解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 9・1「宮城県9・1総合防災訓練」粉砕闘争に決起 〈宮城〉
(1326号6面)

大衡小学校正門前で決起

 「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」と反戦・全学連は、9月1日、「宮城県総合防災訓練」粉砕の現地闘争に起ち上がった。宮城県及び大衡村主催による「宮城県総合防災訓練」が、第2仙台北部中核工業団地及び大衡小学校等を会場として、強行された。
 午前8時15分、青ヘルメットの部隊は、メイン会場である大衡小学校正門前に登場する。すでに、小学校の「防災訓練会場」には消防などの防災服を着た住民たちが多く集まり、青ヘルメット部隊に注目する。「防災訓練会場」に向かう児童たちが「おはようございます」と声をかけていく。横断幕を掲げ、「防災訓練会場」に向け、シュプレヒコールをあげる。「宮城県総合防災訓練を粉砕するぞ!」「自衛隊の治安出動訓練を粉砕するぞ!」「戦時国家体制形成を許さないぞ!」「朝鮮反革命戦争突入絶対阻止!」。宮城県大和警察署の制服警官がおっとりがたなで駆けつけ、規制に入る。「道路使用許可を取っているのか」「抗議行動止めろ」「止めないと部隊で規制するぞ」。大和警察の規制を跳ねのけ、思う存分シュプレヒコールを叩きつけた青ヘル部隊は、会場を後にし、仙台駅前に向かう。

 午前9時15分、仙台駅前で、「宮城県総合防災訓練」粉砕の情宣、ビラまきを行なう。「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」の仲間が、シュプレヒコール、アジテーションを行なう。駅前を行き交う労働者・市民は、青ヘル部隊に注目しながら、ビラを次々に受けとっていく。ここでも、宮城県警の公安が青ヘル部隊の監視を行なうが、手出しができない。情宣行動の最後になって、妨害にでてきたが、一切の弾圧を許さず、情宣行動を貫徹した。

 宮城県及び大衡村主催による「宮城県総合防災訓練」は、「午前9時、宮城県沖を震源とするマグニチュード9・0と推定される地震が発生し、大衡村では震度6弱を観測した。この地震により家屋の倒壊、建物火災が発生、水道施設の破損、道路及び橋梁の倒壊・交通道路網の混乱等が生じているほか、多数の負傷者も発生している。火災は、延焼拡大しており、第2仙台北部中核工業団地東側の山林では、林野火災が発生している」という想定のもと、防衛省自衛隊宮城地方協力本部、陸上自衛隊第6師団(第22即応機動連隊、第6飛行隊)と宮城県警が、県職員、大衡村民(各地区自主防災組織)、消防、防災関係機関、東北電力、KDDI、NTT・ドコモ、LPガスなど民間企業等とともに「宮城県総合防災訓練」に参加した。そして、大衡村村制施行130周年にあたるこの年、「災害から守れ、自分で、家族で、地域で」というテーマのもと、「防災訓練」が強行されたのだ。

「9・1防災訓練」を粉砕せよ

 今回の「宮城県総合防災訓練」は、その訓練の目的として、「地震・大雨・土砂災害の発生時において、防災関係機関・各種団体・及び地域住民が一体となり、迅速かつ的確な災害応急活動ができるよう相互の協力体制の確立を図るとともに、地域住民の防災意識の高揚と防災知識・技術の習得を図る」としている。そして、宮城県多賀城市の多賀城駐屯地に駐屯する陸上自衛隊第6師団隷下の第22即応機動連隊と陸上自衛隊第6飛行隊と宮城県警が、「防災訓練」に参加したのだ。さらに、大衡小学校周辺で、自衛隊の軽装甲機動車や宮城県警察本部の現場指揮官車などの車両を一堂に展示、防衛省自衛隊宮城地方協力本部は、自衛隊災害派遣活動パネルの展示、陸上自衛隊第22即応機動連隊の人命救助セット(分隊用)の展示なども企画している。そして、地域住民を巻き込み、「防災意識」を高めるという名目のもと、朝鮮反革命戦争に向けた国家総動員体制を作り上げようとしているのだ。
 1923年9月1日に発生した「関東大震災」において、政府は、首都の治安維持のために戒厳令を公布、軍隊を大量に投入した。そして、混乱に乗じて、「朝鮮人暴動」をデッチ上げ、「不逞鮮人(ママ)が来襲して、井戸に投毒、放火、強盗、強姦をしている」などの極悪の排外主義を大煽動し、軍隊、警察、さらに自警団として組織された地域の在郷軍人会、消防団、青年団などによる朝鮮人・中国人大虐殺が凶行された。その後には、「朝鮮人暴動の背後に社会主義者あり」として大杉栄らの拘束・虐殺、南葛労働会の川合義虎ら10人の拘束・虐殺(亀戸事件)が凶行された。

 これを「教訓」とする「防災訓練」とは、自衛隊の治安出動―内乱鎮圧攻撃をもって労働者人民の闘いを暴力的に鎮圧し、さらに、関東大震災時の自警団のように、地域末端からファシズム大衆運動を組織化していく訓練なのである。

 「9・1防災訓練」は、国、自治体、自衛隊、海上保安庁、警察、消防、在日米軍、企業内(職場)防災組織、町内会、などの地域防災組織の総力をあげた訓練として全国各地で強行されている。

 加えて、近年の「防災訓練」では、在日米軍の参加、米軍基地の使用が頻繁に行なわれている。朝鮮反革命戦争突入を見すえて、「防災訓練」の名の下で、自衛隊と米軍が共同した軍事訓練が強行されているのだ。こんな「防災訓練」は、粉砕しなければならない。自衛隊の治安出動―内乱鎮圧訓練を粉砕しなければならない。国家総動員体制を粉砕しなければならない。

 わが青ヘル部隊は、治安出動訓練―内乱鎮圧訓練としての「9・1防災訓練」の実態を暴露・弾劾し、実力で粉砕するために、毎年、「宮城県総合防災訓練」粉砕に起ち上がり、現場での攻防を打ちぬいてきた。われわれは、あくまで現場攻防にこだわり、宮城県における「9・1防災訓練」を粉砕しぬく決意である。