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11・14 天皇・天皇制攻撃粉砕!天皇と国家への忠誠強制を許すな! 「大嘗祭」粉砕闘争を闘う (1330号3面)

JR御茶ノ水駅頭で「大嘗祭」粉砕闘争を闘う

 11月14日夕方から15日の未明にかけて、神道儀式そのものの「大嘗祭」が、「皇室行事」として、皇居・東御苑で行なわれた。

 「大嘗祭」は、「天皇が神と一体となる儀式」である。「日本書紀」や「古事記」をもとにした、神話に基づく「儀式」である。一連の「皇位継承儀礼」を締めくくる最も重要なものとされているのが「大嘗祭」なのだ。「大嘗祭」は、「即位の礼」と並んで、天皇の即位に伴う一世一代の儀式である。新天皇が、その年に収穫された米などを天照大神とすべての神々に供え、拝礼して日本古来のことばで記した「御告文(おつげぶみ)」を読み上げ、「神々(天照大神)と共食する直会(なおらい)」で自らも食し、五穀豊穣と国家安寧を祈るという「神と一体となる神聖な儀式」とされている。こうしたおぞましいばかりの宗教儀式を通して、天皇の神格化がなされるのだ。

 この一晩の「儀式」は、皇室行事とされ、皇室の公的予算に当たる宮廷費から27億円ものカネが支出されている。

 これに対して、プロテスタントやカトリックなど各宗派のキリスト教団体、日本史研究会、歴史科学協議会、歴史学研究会、歴史教育者協議会なども反対を表明している。

 反戦・全学連の部隊は、「大嘗祭」粉砕闘争に決起した。

 11月14日、午後6時、反戦・全学連の部隊は、JR御茶ノ水駅頭に登場する。3キロ程離れた皇居で、6時半から『大嘗祭』が開始されるのだ。部隊は、ゼッケン、ヘルメットを着けて整列し、シュプレヒコールをくり返す。「『大嘗祭』を粉砕するぞ」「天皇制の強化を粉砕するぞ」「天皇・天皇制粉砕」「朝鮮反革命戦争突入を粉砕するぞ」「戦争遂行の安倍政府を打倒するぞ」。アジテーションをしながらビラまきを開始する。「『大嘗祭』を粉砕しましょう」「差別の元凶=天皇制を打倒しましょう」と声を掛けながらビラをまく。仕事を終え帰宅する人、授業を終え移動する学生など、混雑する御茶ノ水駅頭のビラ捌けは良い。横断幕をじっと読み、ゼッケンの文字を確認しながらうなずき、ビラを受け取っていく人、自ら手を出してビラを受け取る人など闘いへの共感が広まっていく。約一時間の情宣を終え、再度シュプレヒコールを行ない、この日の闘争を終えた。

 10月22日の「即位の礼(即位礼正殿の儀)」以降のナルヒト即位関連の主な行事は、10月22日、午後1時からの「即位の礼」、夜の、祝宴である「饗宴の儀」(「饗宴の儀」は、22日、25日、29日、31日と計四回)、23日夜の「内閣総理大臣夫妻主催晩餐会」、11月10日の即位に伴うパレード「祝賀御列の儀」、11月14日午後〜15日未明の「大嘗祭」、ナルヒトとマサコが伊勢神宮(三重県伊勢市)や歴代天皇陵に参拝し、一連の儀式を終えたことを報告する「親謁(しんえつ)の儀」〈11月22、23日に伊勢神宮、27日に神武天皇陵(奈良県橿原市)と孝明天皇陵(京都市)、28日に明治天皇陵(京都市)、12月3日に昭和天皇陵、大正天皇陵(東京都八王子市〉、そして、2020年4月19日、秋篠宮が皇位継承順位一位となったことを国内外に示す儀式「立皇嗣(りっこうし)の礼」と続く。

首都を厳戒態勢に置き、最大限の警備で強行された一連の「即位儀式」

 「即位の礼」と四回の「饗宴の儀」「即位パレード」が国事行為とされ、国から167億円もの膨大なカネが支出されている。

 10月22日の「即位の礼」には、180超の国、地域から、約400人の海外賓客と国内から約2000人が参列した。この儀式は、天皇専用の装束を着たナルヒトが。「高御座」に上って、下に居並ぶ参列者に「即位を内外に宣明する」「日本国および日本国民統合の象徴としてのつとめを果たす」なぞと「お言葉」を述べ、首相・安倍晋三が万歳三唱をしている。

 一連の「天皇即位儀式」は、朝鮮反革命戦争とファシズムに突撃する日帝が、新天皇・ナルヒトを前面にたて、反革命国民統合の柱として押し出し、天皇・天皇制攻撃を激化させ、ナルヒト自身もこれに応え、天上から権威をかざすというものだ。

 こうした「儀式」のために、警察は、「最高警備本部」を20年ぶりに設置し、最高レベルの警備体制を敷き、2万6000人の警察官を動員した。警視庁は、ドローン(小型無人機)による「テロ行為」に備え、妨害電波で操縦できなくする「ジャミング(電波妨害)」装置を重要施設周辺に用意し、機動隊の銃器対策部隊から選抜した「緊急時初動対応部隊(ERT)」にサブマシンガンを携行させて配備した。東京は、まさに、戒厳令状態となったのだ。

 こうした中、10・21闘争実行委員会は、10月22日当日に、首都・東京で、天皇戒厳令を切り裂き、「即位の礼」粉砕を掲げ、反帝―国際連帯全国統一行動を闘いぬいた。

 11月10日に、「即位を祝うパレード」(「祝賀御列の儀」)が行なわれた。ナルヒトとマサコが、オープンカーに乗り、皇居から赤坂御所まで4・6キロを30分かけてパレードしたのだ。この「即位を祝うパレード」は、10月22日の「即位の礼」後に行なわれる予定であったが、台風19号による甚大な被害を受けて見合わせ、延期されていたものだ。

 ここでも、戒厳体制が敷かれ、2万6000人の警察官が配備され、40ヵ所で手荷物検査が行なわれた。10月22日の「即位の礼」と同じく、「最高警備本部」が立ち上げられ、警視庁の対テロ部隊「ERT」も投入され、一部の地下鉄では、出入り口の使用制限もなされている。

排外主義を煽り戦争動員を支えるファシストを撃滅しよう

 11月9日、午後5時過ぎから皇居前広場で「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」(主催;天皇陛下御即位奉祝委員会、天皇陛下御即位奉祝国会議員連盟、公益財団法人日本文化興隆財団)なるものが行なわれた。

 この会場で、「天皇陛下万歳」がエンドレスで行なわれるというおぞましいばかりの光景が現れた。「国民祭典」は、天皇が「お言葉」を述べた後に、「奉祝国会議員連盟」の会長・伊吹文明が「万歳三唱」を行ない、終了するはずだった。しかし、主催者が仕込んだ「影アナ」(影のアナウンス)によって、計画的に、実に48回も「天皇陛下万歳」が行なわれたのだ。

 これに対し、ネット上の書き込みでも、「戦争中の光景じゃないか」「悪夢の戦前回帰を連想させる」との批判の声が多く上がっている。「天皇陛下万歳」の中で、「皇国への忠誠」を誓わせ、戦争動員し、労働者人民を出撃させていった歴史、朝鮮、中国―アジアへの植民地支配と戦争を「天皇の聖戦」として強行した歴史をくり返そうというものだ。そして、朝鮮反革命戦争突入を見据えた、戦争動員体制形成の一環としてなされたものに他ならない。断じて許してはならない。

 「国民祭典」を主催した団体の一つである「天皇陛下御即位奉祝委員会」は、代表を三村明夫(日本商工会議所会頭顧問)、顧問を御手洗冨士夫(日本経団連名誉会長)、森喜朗(元総理)ら7人、代表世話人を田久保忠衛(「日本会議」会長)、櫻井よしこ(天皇制推進の極右ジャーナリスト)、神津里季生(「連合」会長)ら14人で構成されている。「日本会議」や極右ジャーナリスト、ブルジョアジーが主導し、ファシズム大衆運動を組織せんとするものに他ならない。そして、ここに、「連合」会長の神津の名が登場する。神津は、天皇・天皇制の下に労働運動を屈服させ、朝鮮反革命戦争とファシズムに突き進む日帝の翼賛勢力として労働運動を推進することを、堂々と表明しているのだ。

 ネット右翼(ネトウヨ)は、「天皇陛下万歳」に対して、「天皇陛下をお祝いして何が悪い」「天皇の健康・長寿を祈る言葉であって、戦争とは何の関連性も無い」「無知な左翼が『戦前のようで時代錯誤』とすぐ戦争と結びつける姿こそ時代錯誤であり日本の恥」なぞと騒いでいるようだが、こうした言動を粉微塵に粉砕しつくさなければならない。

 また、「即位の礼」が行なわれた10月22日は、祝賀を強制するために祝日とされたが、この日を休日・休校にしなかった会社や大学を、ネトウヨが、「非国民」と攻撃している。さらに、「即位の礼」など天皇代替わり「儀式」の中継を見なかった者に対しても、ネトウヨは、「非国民」と叫んでいるのだ。日帝の朝鮮反革命戦争とファシズムへの突撃下、天皇制強化を煽り、戦争動員体制形成を支える天皇主義ファシストを撃滅しなければならない。