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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

7・12自衛隊ソマリア沖派兵粉砕! 第36次P―3C哨戒機の出撃阻止闘争に決起 (1318号6面)

JR御茶ノ水駅頭で情宣闘争に決起

 7月12日に、P―3C哨戒機2機が、沖縄・那覇航空基地から出撃した。これ以前の7月5日に、第12次派遣海賊対処行動支援隊要員は、民間機で成田航空から出撃している。さらに、7月20日には、P―3C哨戒機の要員とともに、残りの第12次派遣海賊対処行動支援隊要員が、羽田空港、長崎空港、那覇空港からそれぞれ、チャーター機で出撃した。出撃した部隊は、ソマリアの隣国である紅海沿岸のジブチのジブチ国際空港内に構える自衛隊基地に駐屯し、部隊展開をすることになる。P―3C哨戒機は、アデン湾上空から監視活動を行ない、海上で展開する艦隊と連携しながら、情報提供を行なっているのだ。

 ソマリア沖には、米軍をはじめとした北大西洋条約機構(NATO)諸国の軍隊、中国軍、韓国軍などがひしめいている。自衛隊は、護衛艦一隻を「多国籍任務部隊」に参加させ、、2015年5月からは、「多国籍任務部隊」に司令部要員として海上自衛隊の将補クラス約10人を派遣している。

 安倍極右政府は、ソマリア沖での「海賊対策」と称して、自衛隊部隊を派兵し続けている。しかし、実際の目的は、海外派兵の実績を積み重ね、海外にあるただ一つの自衛隊基地であるジブチ共和国の自衛隊基地を、中東反革命戦争の出撃拠点として、いっそう強化しようとするものだ。自衛隊がジブチから中東に出撃し、中東労働者人民の虐殺に踏み込もうとしているのである。こうした自衛隊のソマリア沖派兵を、断じて許すことはできない。断固として阻止しなければならない。自衛隊海外派兵の常態化を粉砕しよう。

 6月21日、自衛隊・統合幕僚監部は、海上自衛隊第5航空群(那覇)を基幹として編成した第36次派遣海賊対処行動航空隊のP―3C哨戒機2機と要員、陸上自衛隊総隊司令部(朝霞駐屯地)を基幹とする第12次派遣海賊対処行動支援隊のソマリア沖への派兵を発表した。現在ソマリア沖に展開しているP―3C派兵部隊の交替部隊を、「第36次派遣海賊対処行動航空隊」「第12次派遣海賊対処行動支援隊」として編成し、新たに派兵するというのだ。

 7月12日、反戦・全学連の部隊は、JR御茶ノ水駅頭に登場し、P―3C派兵阻止の闘いに決起した。午前10時、青ヘルメット、ゼッケンを着けた部隊は、降りしきる雨の中で、ビラまきとアジテーションを行なう。アジテーションは、駅頭のみならず、駅周辺にまで響き渡る。「P―3Cのソマリア沖派兵を阻止しよう」「自衛隊の海外派兵を粉砕しよう」「戦争遂行の安倍政府を打倒しよう」と道行く労働者人民に声を掛けながらビラをまく。傘をさしながらも、ビラを受け取っていく人は多い。参院選の真っ最中ではあるが、反戦を押し出した政党、候補者は皆無だ。だからこそ、青ヘル部隊による反戦の闘いは、労働者人民の中に広がっていく。1時間にわたる情宣を行ない、最後にシュプレヒコールでこの日の行動を締めくくった。 

中東反革命戦争の拡大・激化と対決しよう

 自衛隊ソマリア沖派兵は、2009年3月に、当時の麻生政府が、「海上警備行動」を発令して海自・護衛艦2隻を出撃させて開始された。その後、麻生政府は、同年5月に、派兵規模をさらに拡大し、海自・P―3C哨戒機と陸自・中央即応連隊、航空自衛隊・C130輸送機1機をジブチに送り込んだ。陸・海・空3自衛隊が統合しての、ソマリア沖での部隊展開に一挙に踏み込んだのだ。

 さらに、安倍政府になってから、2014年7月に編成を変更し、「派遣海賊対処行動航空隊」から業務隊、警衛隊、警務隊を分離させた「派遣海賊対処行動支援隊」を立ち上げている。この部隊は、ジブチの基地を拠点として維持するものだ。

 日帝は、ジブチ国際空港内にある自衛隊基地を何としても維持する構えだ。たとえ、「海賊」の動向次第で、「海賊対処行動」が終了したとしても、ジブチの基地を手放すつもりはない。なぜなら、ここを拠点に、中東反革命戦争への参戦、中東労働者人民の虐殺に踏み込もうとしているからだ。

 中東反革命戦争の拡大と、日帝の参戦に対決する革命的反戦闘争に、全力で起ち上がろう。

 対イラン反革命戦争突入の危機が急激に煮つまっている。

 6月20日、イランは、「領空侵犯した米軍の無人偵察機、グローバルホーク・RQ4をイスラム革命防衛隊が撃墜した」と発表した。これをうけて、米帝は、この日の内に報復措置として、イランのレーダーシステムやミサイル関連施設をターゲットとし、3地点を攻撃する態勢に入ったが、攻撃の10分前に、トランプが中止を指示したとされている。

 7月4日、英海兵隊は、「欧州連合(EU)の制裁に違反してシリアに原油を輸送していた」として、イランの大型石油タンカーを英領ジブラルタル南方沖で拿捕した。これに対して、イランの国防軍需相・ハタミは、7月8日、「国際規範に違反する海賊行為であり、われわれは看過できない」と批判し、報復も辞さない姿勢を明らかにした。そして、7月10日には、中東のホルムズ海峡で、武装したイラン船3隻が、英タンカーの拿捕を試みたが、護衛していた英海軍のフリゲート艦が、銃口を向けて警告を発し阻止したと報じられている。

 こうした動向を受けて、米帝は、対イラン反革命戦争突入を見据えて、「有志連合」の組織化に入っており、日帝も「有志連合」参加の検討に入っている。

 すでに、5月に入って米帝・トランプ政権は、原子力空母・「エーブラハム・リンカーン」を中心とする米海軍・空母打撃群をペルシャ湾に、そして戦略爆撃機・B52を中心とする米空軍・爆撃機部隊をカタールの米軍基地に送り込み、中東地域に米兵約1500人を増派している

 一気に煮詰まる対イラン反革命戦争突入を阻止しなければならない。中東反革命戦争粉砕、日帝の参戦阻止へ闘いぬこう。