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9・24「『君が代』強制大阪府条例はいらん! 『教育基本条例』『職員基本条例』を許すな! 全国集会」が闘われる〈大阪〉(991号2面)

 「『日の丸』『君が代』強制条例」「教育基本条例案」「職員基本条例案」を許すな

 大阪府知事・橋下を代表とする「大阪維新の会」は今年6月の大阪府議会で、大阪府の施設・学校での「日の丸」の常時掲揚と、大阪府立学校及び府内の市町村立学校の教職員に「君が代」の起立斉唱を義務化する「大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例」(「『日の丸』『君が代』強制条例」)の成立を強行した。橋下は「教育とは2万パーセント強制」「立たぬなら府民への挑戦」「起立しない教員は意地でも辞めさせる」と叫び、「不起立者の実名公表」まで大阪府教委に迫っている。
 これに加えて「大阪維新の会」は、9月20日に開会した大阪府議会と9月30日に開会する大阪市議会、さらに11月開会の堺市議会にも、「教育基本条例案」「職員基本条例案」の提出を強行しようとしている。
 「教育基本条例案」「職員基本条例案」は、3回不起立した教職員を免職(クビ)にするなど「『日の丸』『君が代』強制条例」にはない罰則規定を盛り込み、「日の丸」「君が代」強制を徹底することなどを狙ったものである。「愛国心及び郷土愛に溢れるとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する人材を育てること」や「世界標準で競争力の高い人材を育てること」などを「基本理念」とするなど、「愛国心」教育を強化し「競争原理」を徹底し、国家と資本に利益をもたらす人材を育成するための教育を徹底させようというのである。また、「全国学力テスト」等の結果の学校別ごとの公表義務化や学校区制度の廃止などによって学校間競争の渦に子供たちを巻き込み、3年連続で「定員割れ」した府立高校は統廃合にすることも狙われている。さらに、橋下が「何が社会常識かは、価値判断にかかわること。意見が割れたときには、最後は公選職が決めることです。組織のルールに従えないなら、教員を辞めてもらいます」(大阪府幹部職員へのメール)などと言い放っているように、「君が代」不起立以外の「職務命令」にも3回従わなければ免職、公務員の「最低評価」が2年続いても免職などなど、国家と資本の意に沿わない公務員、知事の命令に従わない公務員は、「思想・良心の自由」さえも認めず、辞めさせるというのである。教育労働者をはじめとした公務員労働者の首切りを自由化しようというのである。
 橋下率いる「大阪維新の会」は、「教え子を再び戦場に送るな!」と闘う教育労働者を敵視し、「日の丸」「君が代」を強制することで「愛国心」教育を強制し、朝鮮反革命戦争とファシズムの道に突き進もうというのである。断じて許してはならない。
 「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪 全国集会実行委員会」は9月24日、大阪府のサーティホール(大東市立総合文化センター)大ホールにおいて、「『君が代』強制大阪府条例はいらん! 『教育基本条例』『職員基本条例』を許すな! 全国集会」を開催した。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」も参加し、ともに闘った。
 高校演劇部による「歌わせたい男たち」という「君が代」強制を批判的に描いた演劇のDVDが上映された後、午後一時に集会は開始された。司会は、「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪事務局」の伊賀正浩氏と、大阪教育合同労働組合の高田晴美氏の両氏によって行なわれた。
 はじめに、「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪事務局代表」の黒田伊彦氏により、開催あいさつと基調報告が行なわれた。

大阪で全国集会が大成功

 東京大学教授の高橋哲哉氏による「発題」が行なわれる。高橋氏は「『日の丸・君が代』強制条例と『教育基本条例』の思想」と題して「条例」を具体的に紹介しながら、「思想的批判」を展開した。
 次に、大阪労働者弁護団事務局長であり「『日の丸・君が代』強制処分条例に反対する弁護士の会」のメンバーである近藤厚志氏による「弁護士からの発言」が行なわれ、「条例」に対する「法的批判」が展開された。
 そして、「全国からの報告」として、7人からの報告が行なわれる。北海道からは北海道教組執行委員教文部長の西村浩充氏が、東京からは「君が代」不起立被処分者・元教員の根津公子氏、「『日の丸・君が代』強制反対予防訴訟をすすめる会」共同代表の永井栄俊氏、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」事務局長の近藤徹氏が、神奈川からは「『君が代』不起立個人情報保護裁判」原告団長の外山喜久男氏が、宮城からは小学校教員の土屋聡氏が、愛知からは「憲法と教育を守る愛知の会」の小野政美氏が、それぞれ闘いの経験などを報告した。
 休憩をはさんだ後、「東京不当分限処分撤回訴訟」原告でありレイバーネットTV出演者であるジョニーHこと疋田哲也氏による「音楽&アピール」が行なわれた。
 次に、関西学院大学教授であり精神科医の野田正彰氏による「発題」が行なわれ、野田氏は「『ハシズム(橋下)』を批判する」と題して、精神科医の立場から橋下に対する「精神分析」を試みる。
 そして、「みんなの声」として、保護者の岡田大氏、大学生の由本雅樹氏、「おおさかユニオンネットワーク・全港湾大阪支部」書記長の山元一英氏からの発言が行なわれ、「学校現場から」として、3人の教育労働者による報告などが行なわれた。大阪教育合同労働組合執行委員で大阪府立高校教員の酒井さとえ氏、「門真三中『君が代』処分訴訟」原告の川口精吾氏、枚方市中学校教員の福山昌也氏が、それぞれの学校現場における取り組みの報告や意見表明を行なった。
 「会場からの発言」として、教育労働者など8人からの発言が行なわれ、集会実行委員の辻谷博子氏から集会決議が提起される。会場からの大きな拍手で確認された。
 最後に、「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪事務局」の井前弘幸氏から行動提起が行なわれ、議会の傍聴や署名提出をはじめとした闘いを強化し、「『日の丸』『君が代』強制条例」の撤廃と「教育基本条例」「職員基本条例」の成立阻止をかちとる決意が明らかにされた。
 「在日特権を許さない市民の会(在特会)」はこの集会に敵対するため、自らは協賛となり、主催を「国民の意思を示せ! 全国実行委員会」として、会場周辺で「『君が代』反対集会前で街宣活動」と銘打つ妨害活動を強行した。さらに、集会の監視・弾圧のために公安警察をはじめ国家権力も大動員されたが、760人以上の参加で集会は大成功した。
 「日の丸」「君が代」の強制を粉砕しよう。「『日の丸』『君が代』強制条例」撤廃かちとり、「教育基本条例」「職員基本条例」の成立を阻止しよう。