朝鮮反革命戦争遂行のための大規模実動演習を許すな
11月10日、福岡県反戦と全学連九州ブロック、そして福岡・築港日雇労働組合は、この日から18日までの9日間にわたって行なわれる陸上自衛隊・西部方面隊による実動演習を阻止すべく、日出生台現地闘争に起ちあがった。
西部方面隊の演習は毎年この時期に行なわれてきたが、今回のそれは、例年のものとは大きく区別される凶暴な特徴を持つ。第1に、九州における過去最大規模の演習だということだ。日出生台演習場、大矢野原演習場、霧島演習場などで行なわれた今回の演習には、西部方面隊のほとんどの部隊が参加した。全体の参加人員は約5400人、車両1500両、航空機約30機とされ、日出生台における演習には、人員2200人、車両400両が参加した。
第2に、この演習は、昨年12月に策定された新「防衛大綱」で新たに打ち出された「動的防衛力」構想に基づく、初めての大がかりな実動演習だということだ。「動的防衛力」なる構想は、「専守防衛のための基盤的防衛力」構想を投げ捨て、自衛隊をより機動的・即応的・攻撃的な海外派兵の部隊として形成していこうというものだ。そのために今回は、「中央即応集団」の第1空挺団と第1ヘリコプター団や、北海道の北部方面隊・第7師団の第11普通科連隊と第七戦車連隊等の410人、車両120両などが参加している。「中央即応集団」は、海外派兵―労働者人民殺戮の最前線を担う最凶暴の部隊だ。今回の演習では、この「中央即応集団」との「連携要領を演練し、(西部)方面隊の武力攻撃対処能力の維持・向上を図る」(陸幕広報室)としている。「中央即応集団」との「連携」を強めることによって、自衛隊総体を労働者人民殺戮軍として強化しようというのだ。北部方面隊の戦車部隊の参加は、今回が初めてのことだ。第七師団は、陸自唯一の機甲師団であり、今回、北海道だけに実戦配備されている九〇式戦車4両、八九式装甲戦闘車10両を、民間フェリーを利用して九州入りさせた。七三式装甲車10両は、JRの貨物列車で移動させた。戦車の積み込みのために、東千歳駐屯地から港までの公道を約30キロにわたって走行することにも、初めて踏み込んだ。日出生台までの移動過程を「長距離機動訓練」と位置づけ、民間の港や輸送会社などを利用して、「有事」における部隊展開と総動員体制の予行演習を行なったのだ。
第3の特徴は、露骨な朝鮮反革命戦争の予行演習だということである。日出生台での演習では、演習場の区域の一部を南西諸島の「島」に見立てた「島嶼部防衛訓練」が重要なものと位置づけられた。朝鮮反革命戦争の遂行にあたって、南西方面に展開する中国軍の牽制をも見据えたものだ。
日出生台演習場を解体しよう
こんな演習を許すわけにはいかない。11月10日午後1時、青ヘルメットの部隊は、日出生台演習場のゲート前に登場する。周辺は、演習に向けてせわしなく準備に追われる自衛隊員や、すさまじい数の軍用車両で埋め尽くされている。部隊は、演習場に向かって横断幕を広げ、赤旗をなびかせ、竹竿で身構えながら、シュプレヒコールを叩きつけていく。「西部方面隊による軍事演習阻止」「労働者人民殺戮訓練粉砕」「朝鮮反革命戦争粉砕」「日出生台演習場解体」「帝国主義軍隊解体」と、何度も何度も怒りの声を叩きつける。福岡県反戦の仲間からこの日の闘いの意義が提起され、全体で確認する。全学連九州ブロックの仲間の「他の勢力の闘争放棄を踏み越えて、演習を実力阻止しよう。朝鮮反革命戦争を全力で粉砕しよう」という発言を受けて、さらなるシュプレヒコールで追い打ちをかける。ゲート前を制圧した部隊は、思う存分に怒りを叩きつけ、この日の闘いをやりぬいた。
この演習を前後して、10月27日から9日間にわたり、米原子力空母も参加した海上自衛隊と米海軍との共同実動演習が強行されている。11月14日から18日にかけては、奄美大島において、「離島への武力攻撃」を想定した陸・海・空自衛隊による統合実動演習が初めて強行された。これには地対艦ミサイルや地対空誘導弾等が、民間フェリーで運ばれている。朝鮮反革命戦争の危機が一触即発的に煮つめ上げられているのだ。昨年11月の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による延坪島砲撃以降、日・米・韓は、北朝鮮が軍事行動に出たなら、それを口実にして、即座に全面戦争に打って出る態勢を整えている。東北・関東大震災での自衛隊部隊の被災地制圧以降、自衛隊部隊が日本全土をわがもの顔で制圧する動きも加速している。
情勢の緊迫度に比して、闘う側の反撃が立ち遅れている。これほどの演習に対しても、地元において闘いは取り組まれていない。こうした現状を突破すべく、革命的反戦闘争の大爆発を闘いとらねばならない。わわれわれは、その先頭に立って闘う。 |