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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

2・15 フィリピントヨタ労組237人の解雇を撤回せよ
トヨタ東京本社前闘争を闘う
 
(1300号5面)

トヨタ資本の外国人労働者使い捨てを追及する労組部隊が結集

 2月15日、午後5時20分から、東京・飯田橋のトヨタ東京本社前で、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会)の一環として、フィリピン現地工場での大量不当解雇による労組破壊を居直り、今なお労組破壊工作を続けるトヨタ資本を徹底的に追及する行動が闘われた。この行動には東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合の仲間も結集し闘いぬいた。

 トヨタ資本は、フィリピンの子会社・「フィリピントヨタ」で労働者が憲法と労働法に基づいて労働組合・「フィリピントヨタ労組(TMPCWA)」を結成し、団体交渉権を持つ組合であることを認められたにもかかわらず、この組合を潰すために、2001年に組合員233人の大量解雇を強行した。さらに、この解雇―組合解体攻撃に抗議するストライキが闘われると、トヨタ資本は、フィリピンに進出していた日本企業を集め、「こんなことをするなら、フィリピンから引き上げるぞ」という恫喝を当時のアロヨ政権に対して行なった上で、2010年には、新たに組合員4人の解雇を強行しているのである。トヨタ資本は、国際労働機関(ILO)から繰り返し「解雇を撤回して原職復帰させるか、適正な補償金を支払うこと」という勧告を受けているが、頑なに拒否をし続けている。トヨタ資本の責任を追及し、解雇を撤回させる闘いは、18年目に入った。2017年と2018年には、フィリピン政府の雇用労働省長官が、トヨタ本社の代表取締役会長や社長の豊田章男に対して、「貴殿と会談して本件長期争議解決の方途を模索したい」と申し入れを行なっているが、トヨタ資本は、「現地のことは現地で」と言い逃れを繰り返している。このような、トヨタ資本の言い逃れと責任放棄を許さず、解雇撤回をかちとるべく、当日の行動は闘われた。この闘いには、同じトヨタ系列の会社で働き、解雇された神奈川シティユニオンに加盟する外国人労働者の仲間も多数結集し、トヨタ東京本社前を制圧し、追及行動を闘った。

 トヨタ東京本社前での集会が始まる前からマイクロバスで結集した神奈川シティユニオンの労組部隊が、シティユニオンの組合歌や「インターナショナル」を歌い、闘う決意を示す中、5時20分から始まった集会では、主催者を代表して、東京全労協事務局長・寺島氏があいさつに起ち、「今日1日、労働者の権利を求めて行動を闘ってきた。今日の行動には、韓国からサンケン労組の仲間も結集している。私たちは、国際連帯の闘いで、すべての労働者の権利を獲得するために、最後まで頑張りましょう」と訴えた。

 フィリピントヨタ労組を受け入れ、支援している全造船関東地協事務局長の早川氏は、「18年間にわたってトヨタの組合破壊を追及してきた闘いの勝利をかちとるために、団結して闘いましょう」と呼びかけた。

「韓国サンケン労組」が連帯あいさつ

 続いて、韓国サンケン労組のキム・ウニョン委員長が、「今回、組合員3人と私の夫も日本に来ています。皆さんの支援のおかげで私たちは勝利することができました。私たちは韓国で原職復帰して働いています。フィリピントヨタの問題を早く解決し、日本で働いている外国人労働者の皆さんの争議が1日も早く解決することを願っています。労働者にとって、闘いは命です。闘わずして勝利はありません。闘いぬいて勝利をかちとりましょう。サンケン電気が私たちとの交渉に応じたように、トヨタもフィリピンの労働組合と交渉して、1日も早く復職させることを要求します。皆さん、最後までたたかいぬきましょう」と連帯のあいさつを行なった。

 次に、神奈川シティユニオンから、「20年以上外国人労働者の労働相談を受けてきた。日本政府は、外国人労働者の権利を守ろうとはしないまま、さらに外国人労働者を増やそうとしている。今日は、ラテンアメリカから来た労働者や、東芝で働き、年休を取ったことで解雇されたインドの労働者も来ています。フィリピントヨタ争議が勝利するまで闘います」と連帯あいさつを行なった。

 「フィリピントヨタ労組を支援する会」事務局の田中氏がフィリピン現地の報告を行なう。「今日撒いているビラでは、『経済開発協力機構(OECD)』の『多国籍企業行動指針』について書いています。この国際基準は、トヨタのような大企業が守ることが前提になっています。私たちは、『国際労働機関(ILO)』に働きかけ、勧告を引き出すと同時に、OECDにも働きかけてきました。ところが、トヨタは、『フィリピントヨタ労組と話しても、合意に達することはない』『フィリピントヨタ労組が仲裁案、調停案を拒否したから無理だ』と言っている。しかし、トヨタは、フィリピントヨタ労組との交渉を一貫して拒否している。そんな姿勢を続けるトヨタとの間で、仲裁や調停が成立するはずがない。トヨタは『無理を通せば、道理は引っ込む』と言っているのと同じだ。トヨタには、フィリピン政府の雇用労働長官が、解決にむけた話し合いを求めている。これに対してトヨタがどういう態度を取るのか、追及していきます」と報告を行なった。

 集会の最後には、フィリピントヨタ労組とともに闘ってきた弁護士、JAL争議団からの発言を受け、トヨタ東京本社にむけてシュプレヒコールが叩きつけられる。「トヨタは、組合つぶしをやめろ!」「フィリピンでの組合つぶしをやめろ!」「237人の解雇を撤回しろ!」「解雇を撤回して職場に戻せ!」「国際条約違反を是正しろ!」「争議を解決しろ!」「団結権侵害を許さないぞ!」「トヨタは、フィリピン現地労働者の声を聞け!」「争議解決まで闘うぞ!」「世界のなかまと闘うぞ!」。締めくくりは、全造船関東地協委員長の音頭で「団結ガンバロー」が三唱され、当日の闘いを終えていった。