反戦・全学連、北富士に決起
11月12日、反戦・全学連の部隊は、在沖米海兵隊による実弾砲撃移転演習粉砕の北富士現地闘争に起ちあがった。
午後0時30分、反戦・全学連の部隊は、国道138号線沿いの山中湖畔に結集して隊列を整える。そして、実弾砲撃移転演習が行なわれている陸上自衛隊・北富士演習場(富士吉田市、忍野村、山中湖村)へのデモ出発に先立ち、全学連の同志が基調的提起を行なう。「在沖米海兵隊は、11月11日より実弾砲撃移転演習を開始している」「米海兵隊は、中東反革命戦争の拡大・激化や朝鮮反革命戦争遂行をみすえた、より激しい実戦訓練を強行しようとしているのだ」「北富士現地闘争の爆発をかちとり、在沖米海兵隊による実弾砲撃移転演習を粉砕しよう」「北富士演習場を解体し、自衛隊・米軍を解体しよう」との基調的提起を受けた反戦・全学連の部隊は、ただちに北富士演習場へのデモにうってでた。
旗竿を手にした反戦・全学連の部隊は、国道138号線を北富士演習場方向に進んでいく。北富士演習場が近づくにつれ、米海兵隊が155ミリ榴弾砲を富士山麓にうちこむ地響きの音がくり返し響いてくる。その度に反戦・全学連の部隊は、怒りを新たにしながらさらに進撃を続けた。
そして、反戦・全学連の部隊は、北富士演習場ゲート前に到着する。閉じられたままのゲートの向こう側に自衛隊の警護隊が陣取り、われわれと対峙している。その後方には「訓練中 立ち入り禁止」の看板が掲げられている。反戦・全学連の部隊は「米海兵隊の実弾砲撃移転演習を粉砕するぞ」「北富士演習場を解体するぞ」「米軍・自衛隊を解体するぞ」と怒りのシュプレヒコールを叩きつけた。こうして反戦・全学連の部隊は、権力の弾圧を一切ゆるさず、北富士現地闘争を最後までやりぬいた。
実弾砲撃移転演習を粉砕しよう
在沖米海兵隊は、11月11日から24日のうちの10日間、北富士演習場において実弾砲撃移転演習を実施することをうち出した。11月上旬に米海兵隊の訓練部隊がキャンプ富士に到着し、11月11日より実弾砲撃移転演習を開始している。
在沖米海兵隊による実弾砲撃移転演習は、「沖縄県道104号越え実弾射撃訓練の分散・実施」として1997年に開始されて以来、北富士演習場をはじめとして静岡・東富士、北海道・矢臼別、宮城・王城寺原、大分・日出生台の計5ヵ所の自衛隊演習場でくり返し強行されてきた。今回の北富士での演習は、1997年7月以降実施を重ねており、今回は2009年11月以来の2年ぶり10回目である。今回の部隊の規模は一個大隊レベルの約430人であり、155ミリ榴弾砲12門や、小火器を使った実弾射撃が行なわれるとされる。155ミリ榴弾砲は最大飛距離約14キロで、着弾地の半径約50メートル内を爆破する破壊力を持つ。複数の砲門を同時使用することで同一エリアを複数回撃破することや、広範囲を攻撃することが可能とされており、米軍が世界中に配備しているものである。
11月16日、在沖米海兵隊は北富士演習場での実弾射撃訓練を、マスコミや地元関係者らに公開した。地元住民らで構成される「北富士演習場対策協議会(演対協)」や、富士吉田市などの一市二村の地元入会組合で構成される「富士吉田市外二ケ村恩賜県有財産保護組合(恩賜林組合)」らの目の前で、在沖米海兵隊は155ミリ榴弾砲四門に砲弾2発を込め、2回で合計16発を射撃してみせた。在沖米海兵隊は実弾砲撃移転演習を御用住民団体に公開することで、「地元住民の合意」を演出しようとしたのである。
在沖米海兵隊は、ここ数年の実弾砲撃移転演習では夜間演習を常態化させるとともに実態を覆い隠し、地元住民の生活をも破壊する実戦―労働者人民虐殺を見すえたより激甚な訓練をも強行している。一例として、近年、東富士など各地の実弾砲撃移転演習において、白リン弾を使用した射撃訓練を秘密裏に強行していることが指摘されている。白リン弾は人体に触れると5000度もの高熱を出し「骨まで焼き尽くす」と言われるほどの威力を持つ。最近では2008年末〜2009年初頭に、イスラエル軍がパレスチナ自治区・ガザに大規模侵攻した際に使用し、パレスチナ労働者人民を苦しめたことで知られている。近年の実弾砲撃移転演習では、従来見られなかった山火事が頻発しているという。白リン弾使用による、水源地における土壌・水質の汚染も懸念されている。
白リン弾使用にしても、「氷山の一角」でしかない。実弾砲撃移転演習は、回を重ねるごとに質・量ともに強化されているのが実態である。米海兵隊は、実弾砲撃移転演習において、中東反革命戦争の拡大・激化や朝鮮反革命戦争遂行をみすえた、より激しい実戦訓練を強行しているのだ。
「沖縄の負担軽減」なる、誰も信じる者などいないペテンを未だに振りかざしながら、戦時体制形成をみすえた大規模な訓練をさらに強行しようとする日・米帝国主義の策動を粉砕しなければならない。北富士現地闘争の爆発をかちとり、在沖米海兵隊による実弾砲撃移転演習を粉砕しよう。
北富士演習場を解体しよう
北富士演習場は、山梨県内の国有地1904ヘクタール、県有地2396ヘクタール、民公有地297ヘクタールの計4597ヘクタールから成る巨大な演習場である。戦前に旧日帝陸軍が開設し、戦後米軍に接収された後、1958年に日帝政府に「返還」されたことになっているが、東富士とあわせた富士演習場をめぐる日・米政府間の密約により、優先使用の権限は米軍が握ったままである。その上で反対運動の圧殺と地元住民の取り込みを狙い、1973年に国と県などの地元代表との間で「第一次使用協定」が結ばれ、以降5年ごとに更新されるようになった。2008年3月27日には国と山梨県、富士吉田市、山中湖村、忍野村などが「第八次使用協定」に調印した。協定更改により北富士演習場は同年4月1日から2013年3月31日までの5年間、引き続き自衛隊と米軍の訓練に使われることになっている。
歴代政府は反基地運動を闘う勢力には弾圧を加える一方で、「損失補償」などと称するカネをばらまいて地元自治体や有力者らを手なずけることで、北富士演習場の安定的な使用を続けてきたのである。その上に立って自衛隊・米軍は、中東反革命戦争の拡大・激化や朝鮮反革命戦争突撃をみすえた労働者人民虐殺訓練を日々行なっているのだ。革命的反戦闘争の爆発かちとり、北富士演習場を解体しよう。
現在、野田連合政府はくり返し沖縄に閣僚を送り込み、「沖縄振興策」をちらつかせながら沖縄・名護新基地建設を強行しようとしている。しかし沖縄労働者人民の反基地闘争が粘り強くうちぬかれ、日・米帝国主義を確実に動揺せしめている。闘う沖縄労働者人民と結合して、沖縄・名護新基地建設を阻止し、日米安保の再編・強化を粉砕しよう。自衛隊基地・米軍基地を解体し、自衛隊・米軍を解体しよう。被災労働者人民支援大運動をさらにやりぬき、戦争遂行の野田連合政府を打倒し、日帝国家権力を解体しよう。
11・3海兵隊出撃阻止に決起 〈沖縄〉
11月3日、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会は、陸上自衛隊北富士演習場における155ミリ榴弾砲の実弾砲撃演習を阻止するために、在沖米海兵隊の出撃阻止闘争に決起した。呼びかけに応えた沖縄・首里日雇労働組合の仲間もともに闘いぬいた。
11時半過ぎ、パレットくもじ前(那覇市)に登場した部隊はただちにビラまきを開始する。「実弾砲撃演習に反対しよう」、「演習の拡大・強化を許すな」、「労働者の戦争動員を阻止しよう」、「日米共同演習を粉砕しよう」、「あらゆる軍事演習に反対しよう」、「普天間基地を解体しよう」、「名護新基地建設を阻止しよう」、「オスプレイ配備を止めよう」、「与那国への自衛隊配備を阻止しよう」、「日米安保に反対しよう」という呼びかけに、多くの市民が立ち止まりビラを受け取っていった。
実弾砲撃演習には実際に戦場に立った砲兵が参加している。在沖米軍は今もなおアフガニスタンに継続的に派兵されている。世界中で殺戮・破壊に手を染める部隊の訓練が、労働者人民の命と生活を脅かしながら、日常的に繰り広げられている。そして朝鮮反革命戦争の危機が深まる中で、より実戦的で凶暴な軍事演習が強行されているのだ。
10月27日から11月4日まで、日米の帝国主義軍隊が九州から沖縄までの海域・空域において共同演習を強行した。演習には海上自衛隊と米海軍合計で1万5000人が参加し、海自は艦艇約30隻、航空機約60機を投入し、米海軍は原子力空母「ジョージ・ワシントン」を筆頭に艦艇約20隻、航空機約70機を投入した。演習の主要な項目は対潜水艦戦・対空戦・対水上戦とされている。10月26日には米海軍の原子力潜水艦「オクラホマシティ」と海自の護衛艦「ひゅうが」(横須賀)、「きりしま」(横須賀)、「はたかぜ」(横須賀)、「あたご」(舞鶴)、「きりさめ」(佐世保)、「はまぎり」(大湊)がホワイト・ビーチに寄港した。沖縄の出撃拠点化が強まっているのだ。また、演習に先立って25日から嘉手納基地に配備されている米陸軍の地対空誘導弾パトリオット・ミサイル(PAC3)の移動訓練が実施された。深夜、嘉手納基地を出発したPAC3本体を含む数十台の関連車両は、一般車道をわが物顔で移動し、普天間飛行場やキャンプ・コートニーに展開した。米軍は「日米共同演習とは関係ない」「日常的な訓練」としているが、昨年12月に沖縄周辺海域で実施された大規模な日米共同演習の際も同様の訓練が行なわれている。出撃拠点および司令部の防衛態勢をとる軍事訓練が、共同演習と連動し強行されたのである。
日米共同演習を皮切りに九州から沖縄にかけた地域で、陸海空三自衛隊の統合実動演習や陸自西部方面隊による実動演習などが続々と強行されようとしている。昨年末に改定された「防衛大綱」に盛り込まれた南西地域の態勢強化が一挙的にすすめられているのだ。日米共同演習と同時期には、韓国全土および周辺海域において韓国軍による「護国訓練」が実施されている。一一月中旬には海自と韓国海軍による捜索・救難訓練が最大規模で実施される。日・米・韓は軍事的連携を強化し臨戦態勢をうち固め、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対し「全面屈服か、さもなくば戦争か」という軍事的恫喝を突きつけている。朝鮮反革命戦争突入をみすえているのだ。出撃を阻止し、基地を解体する実力闘争を巻き起こしていくことが必要だ。
われわれの断固たる訴えに、すすんで手を差し出し「ごくろうさま」と声をかけていく市民も少なくない。ある男性は「俺も軍事演習に怒っている。暑い中よく頑張ってくれてるな」と語りかけてくる。また、ゼッケンに書かれた「普天間基地解体・名護新基地建設阻止」の文字に注視する中学生の一団がビラを求めてくる。帝国主義の戦争に反対し、戦争につながるいっさいの軍事演習に反対し、安保粉砕・日米軍事基地解体・帝国主義軍隊解体を推進する反戦・反基地闘争への決起を呼びかけ、約1時間の情宣闘争を貫徹した。
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