防衛相・一川に怒りを叩きつける(10月17日)
10月16日防衛相・一川が、そして18日外相・玄葉が、相次いで来沖した。問答無用で名護新基地建設を押し通そうとする野田政府に怒りを燃やす沖縄労働者人民は、「県」庁前抗議行動に結集し、新基地建設阻止を訴え怒りをぶつけていった。
17日午前9時、「県」庁前広場に労働組合や市民団体が結集した。広場は知事と会談する一川を迎え撃つ熱気に溢れていた。
沖縄平和市民連絡会、ヘリ基地反対協、沖縄平和運動センターなど四団体の共催による事前集会が開始された。「防衛大臣の来沖反対!」、「新基地建設反対!」、「高江ヘリパッド建設反対!」、「オスプレイ配備反対!」、「与那国新基地建設反対!」、「先島の自衛隊強化反対!」。一帯にシュプレヒコールが響きわたった。
はじめに平和運動センターよりあいさつがなされる。「要人が次々とやってきている。12月には環境アセス『評価書』を提出し、来年6月には埋め立て申請、2013年から2018年で新基地を完成させるという。われわれの意思を無視するなら、それなりの対応をする」。平和市民連絡会の城間勝氏は「現在、米議会は軍事費を削減しようとしている。日本政府は『辺野古が進展している』と必死でアピールするために閣僚を沖縄に送り込んでいる」と解説し、「環境アセス『評価書』の提出を許さず、埋め立てを阻止するためにがんばろう」と訴えた。
10時前に参加者全体は「県」庁車両入口に移動し、一川の登場を待つ。警察は闘いを制動しようとするが、参加者の闘う意思は固い。「すでに大臣は南部の平和祈念公園を出発した。10時半より知事と会談することになっている」と報告されると、全体の緊張は高まった。10時7分ごろ、黒塗りの車両と官僚を乗せたマイクロバスがやってきた。「防衛大臣は帰れ!」、「何しに来た!」、「基地は造らせないぞ!」といっせいに抗議の嵐が巻き起こった。
その後、シュプレヒコールなどで抗議行動を展開し、一一時過ぎに「県」庁から出てきた一川に対し「さっさと帰れ!」と怒りをぶつけていった。
一川はその日、午後からキャンプ・シュワブを視察し、夕方五時から名護市役所で市長と会談した。闘う沖縄労働者人民は一川を追撃し、シュワブのゲート前で抗議行動を貫徹し、名護市役所前で反対集会を行なった。制服自衛官を引き連れて市長との会談に臨んだ一川に、新基地建設絶対阻止で闘い続ける現地住民が先頭に立って怒りをぶつけていった。
外相・玄葉の来沖に抗議(10月19日)
19日、一川に続き来沖した玄葉に対し沖縄労働者人民が間髪いれず起ちあがった。
この日、玄葉は午前中に名護市長と会談した。玄葉を迎え撃つため、数十人の沖縄労働者人民が名護市役所前にかけつけた。午後三時には「県」庁前広場に再結集した。
一川による「環境影響評価書の年内提出」の正式表明に怒りは一段と高まっている。集会では「基地はノーだ」、「新しい基地はまかりならん」と激しい怒りが示された。
午前中に玄葉へ抗議の声を叩きつけたヘリ基地反対協の安次富浩氏は、「一一時に玄葉は稲嶺市長と会った。県民、市長を説得するといいながら普天間基地を固定化するぞと脅すとはどういうつもりか」、「わたしたちが訴えている環境アセス訴訟の最中に『評価書』を提出することは許されない」と訴え、「野田政権はノーだ」と拳を突き上げた。さらに「自民党幹事長の石原が野田政権を『やり方が乱暴だ』と批判しているが、もっと乱暴なことをしてやってきたのはお前らだ!」とぶちまけた。
沖縄平和市民連絡会の城間氏は「今月下旬に来日する米国防長官・パネッタは、『具体的な進展』について『来月6月までに埋め立ての了承を知事から得ることだ』とする報道が流れている。そのようなことを断じて許してはならない」、「『評価書』の年内提出に対し知事は受理するといっているが、『評価書』はウソだらけだ。一九九六年から米軍が明らかにしていたオスプレイ配備を今も隠したままだ」と日・米両政府を弾劾し、知事の対応を追及した。
集会後、「県」庁車両入口に移動する。権力はわざわざ横断幕を隠すように制服を並ばせるなど嫌がらせを行なうが、厳しい抗議にたじろぐばかりだ。午後四時前、玄葉を乗せた車両がやってくると、「圧力に屈しないぞ!」、「新基地建設を受け入れないぞ!」、「庁舎に入れないぞ!」、「ただちに帰れ!」と抗議を叩きつけた。
その後、マイクアピールが行なわれ、再びあらわれた玄葉に対し沖縄労働者人民はさらに厳しく迫っていった。
実力阻止の闘いのうねりを
就任早々「日米合意」堅持を表明し、普天間基地の「固定化」で脅迫し続ける野田政府のもとで、9月末から10月にかけて関係閣僚や民主党幹部が次々と沖縄入りしている。
9月27日、内閣官房副長官・斎藤が来沖し、「日米合意」堅持と野田の早期来沖を通告した。10月11日、沖縄及び北方対策担当相・川端が来沖して知事と会談し、「(『県』が要求する3000億の一括交付金について)相当ハードルが高い」としつつ、「一括交付金も含め沖縄振興に対し特段の取り組みを年末に向けやっていく」とした。翌12日には前防衛相で現民主党副代表の北沢が来沖し、「『日米合意』はどんな困難があってもやり抜く」と言い放った。さらに名護市の辺野古・久志・豊原の区長や名護市の誘致派議員らと密談をくり返した。16日に来沖した防衛相・一川は、知事との会談で「環境影響評価書の年内提出」を突きつけた。一川も地元三区長と密談し、新たな「北部振興策」をちらつかせている。18日来沖した外相・玄葉は会談した名護市長に「地理的優位性のある沖縄で安保をしっかりと確保する」とつきつけ、知事には「辺野古案に回帰したことは申し訳ない」と言ったその口で「東アジアにおける沖縄の役割は簡単に代替できない。心苦しいが県内移設をお願いしたい」と居直った。そして「公の催事で飲酒した上での運転を公務として扱う余地がある古い日米合意は改善すべく努力」してやるというのだ。22日にはふたたび斎藤が来沖、全駐労の定期大会に出席して名護新基地建設をアピールした。11月初旬には民主党政調会長・前原が来沖する。
これが野田政府の強調する「説得」の正体だ。「一括交付金」をちらつかせて知事や沖縄ブルジョアジーを引き込み、地元誘致派を利益誘導して阻止闘争つぶしをけしかけさせ、名護新基地建設をゴリ押ししているのだ。どうあっても「安保と基地の重圧のもとで死ね」というのが政府の言い分なのだ。
今こそ怒りを解き放ち、沖縄―日本「本土」を貫く闘いで普天間基地解体・名護新基地建設阻止をかちとろう。われわれは、安保粉砕・日米軍事基地解体・帝国主義軍隊解体を掲げ、徹底非妥協の実力闘争を堅持し闘いぬく。 |