6月16日、朝8時半から、参院議員会館前で行動が取りくまれた。ビラとマイクで「参院での採決を阻止しよう」と訴える。10時からの法務委員会を傍聴する傍聴団を見送り、ビラまき、マイク情宣を継続する。12時からの集会では、法務委員会で「コンピュータ監視法案」と「強制執行妨害罪改悪案」が共産党の反対のみで採決されたことが怒りをもって報告される。「両法案は、大震災のドサクサにまぎれて充分な審議もせず、短期間で、国民にも知らされず強行採決された。さらに闘いを強め、共謀罪そのものに反対しよう」「17日に予定されている本会議採決を許すな」と提起され、怒りのシュプレヒコールを参院に叩きつけ、この日の行動は締めくくられた。
翌日の17日、朝8時半から一時間、「本日の本会議採決強行を許すな」と参院議員会館前と地下鉄出口でのビラまきが行なわれた。ビラまき行動後の集約では、「『濫用防止』なる付帯決議をつけて本会議採決を強行しようとしている。付帯決議をつけたのは、あくまで今国会中に法案を成立させるため。法案を『修正』して衆院にもどしたのでは、間に合わなくなるから」「共謀罪そのものを許さない闘いに継続して取りくんでいこう」と提起され、行動を終えた。
6月17日、午前10時9分、「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」が参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。「コンピュータ監視法」、改悪「強制執行妨害罪」が7月半ばから施行される。
「コンピュータ監視法」で問題となるのは、第一に、「プログラム作成罪」いわゆる「ウイルス作成罪」である。まだ使われてもいない、ウイルスかどうかもわからないプログラムを「正当な理由もなく」作成をするだけで罪になる。「ウイルス」「正当な理由」かどうかは警察が判断する。第二に、「IT捜索差押手続き」である。捜索令状一枚で、接続するコンピュータ全ての情報を見ることができ、押収することができる。憲法が保障する「捜索する場所、押収するものの明示」(三五条)が侵害され、警察の権限が拡大し労働者人民への弾圧が拡大する。第三に、「通信履歴の保全要請」である。裁判所の令状もなしに、任意で警察がプロバイダーなどにパソコン、携帯メールなどの通信履歴を、60日間保全させることができる。本人が知らないまま、いつ、誰と何を通信したのかを警察が掌握することができる。日帝国家権力は、「コンピュータ監視法」成立をうけて、「サイバー犯罪条約」への加盟手続きに入る方針を打ち出している。「サイバー犯罪条約」を批准し、「通信傍受法」の改悪を狙い、盗聴の拡大から「共謀罪」新設へと道を開こうとしている。絶対ゆるしてはならない。
また同時に採決された改悪「強制執行妨害罪」は重罰化・構成要件を拡大する改悪法である。倒産時における労働組合等の正当な活動が処罰対象とされ、労働者の団結権、争議権を封殺するものだ。資本主義世界経済の危機的状況下、会社倒産・解雇の頻発に対する、倒産争議など労働者人民の生きんがための闘いを圧殺するためのものだ。
全世界で労働者人民の闘いが巻き起こっている。こうした労働者人民の闘いを圧殺し、治安体制を強化するために「共謀罪」の復活を見すえた「コンピュータ監視法」・改悪「強制執行妨害罪」を強行成立させたのだ。この参院本会議での強行採決を徹底弾劾し、「コンピュータ監視法」・改悪「強制執行妨害罪」と対決し、「共謀罪」新設絶対阻止にむけ闘いぬこう。 |