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3・11 内田「死刑」判決55ヵ年糾弾! 浦和地裁(現さいたま地裁)包囲―糾弾闘争を闘う (1303号1面)

別所沼公園での決起集会をかちとる

 3月11日正午、5・23闘争実行委員会に結集する仲間たちは、さいたま市別所沼公園に結集し、内田「死刑」判決55ヵ年糾弾! 浦和地裁(現さいたま地裁)包囲―糾弾闘争の決起集会を開始する。

 部落解放を闘う仲間が司会に起ち、開会あいさつの後に全体でシュプレヒコールをあげる。
 全国部落解放青年同盟からのアピールを司会が、代読する。

 「部落解放運動総体が、大きな試練の時を迎えている。安倍政府が、部落解放同盟内社民・こえ派などの既成勢力にさらなる屈服を迫り、ファシズム融和運動への転換攻撃を推し進めてくるのは必至だ」「東京高裁・後藤による第3次再審棄却を、絶対に阻止しなければならない。狭山闘争を「司法の民主化」要求運動に落し込めようとする部落解放同盟内社民・こえ派の制動を踏み越えていかなければならない。無実の部落民=石川一雄氏を支えぬき、〈狭山差別裁判糾弾! 階級裁判粉砕! 国家権力糾弾・打倒!〉の旗幟を鮮明にし、大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争の爆発をかちとり、狭山闘争の歴史的勝利へ進撃しよう」。

 全国学生部落解放研究会連合が集会基調を提起する。

 「1964年3月11日、狭山事件の一審を担当した浦和地裁・内田は、無実の部落民=石川一雄氏に対して『死刑』判決を打ち下ろした。浦和地裁・内田は、石川氏の少年時代を『小学校すら卒業せず、他家で奉公人として過ごし、家庭的な愛情に恵まれることがなかった』『そのことは人格形成に強い影響を及ぼした』と、被差別部落への差別意識をむきだしにし、『部落は悪の温床』『部落民ならやりかねない』という予断と偏見の下、十分な審理もせず公判開始からわずか半年のスピード審理で石川氏に『死刑』判決を打ち下ろしたのである。この内田の反革命差別『死刑』判決こそ、狭山差別裁判の元凶であり、石川氏に31年7ヵ月もの獄中生活を強制した元凶だ。怒りも新たに内田反革命差別『死刑』判決を徹底糾弾し、浦和地裁包囲―糾弾闘争に決起しよう」。

 「東京高裁と東京高検、狭山弁護団による『3者協議』は、2009年の開始以来、2018年12月26日の開催で38回を数えるに至った。狭山弁護団は、この間、石川氏の無実と警察による証拠捏造をより明白にする新証拠を攻勢的に提出してきた。狭山弁護団が第3次再審で提出した新証拠は220点になった。特に、『自白』によって『発見』された万年筆が、被害者の物ではないとした『下山第1鑑定』『下山第2鑑定』、脅迫状は石川氏が書いたものではないとした『福江鑑定』によって、1974年10・31東京高裁・寺尾判決の誤りを明らかにしたのである」「2018年12月、狭山弁護団は、石川氏が脅迫状に一切触れていないことを示す『斉藤指紋鑑定』や、事件当時の航空写真を基に『死体運搬経路』を調査・分析し、石川氏の『自白』による運搬方法が不可能であることを示した『竜王報告書』を提出している」「東京高裁・後藤は、いまだに証拠開示命令も出そうとせず、事実調べも行なおうとしていない。肝心な証拠は頑として隠し持ち、弁護団による新証拠に対して『反証』で引き延ばしを図ろうとする東京高検に対しても、手ぬるい態度をとりつづけている。東京高裁・後藤がいつ『3者協議』を打ち切り、再審請求棄却に踏み込むか、予断を許さない。次回の第39回『3者協議』は、4月下旬の予定である。東京高検の見苦しい言い逃れを許さず、さらに追撃し、東京高検に全証拠開示を迫る闘い、東京高裁に事実調べを迫る闘いを、やりぬかなければならない」「石川氏は、激闘をうちぬく決意をくり返し明らかにしており、3月8日の狭山埼玉集会でも『あくまで不退転で闘う』としている。階級的共同闘争を頑強に構築し、大衆的実力闘争・武装闘争で闘おう。石川氏の不退転の決意に応える闘いを全国の戦闘的部落青年・大衆とともに闘い、第3次再審棄却策動を粉砕しよう。部落解放同盟内社民・こえ派の『司法の民主化』要求を通した狭山闘争の幕引きを許してはならない。〈狭山差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の旗幟を鮮明にし、狭山闘争の歴史的勝利へ進撃しよう」。

基調提起と結集した仲間からの決意表明

 「4月30日の天皇・アキヒトの退位、5月1日のナルヒトの新天皇即位を通した「祝賀」強制―反革命国民統合の強化が進行しようとしている。安倍政府は、4月1日の『新元号』公表、ゴールデンウィーク10連休、10月22日『即位の礼』などを通して、労働者人民にナルヒト即位への『祝賀』を強制しようとしている。天皇代替わり攻撃を通した天皇制の強化を許してはならない。『貴族あれば賤族あり』と打ち出した、部落解放運動の歴史的地平を革命的に継承しなければならない。日帝と天皇の戦争責任居直りを許さず追及し続けるアジア労働者人民と連帯し、激化する天皇制攻撃と闘いぬき、天皇制廃絶へ進撃しよう」。

 「部落解放同盟内社民・こえ派は、安倍政府があてがった『理念法』にすぎない『部落差別解消推進法』に依拠し、『自治体条例制定』などの体制内運動に一切を流し込もうとすることで、部落解放運動の体制内化を一層進めようとしている。これでは、安倍政府の狙う、ファシズム融和運動への転落と対決することなぞ、到底できない。部落解放同盟内社民・こえ派が押し出す『告訴・告発』や差別の『法規制』では、何も解決しないことは明白である。激発する差別事件に対して差別糾弾闘争を闘うことが求められている。特に、『在特会』などの反共ファシストの差別煽動に対しては、撃滅戦の鉄の回答があるのみである。部落解放運動の生命線である差別糾弾闘争の復権をかちとり、部落差別の根底的廃絶、部落の根本的解放を実現するために闘おう」「日帝の狭山闘争解体を基軸とした部落解放運動解体攻撃を粉砕し、部落解放運動のファシズム融和運動への転換攻撃を木っ端微塵に粉砕しよう。戦争遂行の安倍政府打倒へ進撃しよう。差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、差別主義日共=全国人権連を解体し、天皇主義右翼ファシストを撃滅・一掃しよう」。

 全国学生部落解放研究会連合が提起した基調を、全体の拍手で確認する。

 結集した仲間からの決意表明を受ける。

 東京・山谷日雇労働組合は、「山谷では、今、寄せ場春闘に取り組んでいる。今週から失業対策の仕事が完全になくなり、これから1ヵ月間はアブレ地獄に叩きこまれてしまう。アブレ地獄をうち破るのは『使い捨てを許すな』、『生活できる賃金を寄こせ』、『仕事を寄こせ』、この3つの闘いだ」「3月25日の寄せ場春闘集中行動で日建連と厚生労働省、日本経団連に対して、おれたちの怒りと要求を叩きつけよう」「今、労働組合に求められているのは、最も厳しい立場に立たされている『非正規雇用』労働者、野宿労働者の怒りと要求に基づいた闘いである」「おれたち労働者を戦争に動員することを絶対に許さない反戦の闘いを、山谷日雇労働組合は、最先頭で闘い続ける」。

浦和地裁を包囲―糾弾する戦闘的デモ

 東京都地域連合労働組合は、「『働き方改革関連法』を成立させ、日本労働運動を『1億総活躍社会』なる富国強兵政策を支える労働運動、産業報国会型労働運動に転落させようとする安倍政府を許すわけにはいかない。労働者人民に窮乏生活を押し付け、朝鮮反革命戦争に突き進む安倍政府は、打倒するしかない。戦争に反対し、労働者の戦争動員を阻止し、労働者が労働者として生きていくために、闘いぬいていこう」「『日の丸』『君が代』強制に反対する教育労働者と連帯し、都立高校の卒業式でのビラまきをやりぬいてきた。『教え子を戦場に送るな』という教育労働者の思いは、現実の重みを増している。労働者の戦争動員を阻止し、闘いぬいていこう」。

 「刑法改悪阻止関東活動者会議」からは、「朝鮮反革命戦争に突撃する安倍政府の下、社会保障の切り捨てが進行している」「『精神病者』に対する保安処分の強化を許すことはできない。安倍政府による、相模原『やまゆり園』での事件を口実とした『精神保健福祉法』改悪案の再上程、『心神喪失者等医療観察法』をもっての隔離・抹殺攻撃を粉砕しよう」「『戦争の役に立たない』とする『障害者』虐殺の歴史を繰り返してはならない。戦時『障害者』差別―抹殺攻撃を粉砕しよう。4・1『障害者総合支援法』粉砕闘争に結集されるよう訴える」。

 東部朝鮮史研究会からは、「朝鮮半島をめぐっては、戦争の危機が増している。2月27日〜2月28日にベトナム・ハノイで行なわれた米朝首脳会談は、『決裂』となった。米帝・トランプは、朝鮮反革命戦争突入へと舵を切っている」「安倍は、反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)―反共・排外主義攻撃を激化させている。戦争責任を居直り、『徴用工』問題を持ち出しながら、韓国に対する排外主義攻撃を激化させている。朝鮮反革命戦争粉砕の革命的反戦闘争を闘いぬこう」「闘う韓国労働者人民の、文在寅打倒、反日・米帝、朝鮮半島の革命的統一に向けた闘いと連帯しながら、日朝連帯闘争の前進をかちとろう」。

 全学連からは、「安倍政府の改憲突撃と天皇制強化の攻撃がますます強まっている。全世界労働者人民の闘いと固く結びつきながら、〈戦時下の新たな革命的学生運動〉の全面展開で、全学連運動の飛躍・前進を闘いとろう」「全国学園で吹き荒れる学生運動弾圧をうち破り、4月新歓闘争の勝利をかちとり、学生運動の主流派に躍り出る」。決意表明の最後は全国反戦だ。「米朝首脳会談の『決裂』を受け、トランプは朝鮮反革命戦争への衝動を強めている」「安倍政府は、戦時国家体制形成を強め、『敵基地攻撃能力』確保のための軍備増強を進めている」「労働者人民の実力・武装の闘いだけが、朝鮮反革命戦争とファシズムへの突撃を打ち破る力だ。改憲攻撃を粉砕し、反革命翼賛国会粉砕に決起しよう。差別主義・排外主義攻撃と対決し、戦争遂行の安倍極右政府打倒へ進撃しよう」。

 すべての発言が終了した後、全体でシュプレヒコールを行ない、デモに撃ってでる。

 別所沼公園を出発した部隊は、道行く労働者人民の注目を集める中、意気盛んに浦和(現さいたま)地裁に進撃する。浦和地裁正門前にさしかかると、デモ隊はただちに地裁に向かってシュプレヒコールをたたきつける。「内田『死刑』判決55ヵ年を糾弾するぞ!」「浦和地裁を包囲―糾弾するぞ!」「石川氏と共に闘うぞ!」「第3次再審棄却を阻止するぞ!」「狭山闘争に勝利するぞ!」。デモ隊は、「警告文」なるものを大げさに掲げながら弾圧を画策する埼玉県警による不当な規制をはねのけ、一丸となって内田「死刑」判決55ヵ年に対する怒りを叩きつけた。その後、デモ隊は、浦和市街地の中心部を通過し、JR浦和駅西口までのデモを最後までうちぬいた。執拗に「部隊解散」をがなりたてる埼玉県警の規制―妨害をはねのけ、浦和地裁(現さいたま地裁)包囲―糾弾闘争を最後まで闘いぬいた。


3・8「浦和地裁『死刑判決』55ヵ年糾弾! 狭山第3次再審闘争勝利! 埼玉集会」に決起

さいたま市「ときわ会館」で集会

 3月8日午後六時半より、さいたま市「ときわ会館」において、「浦和地裁『死刑判決』55ヵ年糾弾! 狭山第3次再審闘争勝利! 埼玉集会」が開催された。

 午後五時過ぎ、解放派と全国学生部落解放研究会連合の部隊は、「ときわ会館」入り口前で青ヘルメット、ゼッケンに身を固め、横断幕を掲げて情宣を開始する。次々と会場に結集してくる部落大衆に「狭山闘争に勝利しよう」「再審開始をかちとろう」と声をかけ、ビラを手渡していく。開始時間直前まで情宣行動をやりぬき、本集会へと合流した。

 集会場では、集会開始に先立ち、ミニコンサートが開催された。

 午後6時30分より司会のあいさつで本集会が開始される。

 「狭山事件を考える入間地区住民の会」の開会あいさつ、片岡部落解放同盟埼玉県連委員長の主催者あいさつ、木村壮弁護士、山下茂弁護士、「埼玉同宗連」の連帯あいさつ、立石雅彦弁護士の連帯メッセージと続く。

 そして、小野寺部落解放同盟埼玉県連書記長からの基調報告がなされる。基調では、「1964年3月11日、浦和地裁・内田武文裁判長は、1963年9月4日の第1回公判からわずか半年で12回というスピード審理で求刑どおり『死刑判決』を下した」「この第1審・浦和地裁判決は、今日までの狭山差別裁判の元凶となっており、石川さんに31年7ヵ月の獄中生活を強いてきた」「この闘いは、裁判闘争という形をとっているが最も重要な差別裁判闘争であり、それゆえに狭山闘争を闘うことは部落解放を一歩一歩切り拓いていくことであり、『狭山の勝利なくして部落解放もない』ということを再確認したい」とし、「後藤裁判長のもとで鑑定人尋問の事実調べ実現を! 第3次で決着へ!」と訴えた。基調は、参加者全体の拍手で確認された。

青木孝弁護士が弁護団報告

 続いて、狭山弁護団を代表して青木孝弁護士が、「新証拠で寺尾有罪判決は完全に崩壊した!〜下山第1・第2鑑定、福江意見書、斉藤指紋鑑定、竜王報告書の新証拠の意義〜」と題する弁護団報告を行なう。青木弁護士は、冒頭、「狭山事件」について「捜査の段階からおかしい」とした上で、石川宅を家宅捜索した元捜査官が「かもいの万年筆がなかった」と明らかにした証言について、証拠として採用されていない点を指摘し、怒りを新たにした。そして、この間、狭山弁護団が提出してきた数々の新証拠について解説する。青木弁護士は「万年筆が主要であり、最後の攻防点になっている」とし、万年筆のインクを科学的に調査した「下山第1鑑定」「下山第2鑑定」を、丁寧に説明する。特に、2018年8月30日に提出した「下山第2鑑定」について、「『蛍光X線分析装置』を使ってインクに含まれる元素を分析したところ、被害者の万年筆のインクには金属元素のクロムが含まれていた。しかし、『証拠』とされる万年筆で書いたとされる脅迫状の文字のインクを調べたところ、クロム元素が検出されなかった」「仮に、被害者の万年筆に別のインクを補充したとしても、クロム元素が検出されなくなることはない」ことを明らかにした。最後に、青木弁護士は、「科学的な証拠がたくさん出てきている。負けるわけにいかない」と、断固闘いぬく決意を明らかにした。

石川氏が不退転の決意

 いよいよ、石川一雄氏のアピールだ。石川氏は、「一審の死刑判決は、狭山差別判決の始まりの原点だが、このことを思い返すと自分自身が苦しむ。今は、とにかく前向きに、勝利することだけを考え、闘うのみ」「『後藤裁判長の下で再審を』と言うが、権力が後藤裁判長を退官前に異動させることもありうる。再審をかちとるには、おのずと時間がかかる。真実を求め、どの裁判長に対しても、法廷を開かせることを要求すべき。焦っても仕方ない。第3次再審で終結させたい」「権力によって、差別ゆえに、私は、『犯人』にされ、苦しんでいる。だからこそ、元気に、不退転で闘う決意でいる」と、80歳を超えてなお意気軒昂と闘いぬく決意を表明した。

 石川早智子氏のあいさつ、家族代表の義姉・石川ウメ子氏からのメッセージに続き、「狭山事件を支える児玉地区市民の会」が集会決議を読み上げ、全体の拍手で確認される。そして司会より、この日の集会に200人が結集したことが報告される。最後に、石川氏をはじめ集会参加者が立ち上がり、持田部落解放埼玉県共闘会議議長の音頭で「差別裁判打ち砕こう」が高らかに歌われ、会場全体の「団結ガンバロー」で集会が締めくくられた。

 部落解放同盟内社民・こえ派による狭山闘争幕引きを許さず、〈差別裁判糾弾・階級裁判粉砕・国家権力糾弾・打倒〉の闘いの旗幟を鮮明にし、全力で闘いぬくことが石川氏の決意に応えることである。大衆的実力闘争・武装闘争と階級的共同闘争を爆発させ、5・23不当逮捕56ヵ年糾弾! 狭山中央闘争に総決起し、狭山闘争勝利に進撃しよう。