大阪城公園での集会と大阪府庁包囲デモ
10月20日、「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪・全国集会実行委員会」が主催する「『教育基本条例』『職員基本条例』案反対! 大阪府庁包囲行動」が、大阪城公園・教育塔広場西側における集会と大阪府庁包囲デモとして闘いぬかれた。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」も結集し闘った。
午後6時に集会が開始される。まず、「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪」の代表・黒田伊彦氏が、この間の取り組みや状況を報告する。「9月24日の〝『君が代』強制大阪府条例はいらん! 『教育基本条例』『職員基本条例』を許すな! 全国集会〟は、762人の参加をもって成功した。そして、9月29日には、『君が代』強制大阪府条例の撤廃と『教育基本条例』『職員基本条例』の成立反対を求める請願を、署名1万1898人分を添えて大阪府議会議長に行なった」「明日21日の大阪府議会の本会議において『条例』案が採択に付されるのではないかということで、本日の行動を開催した。明日採択に付されない場合は、大阪府議会の審議が明日でいったん休止となるため、大阪府知事と大阪市長のダブル選挙後となる。選挙で橋下―『大阪維新の会』が勝ったとしたら、民意・お墨付きを得たということで、12月8日から再開される大阪府議会の最終日である12月15日に採択に付されるであろうと思われる」。黒田氏は続けて、「日教組は、『教育基本条例』案『職員基本条例』案に教育委員会も反対しているということで『教育委員会ガンバレ』という署名をやったが、ナンセンスである。日教組臨時大会を開き、総意を結集し、一斉休暇闘争というストライキ闘争をもって臨むべき段階と考えている。一斉休暇闘争をやるには、先生はなぜ休むのかということを生徒に語り、親と議論しなければならない。職場は情報を求め、職場討論が開始される。少なくとも日教組は、そういった闘争の牽引者にならなければならない」「日教組は、かつて朝鮮戦争の時に、『教え子を再び戦場に送るな!』というスローガンを打ち出した。それを投げ捨てるわけにはいかない。私たちは、そういう過去から学んでいかなければならない。将来の子供たちが『その時、お父ちゃん、お母ちゃん、先生方、何してたの』と聞かれたとき、胸を張って『われわれはこのような闘いを闘ったんだ』と言えるような闘いを、これから組織していこうではありませんか」と、闘いの方針を提起した。
続いて、大阪府枚方市の中学校教員による歌をまじえたアピールや大阪府立高校教員の発言、さらに、三重県教職員組合の組合員や東京都の元教員の発言などが行なわれた。そして、「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪」事務局から「今後、リーフレットなどを作って府民にもっと呼びかけていきたい」と、今後の行動提起がなされた。
午後七時、大阪府庁包囲デモに出発する。「『教育基本条例』反対!」「『職員基本条例』反対!」「『君が代』不起立処分反対!」「教育を橋下の思うようにさせないぞ!」「橋下は知事も市長候補も辞めろ!」とシュプレヒコールを響かせながら、約200人のデモ隊が大阪府庁を包囲した。デモ後の集約では、「これからが本当の正念場だ。府民に『条例』案のひどさを訴えていけば、橋下を追いつめていくことができる。さらに大きな闘いの広がりをつくっていきたい。これからも一緒に頑張りましょう」と呼びかけられ、行動が締めくくられた。
「『日の丸』『君が代』強制条例」撤廃かちとり、「教育基本条例」「職員基本条例」の成立を阻止しよう
大阪府知事・橋下を代表とする「大阪維新の会」は今年6月の大阪府議会で、大阪府の施設・学校での「日の丸」の常時掲揚と、大阪府立学校及び府内の市町村立学校の教職員に「君が代」の起立斉唱を義務化する「大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例」(「『日の丸』『君が代』強制条例」)の成立を強行した。橋下は「教育とは二万パーセント強制」「立たぬなら府民への挑戦」「起立しない教員は意地でも辞めさせる」と叫んで、「日の丸」「君が代」強制を徹底しようとしている。
これに加えて「大阪維新の会」は、9月20日から始まった大阪府議会に「教育基本条例」案「職員基本条例」案を提出した。大阪市議会にも9月30日に提出したが、「大阪維新の会」が議会の過半数を有していないため、即日否決された。しかし、11月開会の堺市議会にも提出をもくろんでいる。
「教育基本条例」案「職員基本条例」案は、3回不起立した教職員を免職(クビ)にするなど「『日の丸』『君が代』強制条例」にはない罰則規定を盛り込み、「日の丸」「君が代」強制を徹底することなどを狙ったものである。「愛国心及び郷土愛に溢れるとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する人材を育てること」や「世界標準で競争力の高い人材を育てること」などを「基本理念」とするなど、「愛国心教育」を強化し「競争原理」を徹底し、国家と資本に利益をもたらす人材を育成するための教育を徹底させようというのである。また、「全国学力テスト」等の結果の学校別ごとの公表義務化や学校区制度の廃止などによって学校間競争の渦に子供たちを巻き込み、3年連続で「定員割れ」した府立高校は統廃合にすることも狙われている。さらに、橋下が「何が社会常識かは、価値判断にかかわること。意見が割れたときには、最後は公選職が決めることです。組織のルールに従えないなら、教員を辞めてもらいます」などと言い放っているように、「君が代」不起立以外にも「職務命令」に5回違反したら免職、同一の「職務命令」には3回違反したら免職、公務員の「最低評価」が2年続いても免職などなど、国家と資本の意に沿わない公務員、知事の命令に従わない公務員は、「思想・良心の自由」さえも認めず、辞めさせるというのである。教育労働者をはじめとした公務員労働者の首切りを自由化しようというのである。
橋下率いる「大阪維新の会」は、「教え子を再び戦場に送るな!」と闘う教育労働者を敵視し、「日の丸」「君が代」を強制することで「愛国心教育」を強制し、朝鮮反革命戦争とファシズムの道に突き進もうとしているのである。断じて許してはならない。「『日の丸』『君が代』強制条例」撤廃かちとり、「教育基本条例」「職員基本条例」の成立を阻止しよう。
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