歌」 |

バウツ、左「皇帝オットーの裁判」、右「火の試練」 |

ヨルダーンンス「酒を飲む王」 |

巨大なルーベンスを展示する大広間 |

2階の回廊が古典美術を展示し、近代絵画は地下から別館へ移動します |
帰国(3/5~6)
最終日はゲントからハーグに戻り、マウリッツハウス美術館でフェルメール、フランス・ハルス。ラウスダールに別れを告げ、スギポール空港に15時到着。17:40発成田直行便なので、チェックインを済ませ荷物を預けたらもう気持ちも軽くなって、野菜の種、花瓶を買って、アムステルダム王立博物館の別館として空港内にある美術館を見ました。20点ほどの絵画が展示されていて、最後まで絵画紀行でした。搭乗まで1時間ほどあるので、カフェテラスでワインとサラダを頼みすっかりくつろいでしまいました。飛行機の中でも映画を2本見たら寝入って、目が覚めたら日本海の手前まで来ていて、朝食を食べたらもう新潟上空です。横須賀線のグリーン車に乗り、ビールとゲント最後の夜の余ったワイン(お茶のペットボトルに入れて持ち帰りました)を飲みながら無事帰宅。
今回の費用は、飛行機代73.6千円、ホテル530€(67.8千円)、美術館代195€(25千円)、現地交通費200€(25.6千円)、食費112€(14.3千円)、お土産90€(11.5千円)、成田交通費5千円で合計222千円でした。 |

スギポール空港内美術館ではお土産もあります |

定期的に展示を代えているようです |

空港内でハーフの白ワインにオリーブ入りサラダ |

こちらはJR車内販売のビールとおつまみ |

美術館ガイドブック、重かった |

左上がオランダ国鉄チケット、左下がベルギー国鉄10回券
右上がトラム回数券、右下がアムスで買わされたトラム券 |

お土産チョコ、詰めあわせ4ヶは娘たちに |

詰め合わせの中は20ヶ入ってお買い得 |

カレンダー、花瓶、野菜の種 |