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7・28 大間原発建設阻止現地闘争へ! (1316号6面)

全国の原発再稼働・新(増)設を阻止せよ

 安倍極右政府による全国の原発再稼働・新(増)設が続いている。安倍政府―「原子力規制委員会(規制委)」が制定した原発「新規制基準」の下、電力資本は次々に原発再稼働に動いてきた。

 現在、既に5原発9機の再稼働が強行されている。関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)である。なお、この中で、「ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料」を使用する「プルサーマル発電」を行なっている原発は、伊方原発3号機、高浜原発3、4号機、玄海原発3号機の計4機である。5月13日、九州電力は、玄海原発3号機を停止し、定期検査に入っており、7月22日の再稼働を狙っている。

 「規制委」が既に運転を許可している原発は、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県柏崎市、刈羽村)、関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)、関西電力高浜原発1、2号機、日本原子力発電の東海第2原発1号機(茨城県東海村)の4原発6機である。このうち、高浜原発1、2号機は、運転開始から40年を超えており、その上で「60年までの運転延長」を認可するという、おぞましい代物である。

 それ以外で再稼働のための「安全審査」を「規制委」に申請しているのは、北海道電力泊原発1、2、3号機(北海道泊村)、東北電力東通原発1号機(青森県東通村)と女川原発2号機(宮城県女川町)、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県敦賀市)、中部電力の浜岡原発3、4号機(静岡県浜岡町)、北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)、中国電力島根原発2、3号機(島根県松江市)である。また、日本原燃・六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)の本格操業に向けた策動も続いている。

 建設中の原発として唯一、「安全審査」を申請しているのが、電源開発(Jパワー)の大間原発(青森県大間町)であり、いまだに「史上初のフルMOX炉」を謳い文句にしている。

 一方、「廃炉」が決定している原発を見ると、女川原発1号機、敦賀原発1号機、美浜原発1、2号機、大飯原発1、2号機、島根原発1号機、伊方原発1、2号機、玄海原発1、2号機となっている。さらに、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉・「もんじゅ」(文部科学省が所管)についても、2016年12月に「廃炉」が決定している。しかし、この措置は、施設の老朽化に伴う措置でしかない。

 ここにきて、原発再稼働は、頭打ちの状態にある。今年2月の段階で、関西電力は、高浜原発1、2号機、美浜原発3号機の「事故対策工事」の完了時期を、予定よりも6ヵ月〜9ヵ月延期する方針を示している。この決定により、高浜原発1号機の工事完了が2020年5月に、美浜原発3号機が2020年7月、高浜原発2号機は2021年1月に先延ばしとなった。

 また、「規制委」は、泊原発の「新基準適合審査」で、2月22日、敷地内に存在する断層が活断層であることを「否定できない」とする見解を示した。「審査」は、既に5年以上続いているが、終わりがまったく見通せない状態である。しびれを切らせた北海道電力が、「活断層ではない」とする主張を裏付けるための独自の地下調査を進めており、7月末までに終了させ、10月下旬ごろに「規制委」に説明する予定としている。

 「新規制基準」で明記された「テロ対策施設」=「特定重大事故等対処施設」の設置も、原発再稼働継続の足かせになり始めている。「テロ対策施設」とは、2011年〈9・11〉のような「意図的な航空機衝突などでも原子炉の冷却を続けるための設備」と位置づけられており、「規制委」が「原発の工事計画を認可した日から、5年以内に完成しなければならない」と定めている。これ自身、安倍政府による、朝鮮反革命戦争遂行をみすえた動きの一環ではあるのだが、現実には、肝心の電力会社の準備が遅れており、関西電力、四国電力、九州電力では、既に再稼働した原発を含む5原発10基で、施設の完成に大規模な土木工事が必要なために、期限より1年〜2年半遅れる見通しとされる。「規制委」は、「設置期限までに完成しなかった場合、電力会社に、原発の運転停止を命じる方針」を示しており、このまま推移すると、2020年3月に川内原発1号機が、同年5月に川内原発2号機が、同年8月に高浜原発3号機が停止することになる。

 新たな原発再稼働が停滞する中、安倍政府と一体となった日帝ブルジョアジーが、あくまでも再稼働を推進する姿勢を強調している。1月15日、日本経団連会長・中西(日立製作所会長)は、「再稼働は、どんどんやるべきだ」と言いなし、「原発が立地している自治体が再稼働にイエスと言わない。これでは動かせない」と、地方自治体への圧力強化を強調しているのだ。

 全国原発の再稼働・新(増)設を、何としても粉砕しよう。

大間原発建設阻止へ

 下北半島の先端部にある青森県大間町の大間原発をめぐっては、運営会社のJパワーは、2014月年12月に、「規制委」に原子炉の「安全審査」を申請してから、4年半が経過した。元々、Jパワーは、2015年11月の「審査合格」を当て込み、「2020年完成」「2021年度中の運転開始」に突き進もうとしてきた。Jパワーは、原子炉の建設に着手しようとしているが、いまだ「規制委」から、待ったが掛かったままの状態にある。

 大間原発は、使用済み核燃料再処理工場(六ヶ所再処理工場)で作られるプルトニウムとウランの混合酸化物粉末を、六ヶ所再処理工場に隣接して建設中のMOX燃料工場において加工して生産されたMOX燃料集合体を炉心全体に用いる「史上初のフルMOX炉」である。「フルMOX炉」は、研究炉での試験的な運転も行なわれておらず、大間原発自体が「実験炉」であり、その危険性は他の原発の比ではない。しかも、MOX燃料にはプルトニウムが含まれているのみならず、燃焼にともないアメリシウム、キュリウムなどプルトニウムと同様に半減期が長く、生体への作用が強いアルファ線を放出する放射性物質を生成させるので、「大事故」が起こればその影響は「福島第1原発事故」の比ではない。運転すれば必ず生成される使用済みMOX燃料の後始末の方法すら何ら具体化していない有様である。

 こんな大間原発建設に対して、大間現地だけでなく、津軽海峡対岸の北海道函館市でも、広範な反対運動が起きている。北海道函館市による「建設差し止めと原子炉設置許可の無効確認などを求める」訴訟は、提訴から5年を経た現在も続いている。労働者人民の中で「フルMOX炉」建設への不満が蓄積しているのだ。

 労働者人民の建設阻止闘争の高まりを前に、大間原発工事は、現在、実質ストップの状態であり、工事進捗率は、37・6パーセントにとどまっている。Jパワーは、かねてから2018年後半の工事再開を目指す方針を示していたが、2018年9月4日に3度目の延長を表明し、工事再開時期を「2020年後半になる」と発表した。それに伴い、「2024年度ごろ」としていた運転開始時期も、「2026年度ごろ」に先送りしている。「雇用創出」を進めて地元の懐柔を進めたいJパワーは、焦りを強めている。

 安倍政府は、日帝が大量保有するプルトニウムを「消費」するための「切り札」として、大間原発に期待を寄せているという。元々、日帝が打ち出していた「プルサーマル計画」は、MOX燃料を16機〜18機の原発で使用する計画であり、1機当たりのプルトニウム使用量を、年0・4トン程度とするが、現在のMOX燃料使用原発は、計4機である。これに対し、大間原発は、プルトニウムを年1・1トン程度使用すると目されている。日帝が約47トンものプルトニウムを保有することに、全世界が警戒するようになっており、2018年、安倍政府=「原子力委員会」は、「プルトニウム保有量の削減方針」を表明せざるをえなくなった。そんな中、日帝があくまでもプルトニウム保有を正当化するために、大間原発建設に固執しているのである。

 「核燃料サイクル計画」を粉砕し、核武装に向けた日帝の原子力政策を粉砕するために、大間原発の建設を阻止しなければならない。

「核燃料サイクル」計画を粉砕し、日帝の核武装を阻止しよう

 下北半島のつけ根・六ヶ所村にある、「核燃料サイクル計画」の中核施設である六ヶ所再処理工場をめぐっては、2014年1月に、日本原燃が青森県六ヶ所村の「使用済み核燃料再処理工場」など4施設にむけた「安全審査」を「規制委」に申請している。しかし、立地場所自体が、地震や火山噴火の直撃を受けかねない危険極まりないものである。2017年4月には「規制委」が、「ウラン濃縮工場」の「審査書案」を了承した。「ウラン濃縮工場」は、天然ウランを原発の燃料として使えるようにする施設である。使用済みの核燃料からプルトニウムなどを取り出す再処理工場や、「MOX燃料工場」なども審査が最終段階となっている。

 しかし、再処理工場の建設は、トラブル続きで、すでに2兆2000億円以上をつぎ込んだにもかかわらず、完成のメドはまったく立っていない。2月18日、日本原燃社長・増田は、「2021年上半期としている竣工時期を守り、しっかり動かしたい」と、あくまでも六ヶ所再処理工場の稼働を目指す姿勢を示した。3月8日、日本原燃は、再処理工場稼働の前提となる「安全審査」で、「修正書類(補正書)」を「規制委」に提出した。「規制委」は、内容に問題がなければ、事実上の合格証に当たる「審査書案」をまとめ、2019年度内に合格を内定する見通しとされる。「規制委」での「審査」における主要な議論は、2018年9月に一旦終えていたが、「規制委」は、「高レベル廃液が沸騰して固まる重大事故の対策などで追加の議論が必要」と判断した結果、「修正書類」の提出に至ったという。日本原燃は、六ヶ所再処理工場を2021年上期に完成させた上で、2021年下期の操業開始を見込み、2025年度のフル稼業を想定しているという。

 六ヶ所再処理工場の建設費用が、天文学的数字になろうとしている。6月18日、日本原燃は、六ヶ所再処理工場の総事業費の見積もりについて、約100億円増加し、約13兆9400億円に達することを発表した。

 六ヶ所再処理工場が本格稼働すれば、核兵器に転用可能なプルトニウムを年間4トン生産できると言われる。六ヶ所再処理工場は、「原発が1年で放出する放射能を1日で放出する」とされ、ひとたび「大事故」が発生すれば、その破滅的影響は「日本全域に及ぶ」と言われる「最悪の核施設」だ。

 日帝が「核燃料サイクル」計画を推進するのは、原発を起点とする「核燃料サイクル」の技術と、核兵器製造の技術とが共通しているからだ。核兵器製造のための技術と材料とプラントを開発し、核兵器の材料であるプルトニウムを大量に製造し保有したいからだ。安倍政府は、高速増殖炉の運転と、MOX燃料を使った発電を何としても軌道に乗せることで、47トンものプルトニウム保有を正当化しようというのだ。日帝は、核武装への強い衝動をもって原子力政策を推進し続けている。

 「福島第1原発事故」は、いまだに収束していない。「福島第1原発事故」の現場では、放射能汚染にまみれる中での過酷な労働を、原発労働者が担わされている。

 4月15日、福島第1原発3号機で、使用済み核燃料プールからの核燃料取り出し作業を開始された。「メルトダウン」(炉心溶融)を起こした1号機〜3号機では初の作業となった。冷却保管中の核燃料566体のうち、未使用核燃料7体を高台の共用プールに搬出するものである。搬出完了までは、仮に順調に進んでも2年程度かかるとされる。現場は放射線量が高く、遠隔操作のため、作業は難航が予想される。

 福島第1原発の敷地内から出る「汚染水」が、蓄積を続けている。溜まり続ける「汚染水」は、早ければ、後4年で、敷地内に保管できる量を超える見通しとされている。東京電力は、「浄化」した「汚染水」を海に放出しようと画策してきたが、当然、漁協が反発している。加えて、今年4月に「世界貿易機関」(WTO)が、福島県などの水産物に対する韓国政府の輸入禁止措置について、日帝・安倍政府の横やりを吹き飛ばし、容認する判断を下しているのである。「汚染水」放出なぞ、到底、不可能なのであり、東京電力はもはや手詰まりの状態である。福島第1原発の作業は、一事が万事、その調子である。

 労働者人民の被曝なしには存在しえない原発は、即時に停止―廃止しなければならない。核武装のための原子力政策はただちに葬り去らねばならない。大間原発建設阻止の現地実力闘争に決起せよ。六ヶ所再処理工場の本格操業を阻止し、「核燃料サイクル計画」を粉砕せよ。原発再稼働・新(増)設を阻止し、全ての原発の即時廃止をかちとれ。日帝の核武装と対決する反原発・反核燃闘争の爆発をかちとれ。

 日帝の核武装と対決し、7・28大間原発建設阻止現地闘争の大爆発をかちとれ。

7・28 大間原発建設阻止現地闘争

・日時 7月28日(日) 午前8時半
・場所 大間現地
・主催 全国反戦・全学連