自衛隊の「防衛出動」「治安出動」訓練粉砕
9月1日午後1時から、宮古島市トゥリバー地区をメイン会場として、「沖縄県総合防災訓練」が強行された。「防災」に名を借りた自衛隊の治安出動訓練だ。自衛隊が主導し、行政機関や住民団体まで総動員した内乱鎮圧訓練だ。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)は、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)の仲間たちとともに、「総合防災訓練」粉砕の闘いに決起した。
今回の「総合防災訓練」は、沖縄「県」と宮古島市、多良間村が主催となり、「八重山諸島南方沖を震源とする地震が発生し、宮古島市を中心に最大震度6弱で、宮古島南西海岸と離島に3メートルの津波が襲来」という想定のもとに、自治体、警察、消防、海上保安庁、自衛隊、さらに電力・通信関係企業などの各企業、医療機関などを動員して行なわれた。
「沖縄県総合防災訓練」には、全国の「総合防災訓練」と比べて、大きな特徴がある。沖縄では、「県」などが主催する「総合防災訓練」に自衛隊が「参加する」というのは、形ばかり、名ばかりで、実際には、「総合防災訓練」と並行して、自衛隊が「離島統合防災訓練」と銘打って、統合幕僚監部の指揮・命令のもと、大量の陸・海・空の統合戦力・兵力を投入して、独自の大規模訓練を行なっているのだ。
統合幕僚監部の発表によれば、この「離島統合防災訓練」には、統合幕僚監部から約15人、陸自は西部方面隊から人員約240人、航空機2機、車両約50両、海自は自衛艦隊などから人員約170人、艦艇1隻(輸送艦・「しもきた」)、航空機1機(P―3C)、空自は、航空総隊などから人員約100人、航空機7機(CH47、UH60、KC―130Hなど)、車両約5両が参加するという。しかも、空自の航空機の中には、F15戦闘機2機までが含まれている。総勢500余人、艦艇1隻、航空機10機、車両55両を動員した大演習だ。現実は、「総合防災訓練」に自衛隊が「参加する」のではなく、自衛隊の「離島統合防災訓練」に「県」の「総合防災訓練」が組み込まれていると言わねばならない。
那覇パレットくもじ前で情宣決起
そして、この「訓練」が想定しているのは、自衛隊の「災害派遣」ではない。朝鮮反革命戦争時に離島で発生する軍事戦闘(「防衛出動」)や、労働者人民の反戦闘争に対する武力鎮圧(「治安出動」)に他ならない。「災害救助」にはおよそ不向きで場違いなF15戦闘機が2機も投入されている理由も、ここにある。
しかも、これらの部隊が、「総合防災訓練への参加」を名目に、陸自の240人を筆頭に、宮古島周辺をわがもの顔で動き回るのである。それは、沖縄戦で日本軍が行なった「集団強制死」や「スパイの嫌疑」による住民虐殺の歴史を消し去り、沖縄労働者人民に自衛隊を売り込もうという、宣撫工作である。とりわけ宮古島では、今年3月、宮古島駐屯地(宮古島市上野野原)が新設され、警備隊380人の配備が強行された。さらに2019年度末には地対艦・地対空ミサイル部隊の配備が計画され、10月から保良鉱山地区(宮古島市城辺)で弾薬庫施設の着工が狙われており、これに反対する労働者・住民の闘いが激しく継続されている。「離島統合防災訓練」と「総合防災訓練」は、「災害時の自衛隊の有用性」をアピールすることで、この闘いを潰してしまおうと狙うものだ。断じて許すわけにはいかない。
沖縄青年実と沖日労の仲間たちは、怒りに燃えて粉砕闘争に決起した。正午、パレットくもじ前に登場した青ヘルの部隊は、「内乱鎮圧訓練=『沖縄県総合防災訓練』を粉砕しよう」、「自衛隊による治安出動訓練=『離島統合防災訓練』を粉砕しよう」、「自衛隊の強化、宮古、石垣、与那国への自衛隊配備に対決しよう」、「埋め立て土砂の投入を止めるために、辺野古現地に結集しよう。実力闘争の爆発で名護新基地建設を阻止しよう」と訴えた。「陸・海・空三自衛隊が主導する『沖縄県総合防災訓練』を粉砕しよう」と題するビラが、行き交う労働者・市民に配布される。ビラを手にした何人もの市民が、「軍隊は、住民を守らない。自衛隊は、要らない」、「どうか頑張って下さい」と語りかけてくる。青ヘルの部隊は、反革命革マル、右翼ファシストの敵対を完封し、用意したビラをすべてまき切り、労働者人民の圧倒的な支持と共感を巻き起こして、約一時間にわたる情宣を終えた。
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