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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

石川氏不当逮捕56ヵ年糾弾!5・23狭山中央闘争を闘う
(1311号5面)

5・23闘争実行委員会が前段集会を開催

全国部落解放青年同盟からのメッセージ
 午前11時、5・23闘争実行委員会の仲間たちが、新橋駅西口のニュー新橋ビル内の集会場に結集する。部落解放を闘う仲間が司会に起ち、前段集会の開始を宣言する。冒頭、参加者全体でシュプレヒコールをあげる。「5・23狭山中央闘争を闘うぞ」「石川氏不当逮捕56ヵ年を糾弾するぞ」「狭山闘争の歴史的勝利をかちとるぞ」「5・23闘争実行委員会は闘うぞ」。

 まず最初に、全国部落解放青年同盟からのメッセージが司会により代読される。

 「安倍政府は、朝鮮反革命戦争突入をみすえ、戦時国家体制形成を急加速させている。そんな中で、部落解放運動総体もまた、大きな試練の時を迎えている。安倍政府が、部落解放同盟内社民・こえ派などの既成勢力にさらなる屈服を迫り、ファシズム融和運動への転換攻撃を推し進めてくるのは必至だ」「狭山闘争をめぐっては、第3次再審闘争が正念場を迎えている。東京高裁・後藤による第3次再審棄却を、絶対に阻止しなければならない。狭山闘争を『司法の民主化』要求運動に落し込めようとする部落解放同盟内社民・こえ派の制動を踏み越えていかなければならない」「無実の部落民=石川一雄氏を支えぬき、〈狭山差別裁判糾弾! 階級裁判粉砕! 国家権力糾弾・打倒!〉の旗幟を鮮明にし、大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争の爆発をかちとり、狭山闘争の歴史的勝利へ進撃しよう」「部落解放同盟内社民・こえ派が押し出す、差別事件に対する『告訴・告発』方針や『差別の法規制』では、何も解決しないことは明白である。吹き荒れる差別主義・排外主義煽動に対する戦闘的部落大衆を先頭とする差別糾弾闘争の復権を闘いとっていかなければならない。特に、『ヘイト・スピーチ』を凶行する『在特会』などの極悪な反共ファシストに対しては、徹底した撃滅戦の猛攻を叩きつけてやらねばならない」「2019年4月30日の天皇・アキヒト退位―5月1日の新天皇・ナルヒト即位を頂点とする天皇代替わり攻撃が進行している。4月30日のアキヒトの『退位礼正殿の儀』、5月1日のナルヒトの『剣爾等承継の儀』や『即位後朝見の儀』を国事行為として行なっただけでなく、5月25日には、米帝・トランプが国賓として来日し、安倍との首脳会談と共に、天皇との会見を行なうとしている。安倍政府は、一連の天皇即位行事を『国家行事』として大々的に開催することで、日帝足下労働者人民に天皇と国家への『祝賀』=忠誠を強制し、改憲に弾みをつけようとしている。そして、『日本会議』などのファシスト勢力が、安倍極右政府の尖兵として、祝賀強制の『草の根』運動の担い手として振舞おうとしている。『貴族あれば賤族あり』と打ち出した、部落解放運動の歴史的地平を革命的に継承し、激化する天皇制攻撃と闘いぬき、天皇制廃絶へ進撃しよう」。
部落解放を闘う仲間が基調提起
 全国学生部落解放研究会連合より、基調の提起を受ける。

 「狭山第3次再審は、2006年5月23日の請求から13年を迎える。東京高裁と東京高検、狭山弁護団による『3者協議』も、2009年の開始以来、3月22日の開催で39回を数えるに至った。担当裁判官は、しばしば交代し、現在は、5人目の後藤真理子である」「狭山弁護団は、この間、石川氏の無実と警察による証拠捏造をより明白にする新証拠を攻勢的に提出してきた。最近では、『自白』によって『発見』された万年筆が、被害者の物ではないとした『下山第1鑑定』『下山第2鑑定』、脅迫状は、石川氏が書いたものではないとした『福江鑑定』によって、1974年10・31東京高裁・寺尾判決の誤りを明らかにしている。2018年12月には、石川氏が脅迫状に一切触れていないことを示す『斉藤指紋鑑定』や、事件当時の航空写真を基に『死体運搬経路』を調査・分析し、石川氏の『自白』による運搬方法が不可能であることを示した『竜王報告書』を提出している。そして、4月22日の『第39回3者協議』では、狭山弁護団は、新たに4月1日に提出した『原・厳島鑑定』を説明するとともに、足跡に関する新証拠について、9月ごろまでに提出する予定とした。『原・厳島鑑定』とは、『狭山事件における捜索・差押に関する心理学実験』と題する鑑定書であり、心理学の観点から、石川氏での家宅捜索で、『鴨居の上の万年筆』を見落とすことはありえないことを立証したものである。一方、東京高検は、スコップに関して弁護団が提出した『平岡鑑定』について、『反証を提出する』としていたものを覆し、『提出しない』とした。また、『下山第2鑑定』に対する反証は、8月〜9月ごろに提出するとしてきたが、これに対し、狭山弁護団は、『検察側から新証拠に対する反証がだされれば、全面的に反論する』としている。次回の『3者協議』は9月上旬の予定である」「しかし、東京高裁・後藤は、いまだに証拠開示命令も出そうとせず、事実調べも行なおうとしない。肝心な証拠は頑として隠し持ち、弁護団による新証拠に対して『反証』で引き延ばしを図ろうとする東京高検に対しても、手ぬるい態度をとり続けている。東京高裁・後藤がいつ『3者協議』を打ち切り、再審請求棄却に踏み込むか、予断を許さない。東京高検の見苦しい言い逃れを許さず、さらに追撃し、東京高検に全証拠開示を迫る闘い、東京高裁に事実調べを迫る闘いを、やりぬかなければならない」「石川氏は、『第3次で勝利する』と、並々ならぬ決意をくり返し明らかにしている。5月23日にむけたメッセージでは、『これだけ冤罪の真相が新証拠によって暴かれた今、最早、真相究明のために、法廷の場で明らかにしないわけにはいかないと思います』『あせることなく、今の第3次再審の闘いで必ず勝利するとの決意で、私も全力で闘う』と改めて決意表明している」「第3次再審棄却を阻止する攻勢的な闘いを叩きつけていかなければならない。司法―国家権力に対する『中立・公正』の幻想を一切捨て去り、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの旗幟を鮮明にして、大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争で闘おう」「全国で激発する差別事件に対しては、全国水平社の差別糾弾の思想を引き継ぎ、徹底した差別糾弾闘争で闘いぬくことが必要だ」「差別糾弾闘争の復権をかちとり、部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放へと闘おう。ファシストどもの悪辣な差別煽動を打ち砕き、安倍極右政府の兇暴な朝鮮反革命戦争突撃と対決する部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう。朝鮮反革命戦争遂行の安倍極右政府を打倒しよう」。
結集した闘う仲間からの決意
 集会に結集した各団体からの決意を受ける。

 全国「障害者」解放運動共闘会議の仲間は、「『心神喪失者等医療観察法』を成立させてから13年が経過した。そのもとで、『精神障害者』を保安処分施設に閉じ込め、隔離・拘禁の保安処分攻撃が強化されている」「戦時『障害者』差別―抹殺攻撃を粉砕し、安倍政府を打倒しよう」「7月6日、『心神喪失者等医療観察法』施行14ヵ年糾弾! 対国立精神・神経医療研究センターデモに決起しよう」。

 日朝連帯活動者会議の仲間は、「5月4日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、短距離『飛翔体』数発を発射した。北朝鮮の『瀬戸際外交』に対し、トランプは、『対話と圧力は変わらない』としている」「『従軍慰安婦問題』や『徴用工問題』に居直り、差別主義・排外主義の全面展開に入り敵対を強める反共ファシストを撃滅しよう」「今こそ、プロレタリア国際主義の旗を掲げ、南北朝鮮の革命的統一にむけ闘う朝鮮労働者人民と連帯し、日朝の連動するプロレタリア革命に勝利しよう」。

 東京・山谷日雇労働組合の仲間は、「われわれは、狭山中央闘争をはじめ、2月の東京集会、3月の埼玉集会を欠かさず闘ってきた。労働組合は、差別と闘うことが決定的に重要だ。差別と闘わずしてわれわれをアブレ―野垂れ死にに追い込む資本家や国家権力に打ち勝つことはできない」「アブレ―野垂れ死に攻撃を粉砕する闘いと、部落差別をはじめ、あらゆる差別を許さぬ闘いを一つにして闘う」。

 「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間は、「『西成労働福祉センター(センター)』の建て替えを口実とした、日本最大の寄せ場である釜ヶ崎を解体する攻撃が強まっている。『センター機能縮小を許さんぞ!』と闘いぬく」。

 最後に、反安保労研全国センターの仲間は、「安倍は、『戦争国家』を作るために、5月の天皇代替わり攻撃、6月の大阪での『主要20ヵ国・地域』首脳会議(G20サミット)を利用しながら、7月参院選を衆・参ダブル選挙にして、一挙に改憲に突進しようとしている」「日本の労働運動も、戦争に協力する労働運動に変えられようとしている。ほとんどの産業でストライキがなく、賃下げを呑む労働組合も現れている。労働者の戦争動員の攻撃を許してはならない」「われわれ労働者の怒りと、無実の部落民=石川一雄氏の怒りを一つのものとして、狭山闘争を闘おう」。

 再度全体でシュプレヒコールをあげ、本集会へと合流していく。

 その後、青ヘル部隊は、新橋駅前から日比谷公園までのデモを闘う。霞ヶ関一帯を席捲する戦闘的デモが、労働者人民の注目を集める。東京高裁が目の前に迫ると、青ヘル部隊は、怒りを込めてシュプレヒコールを叩きつける。「東京高裁は、事実調べを行なえ」「第3次再審棄却を阻止するぞ」「石川さんと共に闘うぞ」。日比谷公園に到着すると、前段集会の集約を行ない、日比谷野外音楽堂での本集会に合流した。

日比谷野外音楽堂で本集会

石川氏の決意表明
 前段集会が行なわれている同時刻の午前11時半、解放派と全国学生部落解放研究会連合の部隊は、ゼッケンを身につけ、日比谷野外音楽堂での本集会に結集する部落大衆へのビラまきを開始する。季節外れの猛暑となる強い日差しの中、すでに集会に参加するため、続々と全国の部落大衆が結集し始めていたが、次々とビラが受け取られていく。日比谷野外音楽堂の入口の周辺では、公安私服どもがビデオカメラを構え、何かあればいつでも弾圧をしかけてやろうと狙っている。部隊は、これを一蹴し、集会直前まで情宣行動を貫徹した。

 シンガーソングライター・李政美氏によるプレイベント終了後の午後1時、「狭山事件の再審開始を求める市民集会実行委員会」主催の「つぎつぎと無実の新証拠! 東京高裁は鑑定人の尋問を!」と題する集会が開始される。

 部落解放同盟・組坂委員長の開会あいさつ、立憲民主党、国民民主党、社会民主党からのあいさつ等に続いて、無実の部落民=石川一雄氏が登壇する。

 会場全体の拍手で迎えられた石川氏は、冒頭、酷暑の中を結集する参加者へのねぎらいの言葉の後、「今年こそ、証人調べが実現するように、命を懸けて、訴え続けていきます」「皆さん方から支援していただく限り、元気で、これからも運動を展開していきます」「私は、確かに80歳になりました。しかし、まだまだこれからも前進していきますので、この第3次再審で風が吹くように、皆さん方の一層のご支援・ご協力を、心からお願い申しあげます。感謝の気持ちと不屈の精神で闘います」。
弁護団報告
 石川早智子氏からのアピールに続き、弁護団報告がなされる。

 狭山弁護団の主任弁護人・中山武敏氏は、「『3者協議』では、191点の証拠開示がなされた。そして、221点の新証拠が提出されている」「石川さんの家庭環境を含め、部落差別の実態を裁判官に理解してもらうことが不可欠」とした上で、1972年10月5日に、獄中にあった石川氏から寄せられた手紙で、「私は、家が貧乏で最低限の教育も受けられなかった。国家の仕打ちがあまりに酷く許せない」などと書かれていたことを紹介すると共に、「私にとって、このことが弁護士としての原点だ」とした。第3次再審闘争については、「全証拠開示、事実調べが大きな力になる。世論を高めてもらいたい」と訴えた。

 続いて、事務局長の中北龍太郎氏は、「埼玉県警は、被差別部落への集中的捜査を進め、石川さんを狙い撃ちにした。石川さんに『上申書』を書かせ、強引に『脅迫状と筆跡が同じ』として、逮捕状をとった」と、埼玉県警のデッチ上げの手口を暴露して「部落差別に基づく冤罪事件だ」と強調した。さらに、証拠開示された取り調べの録音テープの状況について、取り調べた刑事が「『もう決まっている』『否認しても何の意味もない』と、延々と続けている」と、拷問的取り調べの一端を暴露した。「証拠隠しは冤罪の原因。そして、証拠開示によって真実は暴かれる」として、これまで狭山弁護団が暴露してきた石川氏無実を示す数々の新証拠を紹介した。最後に「再審開始決定に向かって前進していきたい。さらに大きな支援をお願いしたい。共にがんばりましょう」と、一層の支援を訴えた。
首都中枢をデモで席捲
 部落解放同盟・片岡明幸中央狭山闘争本部長からの基調提起では、第3次再審闘争の今後の見通しとして「早ければ年内、遅くとも来年5月までに、後藤裁判長の下での、『鑑定人尋問』などの事実調べの実現を目指す」との目標が提示された。

 連帯アピールが行なわれ、袴田巌氏の姉の袴田秀子氏、「袴田氏を救援する清水・静岡の会」の山崎俊樹氏、足利事件の菅家利和氏、布川事件の桜井昌司氏、「再審法改正をめざす市民の会」事務局長・客野美喜子氏が連帯アピールを行ない、「市民の会」アピールとして事務局長の鎌田慧氏が発言に起った。カンパ要請の後、部落解放同盟兵庫県連青年部の池本和浩氏より集会アピールが読み上げられ、参加者全体の拍手で確認される。部落解放同盟・西島藤彦中央本部書記長より閉会あいさつと「団結ガンバロー」で集会が締めくくられた。

 5・23闘争実行委員会の隊列は、速やかに日比谷野音出口のデモ出発地点に移動し、会場からデモに起つ全国の部落大衆に、狭山闘争の勝利と部落解放運動の革命的飛躍・前進を訴えるシュプレヒコールを行ないアジテーションを開始する。「階級的共同闘争と大衆的実力闘争で闘うことが勝利をかちとる道だ」「石川氏の闘う決意に応え、闘おう」「第3次再審闘争に勝利しよう」「朝鮮反革命戦争突入を絶対に阻止し、戦争遂行の安倍極右政府を打倒しよう」。そして、日比谷公園から戦闘的デモへと撃って出る。解散地点の常盤橋公園に到着すると全国学生部落解放研究会連合からの「第3次再審棄却を許さず、狭山闘争の歴史的勝利をかちとろう」「6・15〜6・18安保粉砕・政府打倒全国統一行動に総決起しよう」という集約提起とシュプレヒコールでこの日の闘いを締めくくった。

 石川氏の檄に応え、東京高裁・後藤による第3次再審棄却を阻止し、狭山闘争の歴史的勝利へ断固として進撃しよう。