関東大震災下朝鮮人・中国人大虐殺96ヵ年徹底糾弾
19233年9月1日正午前、マグニチュード7・9の大地震が関東地方を襲い、関東一円で10万9000棟以上が全壊、21万2000棟以上が焼失し、死者・行方不明者は10万5000人以上にのぼった。この関東大震災が起こるや、国家権力が真っ先に行なったのは、戒厳令の公布であった。そして、最大6万4000人の陸軍部隊、150隻の海軍部隊と全国から招集した警察力を関東一円に配備する。この戒厳令下で「不逞鮮人(ママ)が来襲して、井戸へ投毒、放火、強盗、強姦をしている」という悪辣なデマが、警察を軸にして大煽動された。国家権力は、軍隊を治安出動させ、他方で在郷軍人会、青年団などのファシズム的地域組織を中心に自警団を排外主義で組織化し、武器を貸与し朝鮮人への「殺害許可」を与えた。こうして軍隊、警察、民間自警団による、6600人以上の朝鮮人・中国人の大虐殺が凶行された。
震災直後の9月1日午後2時ごろ、警視総監・赤池濃は、内務大臣・水野錬太郎と内務省警保局長・後藤に戒厳令の施行を進言し、翌2日、水野は、「朝鮮人攻め来る」との情報を最大の根拠に戒厳令施行を決定した。同日、警視庁は、各署に「不逞者取締」を命じている。また、埼玉県では、同2日に、県の内務部長名で「朝鮮人来襲」を各郡に伝え、これに備えるべきとの通牒が発せられている。
9月3日に、内務省警保局長・後藤が「各都道府県」の長官宛に発した電報は、「東京付近の震災を利用し、朝鮮人は、各地に放火し、不逞の目的を遂行せんとし、現に、東京市内に於て爆弾を所持し、石油を注ぎて放火するものあり。既に、東京府下には一部戒厳令を施行したるが故に、各地に於て充分周密なる視察を加え、鮮人(ママ)の行動に対しては厳密なる取締を加えられたし」 という排外主義にまみれ、憎悪に満ちたデマ煽動による「取締」要請だった。治安当局が放った「流言・飛語」は、またたく間に首都圏一帯に広がった。
戒厳令を先頭で推進した赤池濃と水野錬太郎は、いずれも植民地支配下の朝鮮で朝鮮総督府官僚をつとめた。赤池は警務局長、水野は政務総監として、朝鮮労働者人民の抗日武装闘争に恐怖し、憎悪を抱き、1919年3・1蜂起の弾圧・虐殺などを担ってきた輩であった。こうした輩を中心に、国家権力は、在日朝鮮労働者人民の闘いの圧殺、日本労働者人民の闘いと在日朝鮮労働者人民の闘いとの共闘の破壊に踏み切るために、関東大震災を機に、大虐殺を強行したのだ。
差別主義・排外主義攻撃と対決し、日本階級闘争の敗北の歴史の突破を
「9月1日の夕方には、大井町(東京府荏原郡)で、往来に日本刀や鳶口、ノコギリなどを持った人々が早くも現れ、『朝鮮人を殺せ』と叫び始めた」(加藤直樹「9月、東京の路上で」)。警察、軍隊による虐殺に加えて、「朝鮮人暴動」のデマ煽動をうけて、自治体の指導もあり、在郷軍人会、青年団などのファシズム的地域組織は、自警団として再編され、競い合って朝鮮人虐殺を兇行した。朝鮮人の識別には、「15円55銭」と濁音を発音させる方法がとられた。これにより、中国人や「言語障害」のある「障害者」も虐殺されている。
「流言・飛語」の大煽動の中で、排外主義にもとづいて凶行された大虐殺を断じて許してはならない。
朝鮮人虐殺に続いて、社会主義者の拘束と虐殺も強行されている。1917年ロシア革命をうけ、国内の階級闘争が激化・高揚し、朝鮮労働者人民の闘いとの連帯・共闘も前進していた。
関東大震災下で凶行された「亀戸事件」では、南葛労働会の10人が、亀戸警察署などで習志野騎兵第13連隊に虐殺された。日本共産青年同盟の初代委員長でもあった南葛労働会の河合義虎は、「朝鮮の労働階級の解放は、朝鮮労働階級が、民族運動から更に一歩を進めて、プロレタリア解放運動に転じ、民族自決によるインタナショナルに結ぶ運動に加わることが唯一の途であると思います」「日本の労働階級は、朝鮮植民地の絶対解放を叫び、経済的にも政治的にも民族差別撤廃を主張し、具体的に朝鮮より軍隊の撤去、日鮮労働者の賃金平等を要求し、運動上の完全なる握手と、同一戦線に立つことを、最大急務として努めなければなりません」と主張し、自らこれを実践していたが故に、他の南葛労働会のメンバーとともに虐殺されたのである。
関東大震災下での朝鮮人大虐殺は、朝鮮労働者人民への差別主義・排外主義攻撃を徹底し、朝鮮植民地支配を貫徹するために、当時の支配者どもが凶行したものだ。また、日朝労働者人民の階級的、革命的共同闘争の前進を破壊するものとして「亀戸事件」へと踏み込んだのだ。
関東大震災下の朝鮮人・中国人大虐殺と、その後に続く社会主義者への弾圧・虐殺をとおして、日朝労働者の共同闘争は解体され、後退し、日本階級闘争は、日帝の朝鮮植民地支配、中国―アジアへの侵略戦争の拡大を許していった。このことを徹底して総括し、日本階級闘争の「負の歴史」の突破をかけて排外主義との闘い、日朝連帯、国際連帯の闘いの前進をかちとらなければならない。
反北朝鮮―反共・排外主義攻撃を粉砕し、反共ファシストを撃滅せよ
安倍極右政府は、「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威」、「拉致問題」を煽り、朝鮮反革命戦争に突入せんと、戦争動員体制形成へと突き進んでいる。安倍政府は、この中で、北朝鮮への「独自制裁」を4月14日から2年間延長している。「制裁」の中身は、2006年から行なってきた、北朝鮮を相手とする輸出入の全面禁止と、北朝鮮籍や北朝鮮に寄港歴がある船舶の入港を認めないとするものだ。また、7月25日に北朝鮮が、飛翔体2発を発射した件について、防衛相・岩屋は、「短距離弾道ミサイルと判断した。国連安保理決議に違反するもので、極めて遺憾だ」とした。米帝と共同歩調をとってきた日帝は、米帝が、米朝協議の進展を考慮して「短距離弾道ミサイル発射」と断定しないことに業を煮やしたものだ。「『北朝鮮の脅威』を取り除くのは、『制裁』強化と戦争だ」と煽り、反北朝鮮―反共・排外主義攻撃を激化させているのだ。
安倍極右政府に庇護されて、「日本第一党」が跳梁している。2016年の東京都知事選で、「在特会」前会長の桜井誠は、約11万票を獲得し、2017年3月に、桜井を党首、瀬戸弘幸を最高顧問に据えた「日本第一党」を結成している。瀬戸弘幸は、「統一戦線義勇軍」の結成にも参加した経歴を持つ、ゴリゴリの行動右翼だ。
この「日本第一党」が、今年4月の統一地方選では、神奈川県相模原市中央区、南区、緑区で各1人づつなど、計12人もの公認候補を押し立てた。全員が落選したとはいえ、各地で選挙活動と称して、極悪の「ヘイト・スピーチ」を行なったのだ。また、「日本第一党」とは別に、瀬戸弘幸が推薦した無所属の佐久間吾一なる者が、神奈川県川崎市で立候補している。選挙の応援演説で桜井は、「ヘイト・スピーチ」を許さぬ「カウンター行動」に対して、「このように北朝鮮からやってきた連中が、『ヘイト』をやめろと騒ぎまくっている」「この醜い姿、これがわれわれと同じ日本人であるはずがない」「これが朝鮮人の恐ろしいところだ」なぞと「ヘイト・スピーチ」を撒き散らしている。川崎市で立候補した無所属の佐久間吾一は、在日朝鮮人の多住地区である桜本に隣接する池上町で、「旧日本鋼管の所有地で戦後間もなく在日朝鮮人が勝手に家を建て住み込んだ池上町」「旧日本鋼管池上町不法占拠完全解決」(のぼり旗)なぞとほざいて、極悪の差別主義・排外主義煽動を行なった。
これらを絶対に許してはならない。「ヘイト・スピーチ」、差別主義・排外主義煽動と対決し、ファシズム大衆運動を粉砕しよう。反共ファシストを撃滅しよう。
9.1
関東大震災下朝鮮人・中国人大虐殺96ヵ年徹底糾弾
日朝連帯集会
・日時 9月1日(日) 午後1時半
・場所 台東区上野区民館
・主催 日朝連帯活動者会議
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