反戦・全学連、東富士に決起
6月23日、反戦・全学連の闘う部隊は、在沖米海兵隊実弾砲撃移転演習粉砕東富士現地闘争に起ちあがった。
正午、反戦・全学連の部隊は、陸上自衛隊・東富士演習場(静岡県御殿場市、裾野市、小山町)近くの路上に結集して隊列を整える。そして東富士演習場へのデモ出発に先立ち、全学連の同志が基調的提起を行なう。「在沖米海兵隊は、またも東富士演習場における実弾砲撃移転演習を強行している」「東富士現地闘争を爆発させ、在沖米海兵隊による実弾砲撃移転演習を粉砕しよう。東富士演習場を解体し、米軍・自衛隊基地を解体しよう」「闘う沖縄労働者人民と結合し、名護新基地建設を阻止しよう。被災労働者人民支援大運動を闘い、戦争遂行の菅連合政府を打倒しよう」との基調的提起を受けた反戦・全学連の部隊は、ただちに東富士演習場へのデモにうってでた。
反戦・全学連の部隊は強風が吹き荒れ、霧が濃くなるなかを進む。自衛隊車両がしきりに往来しては、デモの様子をうかがっている。こうして進撃を続けた反戦・全学連の部隊は、いよいよ実弾砲撃移転演習を強行している東富士演習場と、在沖米海兵隊が駐屯している米軍・キャンプ富士の入り口の前に到着する。黄色いポールの上に設置されている電光掲示板には「射撃中」の文字が点灯している。
反戦・全学連の部隊は、怒りも新たに、シュプレヒコールを東富士演習場、キャンプ富士に叩きつける。反戦・全学連の部隊は、静岡県警―機動隊による規制をものともせず、「在沖米海兵隊の実弾砲撃移転演習を粉砕するぞ」「米軍・自衛隊基地を解体するぞ」「沖縄・名護新基地建設を阻止するぞ」とシュプレヒコールを挙げていった。こうして反戦・全学連の部隊は、在沖米海兵隊の実弾砲撃移転演習粉砕の東富士現地闘争を、最後まで闘いぬいた。
実弾砲撃移転演習を粉砕しよう
在沖米海兵隊は、6月18日から30日のうちの10日間、陸上自衛隊東富士演習場において実弾砲撃移転演習を実施することをうち出した。六月中旬に米海兵隊の訓練部隊がキャンプ富士に到着し、6月18日より実弾砲撃移転演習を開始している。
在沖米海兵隊による実弾砲撃移転演習は、「沖縄県道104号越え実弾射撃訓練の分散・実施」として1997年に開始されて以来、東富士演習場をはじめとして山梨・北富士、北海道・矢臼別、宮城・王城寺原、大分・日出生台の計5ヵ所の自衛隊演習場でくり返し強行されてきた。今回の東富士での演習は、2010年9月以来となる2年連続10回目である。今回の訓練実施部隊は第12海兵連隊第3大隊約30人であり、155ミリ榴弾砲12門や、小火器を使った実弾射撃が行なわれるとされる。155ミリ榴弾砲は最大飛距離約14キロで、着弾地の半径約50メートル内を爆破する破壊力を持つ。複数の砲門を同時使用することで同一エリアを複数回撃破することや、広範囲を攻撃することが可能とされており、米軍が世界中に配備しているものである。
米海兵隊の訓練実施部隊を指揮する中佐・ミアガニーは「部隊の高い連動性維持、即応体制保持のため極めて重要な訓練。アジア太平洋地域の危機への対応準備が可能になる」と今回の演習の位置づけを強調してみせている。地元住民による反対運動を意識して「安全に訓練を行なう」などと言いなしているが、反対の強い夜間演習一つとっても「可能な限り努力し、夜間射撃のその日の用が満たされれば合意時間前に終了する」とごまかすだけであり、到底信用の置ける代物ではない。実際には、近年の実弾砲撃移転演習では夜間演習が常態化している。
米海兵隊は今回、6月21日に実弾砲撃移転演習を地元自治体やマスコミに公開している。御殿場と裾野の両市境にある射撃場を公開し、155ミリ榴弾砲5門を使って約3・5キロ先の御殿場市内の着弾地に着弾させる演習を、これみよがしにやってみせたのだ。米海兵隊は「防衛用」として配備している三種類の機関銃も公開している。これらは、反基地闘争を抑え込むための、「安全」をアピールするための見え透いた世論工作でしかない。米海兵隊は、宣撫工作にも取り組む姿勢を見せている。実弾砲撃移転演習の期間中、実施部隊の隊員らが交流行事に参加し、「地元住民との交流や文化交流」を行なうとしている。
しかし実際には、米海兵隊は実態を覆い隠し、地元住民の生活をも破壊する、実戦―労働者人民虐殺を見すえたより激甚な訓練を強行している。一例として、近年、東富士など各地の実弾砲撃移転演習において、白リン弾を使用した射撃訓練を秘密裏に強行していることが指摘されている。白リン弾は人体に触れると5000度もの高熱を出し「骨まで焼き尽くす」と言われるほどの威力を持つ。最近では2008年末〜2009年初頭に、イスラエル軍がパレスチナ自治区・ガザに大規模侵攻した際に使用し、パレスチナ労働者人民を苦しめたことで知られている。近年の実弾砲撃移転演習では、従来見られなかった山火事が頻発しているという。白リン弾使用による、水源地における土壌・水質の汚染も懸念されている。
白リン弾使用にしても、「氷山の一角」でしかない。実弾砲撃移転演習は、回を重ねるごとに質・量ともに強化されているのが実態である。米海兵隊は、実弾砲撃移転演習において、中東反革命戦争の拡大・激化や朝鮮反革命戦争遂行をみすえた、より激しい実戦訓練を強行しているのだ。
われわれは、「沖縄の負担軽減」なる、誰も信じる者などいないペテンを未だに振りかざしながら、戦時体制形成をみすえた大規模な訓練をさらに強行しようとする日・米帝国主義の策動を粉砕しなければならない。東富士現地闘争の爆発をかちとり、在沖米海兵隊による実弾砲撃移転演習を粉砕しよう。
キャンプ富士、東富士演習場を解体せよ
東富士演習場は、本州最大の広さをもつ演習場で、長射程実弾射撃をはじめ、あらゆる火力訓練が可能な訓練場だ。そのため一年を通じて、陸上自衛隊や米海兵隊などが使用している。東富士演習場は約8800ヘクタール。約三九パーセントが国有地で、残りが民有地や市町・財産区などの公有地となっている。日米地位協定に基づき、米軍が必要により一時使用できる区域となっているが、日米政府間の密約では、「在日米軍は(富士演習場を)毎年270日使用する権利を有している」とされ、自衛隊に管理権が移っても、優先使用の権限は米軍が握ったままだ。
東富士には海兵隊の基地・キャンプ富士が置かれている。米軍キャンプ富士は約118ヘクタール。米軍営舎があり、約200人が勤務している。「沖縄駐留部隊」などが東富士や北富士に訓練に訪れる際の管理部門を担っているのだ。
反基地闘争の爆発をかちとり、米軍キャンプ富士、陸自東富士演習場を解体しよう。
朝鮮反革命戦争遂行をみすえた、日米安保の再編・強化が進行している。「沖縄の負担軽減」なる言い草とは正反対に、沖縄の米軍基地では頻繁に演習が強行されている。さらに米海兵隊は垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを来年10月から米軍・普天間基地に配備しようとしている。また、東北・関東大震災を受けて在日―在沖米軍が「トモダチ作戦」に踏み込んだが、それは被災地の制圧を目的とする軍事作戦であり、さらに「沖縄・普天間基地の重要性」を語っての沖縄・名護新基地建設への踏み台であり、核戦争をも想定した朝鮮反革命戦争のための実戦訓練であった。〈基地・沖縄〉の再編・強化を断じて許すことはできない。
自衛隊は東北・関東大震災以降、10万人体制を維持して被災地制圧をつづけている。菅連合政府が動揺を深めるなかにあって、国家権力機構におけるクーデターへの衝動をもはらんだ、自衛隊の突出を許してはならない。反軍工作の強化が急務である。
東富士現地闘争を闘いぬいた同日、沖縄では「慰霊の日」闘争が闘いぬかれている。粘り強い名護新基地建設阻止の闘いは、日・米帝を確実に動揺せしめている。闘う沖縄労働者人民と結合して、沖縄・名護新基地建設を阻止し、日米安保の再編・強化を粉砕しよう。中東反革命戦争を粉砕し、朝鮮反革命戦争突入を阻止しよう。自衛隊基地・米軍基地を解体し、自衛隊・米軍を解体しよう。被災労働者人民支援大運動をさらにやりぬき、戦争遂行の菅連合政府を打倒し、日帝国家権力解体に進撃しよう。
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