５・２３闘争実行委員会が前段集会を開催
全国部落解放青年同盟がメッセージ
 午前１１時、解放派と全国学生部落解放研究会連合の仲間たちが、新橋駅西口のニュー新橋ビル内の集会場に結集する。神奈川県地域連合労組の仲間が司会に起ち、前段集会の開始を宣言する。冒頭、参加者全体でシュプレヒコールをあげる。「寺尾反革命差別判決４５ヵ年糾弾」「第３次再審棄却阻止」「狭山闘争の歴史的勝利をかちとるぞ」「５・２３闘争実行員会は闘うぞ」。
まず最初に、全国部落解放青年同盟からのメッセージが司会より代読される。「安倍極右政府が朝鮮反革命戦争突入をみすえ、戦時国家体制形成を急加速させている中で、部落解放運動総体もまた大きな試練を迎えている。安倍政府が、部落解放同盟内社民・こえ派などの既成勢力にさらなる屈服を迫り、ファシズム融和運動への転換攻撃をさらに推し進めてくるのは必至だ」「狭山弁護団は、開示された証拠を精査し、無実の部落民＝石川一雄氏の無実を明らかにする新証拠を次々に暴きだし、東京高裁を追いつめてきた。しかし、東京高検は、肝心な証拠は頑として隠し持つばかりか、弁護団が次々に新証拠に対して『反証』で引き延ばしを図ろうとしている。東京高裁・後藤は、事実調べ一つ行なおうとしない。狭山弁護団の新証拠をも武器に、東京高裁・東京高検を追いつめる攻勢的な闘いを爆発させなければならない」「部落差別をはじめ、あらゆる差別が拡大・再生産され、差別襲撃事件が度々引き起こされている。特に、安倍政府は、反共ファシストどもと連携して、反朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）、反中国―反共・排外主義攻撃を強めている。そして、靖国神社参拝や『日の丸』『君が代』強制などをおしすすめ、天皇制を前面に押し出した反革命国民統合を加速させている。安倍政府は、１０月２２日『即位の礼』、１１月１４日〜１５日『大嘗祭』を頂点とするナルヒトの天皇即位行事を『国家行事』として大々的に開催することで、日帝足下労働者人民に天皇と国家への『祝賀』＝忠誠を強制し、改憲に弾みをつけようとしている」「『貴族あれば賤族あり』と打ち出した、部落解放運動の歴史的地平を革命的に継承し、激化する天皇制攻撃と闘いぬき、天皇制廃絶へ進撃しよう」「部落解放同盟内社民・こえ派の主導する『差別の法規制』要求運動を踏み越え、吹き荒れる差別煽動をぶち破る闘いとして、差別糾弾闘争の復権をなんとしてもなしきらねばならない。『ヘイト・スピーチ』などの極悪な差別煽動を繰り返す、『在特会』をはじめとする反共ファシストに対する闘いは、撃滅戦しかありえない」「全青同は、その歴史的責務にかけて、革命的部落大衆の組織化をなしきり、革命的反戦闘争をともに闘いぬき、部落差別廃絶をかちとって部落解放の�牴造�日�瓩鬚燭阿蟯鵑擦討い�決意を、改めて明らかにする」。
部落解放を闘う仲間が基調提起
部落解放を闘う仲間より、基調の提起をうける。「１０・３１寺尾判決は、狭山闘争が『石川の命、我が命』を合言葉に全人民決起で国家権力への糾弾・打倒の闘いとして闘いぬかれ、部落解放運動の革命的飛躍・前進を切り拓いてきたことに恐怖と憎悪を燃やし、部落差別の強化・拡大と狭山闘争の解体を狙って打ち下ろされた反革命差別判決に他ならない」「１０・３１判決は、日帝国家権力による部落差別の強化・拡大と、階級闘争解体攻撃を明白にし、『公正裁判要求』路線の敗北を明らかにした。われわれは、２審冒頭での『おれは殺していない！』との石川氏の血叫びに応え、１９７６年９・１７革命的人民によって敢行された寺尾への報復の鉄槌を支持しながら、戦闘的部落大衆とともに１０・３１判決を許したことへの正面突破をかけ闘いぬいてきた」「東京高裁・後藤は、今年７月、事実調べを行なわず、三鷹事件の再審請求を棄却した。狭山事件においてもいまだに事実調べも証人調べも行なおうとはしていない。東京高検は、鑑定人も明らかに出来ない『反証』で引き延ばしを図っている」「弁護団は、鑑定人尋問の請求を準備するために検察官に対して反証の内容、提出の時期について回答を求める求釈明をおこなってきた。今後、鑑定人尋問を実現し、再審開始をかちとるために、東京高裁、東京高検を幾重にも包囲する大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争を構築していこう」「部落解放同盟内社民・こえ派は、国家権力への屈服を深め、狭山＝『冤罪』をますます強調しながら、狭山闘争を『司法の民主化』要求運動に落し込めようとしてきた。そして、一切を『３者協議』にゆだね、狭山闘争の幕引きを図ってきた。しかし、安倍政府による戦時国家体制形成が一挙に進む中にあって、部落解放同盟内社民・こえ派の路線の破産は鮮明となっている。石川氏は、『証拠開示で明らかになった資料をもとに科学的、客観的な証拠が多数提出されているこの第３次再審請求でなんとしても証人尋問、鑑定人尋問をさせることが最重要な闘いであり、再審開始へのカギとなる』『私も心を引き締め、全力で闘って参る所存』と決意を明らかにしている。石川氏を激励し、石川氏の闘う決意に応える闘いを担いぬいていかなければならない。司法―国家権力に対する『中立・公正』の幻想を一切捨て去り、〈狭山差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の旗幟を鮮明に闘おう」「安倍極右政府が戦時国家体制形成に向けて突き進む中、ますます差別主義・排外主義が台頭している。国家権力頂点からの、反朝鮮民主主義人民共和国、反中国―反共・排外主義煽動が吹き荒れている。さらに『徴用工問題』を契機とする反韓煽動が急加速している。『北朝鮮脅威』をひたすら煽動すると同時に、闘う韓国労働者人民を敵視する反韓煽動を強めることで、日帝による朝鮮半島の植民地支配と１５年戦争での数千万規模のアジア労働者人民虐殺、天皇の戦争責任に対する居直りを一挙に進めようというのだ。さらに天皇・ナルヒト即位をステップとした天皇制強化が進行している」「差別主義・排外主義煽動と天皇制の強化は、安倍政府にとって朝鮮反革命戦争とファシズムに突撃するための、一体の攻撃である」「部落解放同盟内社民・こえ派の『告訴・告発』方針を踏みしだき、激発する差別事件に対する差別糾弾闘争を闘うことが求められている。特に、反共ファシストに対しては撃滅戦の鉄の回答があるのみである。部落解放運動の生命線である差別糾弾闘争の復権をかちとろう。部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放へと闘おう。安倍極右政府の兇暴な朝鮮反革命戦争突撃と対決する部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう」。
結集した闘う仲間からの決意
集会に結集した各団体からの決意を受ける。東京・山谷日雇労働組合の仲間は、「東京・山日労は、あらゆる差別を許さないことを組合活動の基本に据えて闘っている。差別と闘わずして、われわれをアブレ―野垂れ死にに追い込む資本家や国家権力に打ち勝つことはできないからだ」「われわれは、アブレ―野垂れ死に攻撃を粉砕する闘いと差別を許さぬ闘いを一つのものとして闘う」。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間は、「仕事や用事をやりくりしてでも参加する仲間を増やしていく」「狭山は、絶対に負けられない闘いだ。第３次で勝利をという石川さんの決意に応え、第３次再審棄却阻止、狭山闘争の勝利へ全力で闘う」。福岡・築港日雇労働組合の仲間は、「福日労は、差別と闘うことは、労働組合の大きな柱だと考え、狭山闘争を闘う」「『１人は万人のために、万人は１人のために』という『狭山思想』で武装し闘う」。刑法改悪阻止関東活動者会議の仲間は、「戦争遂行体制形成を目論む安倍極右政府のもとで、社会保障の縮小・切り捨てが進行している。『精神障害者は危険』『何をするかわからない』という差別キャンペーンを大々的に張り、『心神喪失者等医療観察法』を成立させてから１４年が経過し、保安処分攻撃が強化されている」「戦時『障害者』差別―抹殺攻撃を粉砕する」。日朝連帯活動者会議の仲間は、「韓国に対する反韓キャンペーンがすさまじい。日帝の戦争責任を追及する韓国の労働者人民と共に闘いぬかなければならない」「天皇のもとに朝鮮・中国・アジア労働者人民を虐殺していった負の歴史をのりこえ、天皇・天皇制を打倒し、革命的反戦闘争を闘わなければならない。韓国の文在寅政権を打倒する韓国労働者人民の闘いと共に日朝連動するプロレタリア革命に勝利しよう」。最後に反安保労研全国センターの仲間は「石川氏は、１９９４年に『仮釈放』されているが、いまだに見えない手錠がかけられたままだ。われわれは、石川さんにかけられた有罪判決を１日も早く打ち砕くために本日の闘いを闘いぬく」「差別を許さない闘いと同時に、戦争に協力する労働運動を作ろうとしている日帝・安倍政府の攻撃を木っ端みじんに粉砕しなければならない」「１２月８日、戦争翼賛の労働運動作りを許さず、１日もはやく安倍政府を打倒する労働運動を建設するために東京で研究交流集会を開催する。この場に集まった皆さんが結集することを訴える」。再度全体でシュプレヒコールをあげ、本集会へと合流していく。青ヘル部隊は、新橋駅前から日比谷公園までのデモに撃って出る。霞が関一帯を席捲する戦闘的デモが沿道から手を振るなど労働者人民の注目を集める。東京高裁が目の前に迫ると、青ヘル部隊は、怒りを込めてシュプレヒコールを叩きつける。「東京高裁はただちに事実調べを行なえ」「第３次再審棄却を阻止するぞ」「狭山闘争に勝利するぞ」「石川氏と共に闘うぞ」。日比谷公園に到着すると前段集会の集約を行ない、日比谷野外音楽堂での本集会に合流した。
日比谷野外音楽堂で本集会
石川氏が、決意表明
 前段集会が行なわれている同時刻の午前１１時半、解放派と全国学生部落解放研究会連合の別働部隊は、ゼッケンを身につけ、日比谷野外音楽堂での本集会に結集する部落大衆へのビラまきを開始する。続々と、全国の部落大衆が結集してくる中、部隊は、共に闘う決意をこめ、ビラを手渡していく。次々とビラが受け取られていく。日比谷野外音楽堂の入口の周辺では、公安私服どもがビデオカメラを構え、何かあればいつでも弾圧をしかけてやろうと狙っている。部隊は、これを一蹴し、集会直前まで情宣行動を貫徹した。
ミュージシャン・うじきつよし氏によるプレイベント終了後の午後１時、「狭山事件の再審を求める市民集会実行委員会」主催の「不当有罪判決から４５年！ 東京高裁は鑑定人尋問・再審開始を！」と題する集会が開始される。
組坂繁之部落解放同盟中央本部委員長の開会あいさつ、立憲民主党、国民民主党、社会民主党からのあいさつ等に続いて、無実の部落民＝石川一雄氏が登壇する。
会場全体の拍手で迎えられた石川氏は、「今から４５年前の今日、私は、無期懲役という不当な判決をうけた」「私は、自分の信念をまげずに今日まできたが、今度こそ間違いなく無罪に、あるいは新証拠が出て、それらを証人として呼んでいただけるものと思っている。そうすることによって、石川一雄の無実が明らかになるんじゃないかと思う」「これからも忍耐強く闘っていこうと決意をした」と訴え、次の歌を披露した。「確定の 差別判決看過せず みなの糾弾 心強かし」。
狭山弁護団が弁護団報告
石川早智子氏からのアピールに続き、弁護団報告がなされる。中山武敏狭山弁護団主任弁護人より、「この裁判で重要なのは、１つに、石川一雄氏が被差別部落の出身であること、２つに別件逮捕により捜査が始められたということ、３つ目がもっぱら被告の『自白』によって裁判が進められたということ。第１審段階でなぜその『自白』を維持したのか、家庭環境を含めた部落差別の実態を裁判官に理解してもらうことが必要だ。寺尾判決、最高裁の上告棄却決定には部落問題について差別捜査はなかったとしか触れていない。また第１次、第２次再審請求についても部落問題についてまったく触れられていない。第３次再審請求についてはなんとしても部落問題、差別捜査に基づく違法捜査について裁判所に認めさせる必要がある」。続いて中北龍太郎狭山弁護団事務局長より、「これまで１９１点の証拠開示を獲得し、それらの多くを新証拠として提出し、それらをもとに鑑定書を作成し提出してきた。これらによって、有罪判決の構造を悉く覆してきた。７つの状況証拠（筆跡、足跡、血液型、手拭いの入手可能性、スコップなど）があるが、鑑定書によってゼロに限りなく近いものになっている」「昨年８月に、『下山鑑定』を出した。検察官は、実験をして反証すると昨年から言っているが、１年数ヵ月たっている現時点においても反証は、出されていないどころか、今後の見通しも立たないという状況で、まさに検察官は、追い込まれている」「鑑定人尋問を迫っていく段階にある。目に見えるものにして裁判所に迫っていく」「弁護団は、全力をつくす。共に闘おう」。
首都中枢をデモで席捲
片岡明幸部落解放同盟中央本部副委員長からの基調提起の後、袴田巌氏の姉の袴田秀子氏、「袴田氏を救援する清水・静岡市民の会」の山崎俊樹氏、足利事件の菅家利和氏、布川事件の桜井昌司氏が連帯アピールを行ない、「市民の会」アピールとして石坂啓氏、鎌田慧氏が発言にたった。カンパ要請の後、小林郁子部落解放中央共闘事務局次長・自治労連帯活動局長より集会アピールが読み上げられ、参加者全体の拍手で確認される。閉会あいさつと「団結ガンバロー」で集会が締めくくられた。
５・２３闘争実行委員会の隊列は、会場からデモに起つ全国の部落青年・大衆に共に闘う決意を明らかにすべく、速やかにデモ出発地点に移動し、シュプレヒコールを行ない、アジテーションを開始する。「正念場を迎えた第３次再審闘争勝利へ全力で闘おう」「東京高裁・東京高検を包囲・糾弾しよう」「大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争で闘おう」「石川氏の闘う決意に応え、闘おう」「『差別の法規制』を粉砕し、差別徹底糾弾で闘おう」「朝鮮反革命戦争を粉砕し、中東反革命戦争を粉砕しよう」「改憲攻撃を粉砕し、安倍極右政府を打倒しよう」と訴える。そして、日比谷公園から戦闘的デモへと撃って出る。解散地点の常盤橋公園に到着すると５・２３闘争実行委員会から「第３次再審棄却を許さず狭山闘争の歴史的勝利へ闘おう」「改憲攻撃粉砕、安倍極右政府打倒へ総決起しよう」という集約提起をうけ、シュプレヒコールでこの日の闘いを締めくくった。
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