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7・28大間原発建設阻止現地闘争に決起 (1320号1面)

全国反戦が闘いの基調を提起

 7月28日、反戦青年委員会と全学連は、青森県大間町で建設中の「電源開発」(Jパワー)・大間原発建設阻止の現地闘争に決起した。大間原発は、「世界初のフルMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)炉」だ。大間原発が稼働すれば、1年間で1トンのプルトニウムを消費できると言われている。日帝は、核武装するために、核兵器の原料・プルトニウムを保有し、それを正当化する「隠れ蓑」として大間原発を位置付けている。大間原発建設阻止闘争は、日帝の核武装阻止のための重要な闘いだ。7月参院選で自・公が過半数を占め、「維新」などの翼賛勢力を糾合し、改憲と核武装に突き進む安倍の目論見を粉砕する闘いに反戦・全学連は、決起したのだ。

 7月28日早朝、本州最北端の大間現地に到着した反戦・全学連の部隊は、建設中の大間原発が一望できる漁港に移動する。その過程では、青森県警が、大量の機動隊や公安警察官の乗った私服車両を配備し、闘争破壊と弾圧の体制を敷いている。民家に隣接していると言っても過言ではない大間原発建設に対する怒りに燃えた部隊は、こうした弾圧体制を敷く青森県警に一指も触れさせることなく、横断幕を広げ、青ヘルを着け、旗竿を持ち、闘争体制を整える。

 大間原発に肉薄する戦闘的なデモ出発に先立ち、全国反戦の同志が基調提起に起つ。「安倍政府は、破綻が明らかになった原子力政策にしがみつき、大間原発の建設を強行しようとしている。その目的は、核兵器の材料であるプルトニウムを持ち続け、核兵器を作るための技術を持ち続けるために他ならない。労働者人民の被曝を前提にした原発、核兵器を持つための隠れ蓑の役割を果たす原発なぞ、原発労働者の原発廃止にむけた決起と、労働者人民の怒りの包囲で潰すしかない。本日の闘いを、そういうものとしてやりぬいていこう」「六ヶ所再処理工場の本格操業を阻止し、『核燃料サイクル計画』を粉砕せよ。原発再稼働・新(増)設を阻止し、すべての原発の即時廃止をかちとれ。日帝の核武装と対決する反原発・反核燃闘争の爆発をかちとれ」。提起された基調は、圧倒的な拍手と「ヨシ!」の声で部隊全体で確認された。

大間原発建設阻止にむけた進撃デモを闘う

 午前9時、いよいよ、大間原発建設阻止にむけた実力進撃デモの開始だ。デモ出発地点から200メートルほどの坂道の両側には民家があり、坂道を過ぎると建設中の大間原発が見えてくる。部隊はただちにシュプレヒコールを叩きつける。「大間原発建設を阻止するぞ!」「日帝の核武装を阻止するぞ!」「『核燃料サイクル計画』を粉砕するぞ!」「原発再稼働・新(増)設を阻止するぞ!」。青森県警機動隊が完全武装で規制に入り、部隊に張り付くが、デモ隊は、これを一蹴して戦闘的なデモを貫徹する。大間原発の外周フェンス沿いを決意に燃えたデモ隊が進撃する。いよいよ、部隊が、工事用車両の入口ゲートに到着する。入口ゲートを守るために配置された大間原発の社員やガードマンは、部隊の接近に動揺している。部隊は、入口ゲート全面を封鎖するように横断幕を広げ、旗竿を手に、シュプレヒコールを叩きつける。「大間原発の建設を阻止するぞ!」「日帝の核武装を阻止するぞ!」「すべての原発の廃止をかちとるぞ!」。大間原発を防衛するために出動した機動隊は、闘う部隊が大間原発に対して旗竿を突き出すごとにマイクで「早く移動しなさい」と警告を発する。闘う部隊は、思う存分に怒りのシュプレヒコールを叩きつける。

 戦闘的なデモと入口ゲートを封鎖する闘いを貫徹したデモ隊は、ゲート脇の空き地に移動し、集約集会を開始する。全国反戦の同志が、「日帝の核武装阻止、原発の再稼働・新(増)設阻止をかかげた大間現地闘争を貫徹したことを全体で確認しよう。今日の闘いに続き、8月6日広島、8月9日長崎で反核の闘いが闘われる。大間現地での闘いの拡大、原発労働者の反原発・反核の闘いを呼び起こす闘いをさらに闘おう。8月25日に開催する全国反戦集会の成功をかちとり、核武装に突き進む安倍政府を打倒する闘いを前進させよう」と集約提起を行ない、全体が「ヨシ!」の声で応えた。デモ隊は、最後に、眼前に見える大間原発に向けてシュプレヒコールを叩きつけ、当日の闘争を終えた。

原発再稼働・新(増)設阻止!「核燃料サイクル計画」粉砕!

 2008年に着工した大間原発は、2014年、「原子力規制委員会(規制委)」に対して「新規制基準」による「適合性審査」を申請した。Jパワーは、1日も早く原子炉の建設に着手しようとしているが、いまだに「規制委」から「待った」がかかったままであり、工事はストップしたままだ。Jパワーは、昨年9月、工事再開時期が約2年遅れ、2020年後半になると3回目の工事延期を発表した。2024年ごろとしていた運転開始時期は2026年ごろになるとしている。Jパワーが公表している工事の進捗率は、36パーセントにとどまっている。「規制委」の審査は、活断層を含む地質構造の確認などの「序盤」にとどまり、原発プラントに関する審査には入っていない。原発利権に群がる連中からは、「『幻の原発』になるのではないか」という声が出始めている。しかし、昨年7月に安倍政府が「第5次エネルギー基本計画」を閣議決定し、2030年度の電源構成に占める原発の比率を「20パーセント〜22パーセント」とする政府目標を打ち出している。この比率を達成するためには、30基以上の原発を稼働させることが必要になるが、建設中を含めて61基の原発のうち、現時点でも18基が廃炉を決定し、東京電力が、福島第2原発の4基の廃炉を決定したために、22基が廃炉となる。だからこそ、138万キロワットという国内最大級の発電量を持つことになる大間原発の必要性は高まることになるのだ。大間原発は、MOX燃料集合体をすべての炉心で使う「世界で初めてのフルMOX炉」である。「フルMOX炉」は、研究炉での試験的な運転も行なわれてはいない。大間原発自体が危険な「実験炉」なのだ。「大事故」が起きれば、その影響は「福島第1原発事故」の比ではない。このように「危険だらけ」の「フルMOX炉」の大間原発を、これまで水力や火力の発電所しか運転したことがないJパワーが運転するなぞ、無謀そのものだ。だが、戦後復興の電力需要を支えるため、政府が国策会社として設立したJパワーは、安倍政府の「第5次エネルギー基本計画」を「追い風」にして建設再開―完成へと突き進もうとしている。現地実力闘争の爆発で大間原発の工事再開―完成を阻止しなければならない。六ヶ所再処理工場の本格操業を阻止し、「核燃料サイクル計画」を粉砕しよう。日帝の核武装と対決する反原発・反核燃闘争の爆発をかちとろう。