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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

7・3 高江ヘリパッド建設阻止!
「座り込み4周年報告会」が闘われる(982号4面)

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東村農民研修施設で「報告会」

 7月3日、東村農民研修施設において「ヘリパッドいらない住民の会」が主催する「ヘリパッドいらない座り込み四周年報告会」が開催された。
 1996年の「沖縄に関する日米特別行動委員会(SACO)最終報告」で「北部訓練場の過半」を「返還」するとしたが、「返還区域」にあるヘリパッドを移設するとした。これに基づいて政府―沖縄防衛局は、東村の高江集落を囲むように六つのヘリパッドを建設しようとしている。これは単なる「移設」ではない。北部訓練場全体を最新鋭の垂直離着陸機MV22オスプレイの訓練場として整備するものであり、基地・訓練の再編・強化にほかならない。北部訓練場に囲まれている高江区はオスプレイの訓練場の真っ只中におかれる。強引に進められるヘリパッド建設を阻止するために、住民を先頭に闘う沖縄労働者人民がゲート前に座り込みを始めたのは2007年7月である。以来、二ヵ所のゲート前で座り込みを貫徹し阻止し続けている。昨年12月から、防衛局は暴力むき出しの建設工事に踏み切った。作業用の重機を搬入し、連日にわたって100人以上の作業員を動員し、早朝6時前より襲いかかってきたのだ。沖縄労働者人民は2011年1月〜2月にかけて、文字通り身体を張った実力阻止闘争を闘いぬいた。工事車両の前に立ちはだかり、土嚢搬入を阻止するためゲート周辺の道路と基地の境界にネットを張りめぐらし、基地内外で肉弾戦を展開した。その結果、ヘリパッド建設予定地までの3キロにわたる道路はわずか200メートルほどしか整備できず、防衛局は三月四日に重機を基地の外に搬出せざるをえなかった。頑強な阻止闘争を前に業を煮やした沖縄防衛局は、2008年11月には住民15人の「通行妨害禁止仮処分命令」を那覇地裁に申し立てるまったく不当な裁判を起こしている。五回の審尋(非公開)を経て2009年12月、地裁は住民2人の「妨害行為」を認めた。2010年1月より本裁判が開始されている。住民はこの高江訴訟を攻勢的に闘いぬいている。
 3月から6月末までノグチゲラなど野鳥の繁殖期として工事は一時中断、7月1日から再開するとされていた。6月15日には重機搬入の動きが事前に察知され、労働者人民が急遽結集した。この日より座り込みは24時間態勢に入った。労働者人民は、7月1日の工事再開を前後して、沖縄全域、そして全国から結集してきている。重機の搬入が予測される4ヵ所で座り込み態勢をとり、7月1日からの工事再開を阻止し続けている。今日明日にも工事に踏み込むかもしれないという緊迫した状況のなかで、7・3「報告会」は開催されたのである。
 開会の午後1時には、沖縄だけでなく全国から結集した500人を超える参加者で会場は埋めつくされた。はじめに「音楽と踊りのイベント」が行なわれ、その後に開会あいさつが行なわれた。「住民の会」のメンバーは「戦争に手をかさない」、「加害者にも被害者にもならないために基地はいらない」、「ヘリパッドをつくらさないために一緒になってがんばろう」と表明した。

高江ヘリパッド建設絶対阻止へ

 つづいて沖縄国際大教授の前泊氏より「安全保障と基地経済、地域振興策」と題する講演を受けていった。氏は「復帰から現在まで振興策で9兆円が投入されたが、高失業・低所得は改善されていない」、「沖縄関連予算は減ったが、基地関連予算は逆に増えている」と端的に沖縄経済の問題点を指摘した。そして基地とリンクした「振興策」について「名護市では北部振興策の後に失業率は7パーセントから12二パーセントになった。市の借金(公債残高)も増えた。ハコモノの維持・管理費が市財政を圧迫している。それはベンツを買い与えるが、ガソリン代は出さないというようなものだ」と解説し、「沖縄の基地関連収入は約2000億であるが、それは県民総生産3・9兆円のたった五パーセントにすぎない。『基地がなくなったら沖縄経済が破綻する』という主張はウソだ」と論じた。
 次に結集した各団体が壇上にならび、順番に決意を明らかにした。普天間基地爆音訴訟団の団長である島田善次氏は「普天間に配備するというオスプレイは高江にも来る。容認できない」、「怒りがないと日・米両政府になめられる。もっと怒ろう」と力強く訴えた。ヘリ基地反対協は「辺野古に軍港も2本の滑走路も造らせない」、「普天間基地の無条件撤去を」と訴えた。沖縄平和市民連絡会の城間勝氏は「これまで基地包囲行動や県民大会をやってきたが、これからは運動の質を高めて基地封鎖を闘おう」と呼びかけた。「基地の県内移設に反対する県民会議」の事務局長は「2007年に住民の会が声をあげ今もヘリパッドをつくらせていない。これは高江住民の勇気による勝利だ」とし、さらに「2010年12月から今年2月まで身体を張って阻止してきた。6月15日からは各ゲートに諸団体の車両をつけて重機搬入を阻止している」、「防衛局員を1人も基地へ入れない。警察の介入をはねのけて闘おう」と決起を呼びかけた。その他、「ヘリパッドだけでなく、北部訓練場の返還も闘おう」、「報告会に集まったみんなでゲート前を埋めれば勝てる」などの発言があった。
 各団体からの発言に続いて、講演が2つ行なわれた。はじめに弁護団より高江訴訟について。訴訟の性格について「国に抵抗すると家族丸ごと裁判に訴えるぞ、という嫌がらせである」と解説し、「31人で弁護団が結成されている。住民に正義があると考えるからこれだけ集まった」とした。沖縄平和市民連絡会の真喜志好一氏は映像を用いて「日本政府のウソを見抜いて高江を守ろう」と訴えた。高江ヘリパッドがオスプレイの訓練場であること、ヘリパッドが完成すれば陸・海・空を貫く訓練が強行されること、日本政府がオスプレイ配備を知っていながら隠し続けてきたことなどについてさまざまな資料を駆使して説得力のある論を展開していった。
 すべての発言が終了し、閉会あいさつとガンバロー三唱で「報告会」は閉じられていった。
 高江現地では「辺野古の身体を張った闘いの経験があったからこそ、高江の阻止闘争が闘える」と自身をもって語られている。沖縄労働者人民は、実践の中から実力闘争こそ基地建設を阻止する核心であることをつかんできた。われわれはヘリパッド建設を阻止し、沖縄を出撃拠点として強化する日・米両政府の企みを打ち砕くため高江現地闘争に決起する。普天間基地解体・名護新基地建設阻止と高江ヘリパッド建設阻止を結合し、沖縄―日本「本土」貫く団結をうち固め、反戦・反基地闘争の飛躍をかちとろう。オスプレイ配備を阻止しよう。