自衛隊治安出動訓練粉砕闘争を闘おう
8月30日から9月5日までを「防災週間」とし、9月1日の「防災の日」を中心にして、全国各地で「防災訓練」が行なわれようとしている。
この「防災訓練」とは、危機にのたうつ日帝が、労働者人民の怒りと組織された暴力的闘いからブルジョア社会秩序を防衛するためのものである。自衛隊の治安出動―内乱鎮圧攻撃をもって労働者人民の闘いを暴力的に鎮圧し、さらに地域末端からファシズム勢力を組織化してそれを支える訓練である。したがって「防災訓練」は国、自治体、自衛隊、海上保安庁、警察、消防、企業内(職場)防災組織、地域防災組織の総力をあげた訓練として全国各地で強行されているのだ。
首都圏では、「防災訓練」に陸上自衛隊練馬駐屯地の部隊が大量に投入される。陸自練馬駐屯地は、首都圏を含めて関東一円を管内におさめる第1師団の司令部を置き、内乱鎮圧を存在意義とする第一普通科連隊を擁する首都内乱鎮圧部隊の拠点である。第一師団は、第3師団(兵庫県千増)とともに別名「政経中枢防衛師団」と呼ばれている。この「政経中枢防衛師団」は、2005年から10年計画で、定員を800人から1200人へと増強し、師団ごとに36人からなる狙撃班を持ち、遊撃戦を軸にした大都市部における市街戦専門の部隊として強化されている。練馬基地からの「防災訓練」出動を阻止し、首都内乱鎮圧の拠点・練馬基地を解体しなければならない。
昨年8月29日から9月1日にかけて、防衛省・自衛隊は、政府の訓練に連動して独自に「2010年度自衛隊統合防災演習」を実施している。統幕長・折木を統裁官にした訓練は、統幕、陸自全方面隊、即応集団、海自自衛艦隊、横須賀地方隊、空自航空総隊、支援集団などから人員約1600人、車両約400両、艦艇四隻、航空機17機が参加した。機能別・総合訓練で政府・自治体など関係防災機関との連携、後方補給部隊間の連携などを行なっている。自衛隊独自の「統合防災演習」は、「防災訓練」に名を借りた陸・海・空3自衛隊の治安出動訓練、戦争突撃訓練である。粉砕しなければならない。
首都圏では、9月1日に「第32回九都県市(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市)合同防災訓練」が、埼玉県川口市の舟戸小学校周辺などで行なわれようとしている。南関東大地震を想定して、千葉県君津市など東京湾臨海部で行なわれた昨年の「九都県市合同防災訓練」には、陸・海・空3自衛隊から約320人が参加し、陸自習志野空挺団、ヘリ団、海自21空群、空自1補処などがヘリコプターを多用した部隊訓練を行なっている。
東京都は、「東京都を始め、警察・消防・自衛隊等の関係機関で(東北・関東大震災の)災害対応が継続中であること等」の理由から、8月28日に予定していた「東京都・小平市・西東京市・武蔵野市・小金井市合同総合防災訓練」を10月29日に変更している。
こうした、自衛隊主導の「防災訓練」=治安出動―内乱鎮圧訓練を絶対に許してはならない。「9・1防災訓練」=自衛隊治安出動訓練粉砕闘争に全国で決起せよ。
東北・関東大震災をうけた「防災対策」の強化を許すな
3月11日の東北・関東大震災をうけた今年の「防災訓練」は、「防災対策」のより一層の強化をもって、より実戦的な訓練として行なわれようとしている。
6月20日に行なわれた中央防災会議(会長は首相・菅)で「平成23年度総合防災訓練大綱」が決定された。この中で、防災訓練の目的を以下のようにしている。
(1)東日本大震災から得られた、多くの防災対策に関する課題への対応力向上を図るため、考えうる様々な被害への応急対応や複数の地方公共団体にわたる広域的な対応等を訓練内容に取り入れること。
(2)防災訓練を通じて、防災関係機関の平時からの組織体制の機能確認、評価等を実施し、実効性について検証するとともに、防災関係機関相互の協力の円滑化を図ること。
(3)国民一人一人が、防災訓練に際して、日常及び災害発生時において「自らが何をするべきか」を考え、災害に対して十分な準備を講じることができることとなるよう、国民の防災に関する意識の高揚と知識の向上を図る機会とすること。
(4)行政機関、民間企業を通じた防災担当者の平時からの自己研鑚・自己啓発等が社会の災害対応力向上に直結することにかんがみ、各防災担当者が日常の取り組みについて検証し、評価する機会とすること。
昨年までの「総合防災訓練大綱」と比較すると、今年度は目的(1)の項が追加されている。これまで「想定外」として切り捨ててきた結果、現場の「大混乱」が生じた総括、10万人を超える自衛隊の配備、全国警察の動員、在沖米海兵隊を含めた在日米軍の動員を確保した教訓、これらを「対応力向上」「応急対応」「広域的な対応」として方針化しようというものだ。当然にもそこでは、震災時の治安維持という目的がより前面化していくのだ。
福島第一原発の放射性物質の流失という事故に際して、当初より、自衛隊、警察、消防が対応に当たったのは、事故の隠蔽、報道管制を行なう上で、信頼できる部隊を使ったということに他ならない。
「防災対策」の強化とは、震災時にどうやってブルジョアジーの救済、治安維持を行なうのか、戦時体制を構築していくのかという観点から捉え返されたものである。
菅連合政府は、9月1日に行なう首都直下地震を想定した「九都県市合同防災訓練」と連携して、自衛隊、警察庁(警察広域緊急援助隊)、消防庁(緊急消防援助隊)及び海上保安庁等による地震災害応急対策訓練、航空機等による広域医療搬送訓練を行ない、「九都県市合同防災訓練」現地会場(埼玉県川口市)に政府調査団を派遣する。また、東海地震を想定した「静岡県総合防災訓練」と連携して、「静岡県総合防災訓練」現地会場に政府調査団を派遣し、南海地震を想定した「近畿府県合同防災訓練」と連携して、「近畿府県合同防災訓練」現地会場(徳島県小松島市)にも政府調査団を派遣する。
日帝は、これらを通して、震災時のブルジョアジーの救済、治安維持、戦時体制構築を貫徹していこうとしているのだ。
「9・1防災訓練」=自衛隊治安出動訓練粉砕闘争に全国で決起せよ。 |