フィリピン現地でも抗議行動
10月12日、フィリピントヨタ争議勝利―237人の解雇撤回を求めて、トヨタ東京本社前行動が闘われた。この日に先立ち、来日したフィリピントヨタ労組代表2人の組合員を先頭に、10月9日にトヨタ名古屋オフィス前情宣行動、10日トヨタ本社工場前での行動が闘われている。また10月10日、フィリピン現地でもフィリピントヨタ労組を先頭に、フィリピン雇用労働省、法務省、日本大使館等への抗議行動が闘われた。東京・山谷日雇労働組合と東京都地域連合労働組合は、トヨタ東京本社前での行動をともに闘いぬいた。
午後4時すぎから、「よこはまシティユニオン」の仲間の司会で、トヨタ東京本社前での集会がスタートした。
集会の冒頭、「フィリピントヨタ労組を支援する会」代表は主催者あいさつで「私はトヨタに対して、フィリピントヨタ争議を日本のトヨタの責任で、世界標準であるILO基準を尊重する中で解決するよう、強く要求をしていきたい」と発言し、「昨年のアメリカでのリコール問題では東京の本社からお偉いさんがすっ飛んでいった」が、フィリピントヨタ争議に対しては「現地の問題は現地で解決する」として、日本の本社の責任で争議解決をはかろうとしないトヨタの態度を弾劾した。
つづいて、来日したフィリピントヨタ労組のウェニー副委員長とロウウェル氏が紹介され、発言を受けていく。ウェニー副委員長は昨年8月に解雇された被解雇当該、ロウウェル氏は2001年3月の233人の労働者が不当解雇されて以降に入社したのち、フィリピントヨタ労組に加入し、教育担当の職場委員として闘っている労働者である。
フィリピントヨタ労組が来日し、発言
ウェニー副委員長は「トヨタ本社の経営陣は、私たちが会うたびに自分たちは解決する立場にないと言っている。トヨタはILO勧告の一切を無視してきた。またILOのフィリピンへの高位使節団の勧告にも一切耳を貸さないで、非情な非人間的態度を貫いている。この11年間にわたる私たちの闘いのなかで、すでに仲間の4人が亡くなっている。237人の解雇について解決を急がないと、向こう10年のうちにわれわれの仲間が次々に他界していく、そのようなことになりかねない。トヨタ経営陣はILO勧告に従え! そして労働者の問題の解決について、すぐに席につけ! 237人の解雇者に正義を! 国際的な労働者の連帯の闘いによって、この問題を解決するぞ」と闘う決意を明らかにする。
ロウウェル氏は「私はフィリピントヨタ工場の現役の労働者なので、工場内がいかにひどい状況にあるか言える立場にある。フィリピントヨタ経営陣は、経営に対する二つの柱として、一つに開発に絶え間ない努力を惜しまないこと、二つに労働者、人間への尊敬を育てるということを言っている。一つ目の絶え間ない開発を進めることの背後には、労働者の生活が貧困に直面するという負の局面を抱えている。『非正規雇用』労働者がどんどん増えているという状況は、トヨタが人間に対する尊敬をもっていないことの一つの証だ。『非正規雇用』労働者は組合を持つという権利をもっていない。『非正規雇用』労働者の給与は低く、大変厳しい状況にある。フィリピンの経営者団体は、フィリピントヨタが最も優れた企業だと昨年表彰した。フィリピントヨタがナンバーワンの優れた企業であるはずがない。これは私たち労働者が共通してもっている認識だ。フィリピントヨタによる搾取はいまだ続いている。われわれ労働者はあえて言います。フィリピントヨタはもっとも尊敬すべき企業ではなくて、この文明社会が始まって以来、もっともひどい不当な企業としてわれわれは認識している」とフィリピン現地においても「非正規雇用」が拡大しており、トヨタによる組合つぶしや不当労働行為がつづいている実態を明らかにした。
「フィリピントヨタ労組を支援する会」が闘いの報告
全造船関東地協議長の発言ののち、「フィリピントヨタ労組を支援する会」事務局長より、このかんの闘いについて報告がされる。10日のトヨタ本社工場前での情宣とトヨタ本社への申し入れにつづいて、本日12日、東京本社への申し入れを行なったことが報告された。このかんの申し入れ行動に対して「トヨタは現地の問題は現地で解決すると指導するという返事ばかりくり返している」「現地のフィリピントヨタは何をしたのか。フィリピン政府の解決の呼びかけには一切応じようとしない。フィリピン政府はILO勧告にもとづいて政府の責任で解決しようと試みているが、傲慢なトヨタ経営陣は全く聞く耳を持たない。これが11年続いて、今年も同じ状況だ」といまだに争議解決にむけた態度を示さないトヨタを弾劾した。また前日の10月11日に日本政府への申し入れを行なったことも明らかにされ、「日本政府は積極的にフィリピントヨタ争議の問題に取り組もうとしていない」と発言した。最後に、今年2011年12月に京都で開催されるILOアジア地域セミナーについて触れ、われわれはこの場でフィリピントヨタの問題を強く突き上げていきたい」と決意を明らかにした。
参加者全員によるタガログ語のシュプレヒコール「ウリン マンガガーワ(労働者階級の)、フッボン マガパラーヤ(力で解放を)!」をトヨタ東京本社に叩きつけ、結集した仲間からの連帯あいさつを受けていく。
「中小労組政策ネットワーク」、全日建連帯労組、全国一般東京南部労組、全労協議長の発言に続いて、怒りのシュプレヒコールをトヨタ東京本社にむけて叩きつけた。「トヨタは組合つぶしをやめろ」「237人の解雇を許さないぞ」「解雇を撤回して職場に戻せ」「トヨタは団体交渉を行なえ」「トヨタはILО勧告に従え」「トヨタは争議を解決しろ」。
「首都圏なかまユニオン」、「フリーター全般労組」の連帯あいさつののち、最後に、「全造船関東地協いすゞ自動車分会」の仲間の音頭によるシュプレヒコールを行ない、トヨタ東京本社前での行動を終えていった。 |