石川氏不当逮捕56ヵ年糾弾
1963年5月23日、埼玉県狭山市で起こった「女子高生誘拐殺人事件」の「犯人」として、無実の部落民=石川一雄氏が不当逮捕された。5月1日、行方不明となった女子高生宅に届けられた「脅迫状」をもとに、身代金を受け取りに来た「犯人」を警察は40人以上で包囲しておきながら取り逃がす。警察権力への非難が集中する中、当時の国家公安委員長の「生きた犯人を捕まえろ」という号令のもと、マスコミや住民をも動員して被差別部落への予断と偏見を煽りたてながら、狭山市内の被差別部落に捜査を集中させる。当時日雇いだったためにアリバイの証明が困難だった石川氏に目をつけ、5月23日早朝、寝込みを襲うように別件で不当逮捕しさった。警察での取り調べは女子高生殺害に集中した。連日連夜に渡る拷問的取り調べを行ない、「おまえのかわりに兄を逮捕する」「やったといえば10年で出してやる。男の約束だ」などとウソとペテンで「自白」を強要したのだ。絶対に許すことはできない。石川氏の怒りと無念を共有し、石川氏の不退転の決意に応える闘いを実現しなければならない。怒りも新たに、石川氏不当逮捕56ヵ年を徹底糾弾しよう。
第3次再審闘争は、正念場を迎えている。東京高裁と東京高検、狭山弁護団による「3者協議」も、2009年の開始以来、2018年12月26日の開催で38回を数えるに至った。担当裁判官はしばしば交代しており、現在は、2017年12月に大阪高裁から異動してきた後藤真理子である。次回の「3者協議」は、4月中旬開催の予定となっている。
狭山弁護団は、この間、石川氏の無実と警察による証拠捏造をより明白にする新証拠を攻勢的に提出してきた。狭山弁護団が第3次再審で提出した新証拠は220点を数える。最近では、「自白」によって「発見」された万年筆が、被害者の物ではないとした「下山第1鑑定」「下山第2鑑定」、脅迫状は石川氏が書いたものではないとした「福江鑑定」によって、1974年10・31東京高裁・寺尾判決の誤りを明らかにしている。2018年12月には、狭山弁護団は、石川氏が脅迫状に一切触れていないことを示す「斉藤指紋鑑定」や、事件当時の航空写真を基に「死体運搬経路」を調査・分析し、石川氏の「自白」による運搬方法が不可能であることを示した「竜王報告書」を提出している。
第3次再審棄却を阻止せよ
しかし、東京高裁・後藤は、いまだに証拠開示命令も出そうとせず、事実調べも行なおうとしない。肝心な証拠は頑として隠し持ち、弁護団による新証拠に対して「反証」で引き延ばしを図ろうとする東京高検に対しても、手ぬるい態度をとりつづけている。東京高裁・後藤がいつ「3者協議」を打ち切り、再審請求棄却に踏み込むか、予断を許さない。東京高検の見苦しい言い逃れを許さず、さらに追撃し、東京高検に全証拠開示を迫る闘い、東京高裁に事実調べを迫る闘いを、やりぬかなければならない。
司法―国家権力は、これまで石川氏の無実を明らかにする新証拠や補充書、意見書を、どれだけ目の前に積まれようとも、棄却を強行し、差別判決を維持してきた。それは、狭山闘争が階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争を爆発させ、部落解放運動の飛躍を切り拓き、国家権力糾弾・打倒の闘いとしてうちぬかれてきたことに恐怖しているからだ。
狭山闘争は、国家権力を追いつめてきた戦闘的闘いの地平を一歩も後退させることなく、さらに前進させていくことなしに勝利をかちとることはできない。そのことを肝に銘じ、なんとしても棄却を阻止する闘いに総力で起ち上がろう。いかなるペテンも居直りも許さない闘いを叩きつけていこう。
石川氏は、「第3次で勝利する」と、並々ならぬ決意をくり返し明らかにしている。石川氏の不退転の決意に応え、第3次再審棄却を阻止する攻勢的な闘いを叩きつけていかなければならない。司法―国家権力に対する「中立・公正」の幻想を一切捨て去り、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの旗幟を鮮明にして、大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争で闘おう。部落解放同盟内社民・こえ派の制動を踏み越え、階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争の爆発で、第3次再審闘争勝利へ進撃しよう。狭山闘争の歴史的勝利へ進撃しよう。
天皇制強化を粉砕せよ
安倍極右政府は、差別主義・排外主義を煽るだけ煽り、朝鮮反革命戦争へと突撃しようとしている。安倍政府は、反共ファシストどもと連携して、反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、反中国―反共・排外主義攻撃を強めている。そして、靖国神社参拝や「日の丸」「君が代」強制などをおしすすめ、天皇制を前面におしだした反革命国民統合を加速させている。安倍政府は、戦時国家体制形成のために天皇・天皇制を最大限活用しているのであり、教育現場における「日の丸」「君が代」強制、「愛国心教育」、歴史の改竄の攻撃の激化を、許すことはできない。そして、元「従軍慰安婦」や元「徴用工」を先頭とした、天皇と日帝の戦争責任追及の闘いに憎悪し居直りを決め込む傲慢な安倍政府を許さない国際連帯の闘いをやりぬかなければならない。
安倍政府は、4月30日アキヒト退位―5月1日ナルヒト即位を通した、反革命国民統合のための天皇制攻撃をさらに激化させている。ゴールデンウィーク10連休、10月22日「即位の礼」などを通して、労働者人民にナルヒトへの忠誠を誓わせようというのだ。天皇代替わり攻撃を通した天皇制の強化を許してはならない。
4月1日の「新元号」=「令和」公表以降、マスコミを総動員した「祝賀」強制がエスカレートしている。4月18日、アキヒトは厳戒態勢下、伊勢神宮参拝を強行した。その際に、伊勢市や伊勢商工会議所などが「御大礼奉祝委員会」なるものを組織し、アキヒトの「歓迎」に労働者人民を動員している。また、この間、「日本会議」などのファシスト勢力が、「祝賀」強制の「草の根」運動の担い手として動き始めている。こうした輩どもの支援を受けるアキヒトは、4月23日の「武蔵野陵」(=戦犯天皇・ヒロヒトの墓)を参拝した後、4月30日の「退位礼正殿の儀」に臨もうとしている。そして、5月1日ナルヒト即位、10月22日の「即位の礼」、11月14日〜11月15日の「大嘗祭」などの一連の皇室儀式を行なうことで、天皇制攻撃を激化させようとしているのであり、何としても粉砕しなければならない。そして、天皇制強化に乗じた反共ファシストどもの活性化を許さず、撃滅しなければならない。戦時国家体制形成を見据えた日帝の治安管理強化、特に革命勢力への組織壊滅型反革命弾圧を、粉砕しなければならない。
「貴族あれば賤族あり」と打ち出した部落解放運動の歴史的地平を、革命的に継承しなければならない。激化する天皇制攻撃と闘いぬき、天皇制廃絶へ進撃しよう。吹き荒れる差別主義・排外主義煽動を粉砕しよう。天皇・天皇制攻撃を粉砕しよう。
部落解放運動の革命的飛躍・前進を
国家権力頂点からの差別主義・排外主義煽動が吹き荒れる中、部落差別はますます拡大・激化している。全国で悪質な差別事件が激発している。部落差別落書き、差別ハガキ、インターネットを使った悪質な差別煽動が拡大しているのだ。極悪反共ファシスト・「在特会」は、差別煽動を続けており、在日朝鮮人・中国人に対する差別デモ、襲撃を頻繁に行ない、ファシズムへの突撃の尖兵として突出している。また、2016年以降、「鳥取ループ」=宮部龍彦なる輩が、「示現社」なる出版社からの「部落地名総監」の元の資料である「全国部落調査」の復刻版の販売を画策している。部落解放同盟側は、「鳥取ループ・示現社」を相手取り、2億3320万円の損害賠償等請求を行ない、裁判が現在も続いているが、「鳥取ループ・示現社」は、インターネット上での差別煽動をしつこく継続するなど、度し難い居直りをいまだ続けている。
部落解放同盟内社民・こえ派は、「告訴・告発」を全面化している。「告訴・告発」は、差別糾弾闘争を破壊し、差別者を擁護し、部落差別を拡大させるだけであり、差別者を自己批判させ、変革することなぞできない。とりわけ、反共ファシストの差別煽動に対しては、徹底した撃滅戦の爆発で回答しなければならない。全国で激発する差別事件に対しては、全国水平社の差別糾弾の思想を引き継ぎ、徹底した差別糾弾闘争で闘いぬくことが必要だ。
安倍政府は、蔓延する差別主義・排外主義煽動に対する労働者人民の反撃が必至の中、差別糾弾闘争を制動し、体制内での集約を図るために、2016年12月、「部落差別解消推進法」を成立させた。この種の「理念法」は、2016年4月の「障害者差別解消法」、2016年5月の「ヘイト・スピーチ解消法」に続くものである。「部落差別解消推進法」は、「国および自治体がその解決のために、相談体制・教育啓発の充実、実態調査の実施を進めていく」なる文言を明記しただけの、要は、差別糾弾闘争圧殺以外には何の意味もない「理念法」でしかない。部落解放同盟内社民・こえ派は、安倍政府があてがった「理念法」に依拠し、「条例制定」などの「具体化」を進めることで、部落解放運動の体制内化を一層進行させようとしている。これでは、安倍政府の狙う、ファシズム融和運動への転落攻撃と対決することなぞ、到底できない。
部落解放同盟内社民・こえ派の「告訴・告発」方針を踏みしだき、差別糾弾闘争の復権をかちとり、部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放へと闘おう。ファシストどもの悪辣な差別煽動を打ち砕き、安倍極右政府の兇暴な朝鮮反革命戦争突撃と対決する部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう。朝鮮反革命戦争遂行の安倍極右政府を打倒しよう。差別主義日共=全国人権連を解体し、差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、反共ファシストを撃滅しよう。
5・23
石川氏不当逮捕56ヵ年糾弾!狭山中央闘争
正午 前段集会
場所 東京・日比谷野外音楽堂前
主催 5・23闘争実行委員会
午後1時 狭山事件の再審を求める市民集会
場所 東京・日比谷野外音楽堂
主催 狭山事件の再審を求める市民集会実行委員会
※集会後デモ
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