全国反戦が闘いの基調を提起
2月14日、反戦・全学連と「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」の闘う仲間は、在沖米海兵隊の実弾砲撃―「本土」移転演習を阻止すべく、王城寺原現地闘争に起ち上がった。
午後2時、陸上自衛隊・王城寺原演習場(宮城県大和町、色麻町、大衡村)がある地元の河川敷に結集した部隊は、旗竿を手にして隊列を整える。雪が舞い、強い風が吹き付ける悪条件の中での闘いになったが、闘う部隊の熱気は、そんな気象条件など物ともしない。ただちにシュプレヒコールをあげ、集会を開始する。「王城寺原現地闘争を闘うぞ」「戦争訓練を粉砕するぞ」「王城寺原演習場を解体するぞ」「朝鮮反革命戦争を粉砕するぞ」「安倍政府を打倒するぞ」。
集会のはじめに、全国反戦の仲間が基調を提起する。「沖縄に駐留するアメリカの海兵隊250人が、車両60両、155ミリ榴弾砲など6門の大砲を持ち込み、実弾砲撃訓練を強行しようとしている。この訓練は、朝鮮半島での戦争突入を見すえた訓練にほかならない。われわれは、朝鮮反革命戦争突入を絶対阻止する闘いとして、本日の王城寺原現地闘争を闘わねばならない」「王城寺原での実弾演習は、『殴り込み部隊』と呼ばれる海兵隊をいつでも朝鮮半島に投入できるように、実戦的な訓練を重ねるためのものだ」「朝鮮反革命戦争への突入を、トランプ以上に、1日でも早く強行しようとしているのが安倍政府だ。安倍は、朝鮮反革命戦争突入の準備を着々と進めている。朝鮮半島に殴り込みを行なう陸自の『水陸機動団』を昨年3月に発足させ、米海兵隊との共同訓練を繰り返している。今年に入ってからも1月から2月上旬まで、カリフォルニアで水陸両用車を持ち込み、敵地への上陸から市街地戦闘の訓練を強行している」「沖縄では、名護新基地建設をめぐって、これまで認めてこなかった大浦湾側のマヨネーズのような軟弱地盤について、渋々認めた上で、長さが70メートルもある杭を海底に6万本も打ち込み、地盤改良工事を行なうと言い出している。沖縄県の試算では、その工事は13年もかかるとされている。それは、永久に完成しないと同じことだ。『5年以内に普天間基地を閉鎖する』と約束してから、2月24日で丸5年を迎えるが、安倍は、『そんな約束はしていない』という態度を取っている。安倍は、ウソを平然とつき、見かけだけ『工事は進んでいる』と描き出し、体を張って基地建設阻止を闘う労働者人民の闘う意志を挫くことだけに腐心してきた。だが、それも、粘り強い闘いによって粉砕されている」「本日の闘いは、沖縄・辺野古での名護新基地建設の強行を許さず、体を張って闘う沖縄労働者人民と連帯する闘いでもある。『戦争のための基地は、沖縄にも、どこにもいらない』と闘う沖縄労働者人民と連帯して、王城寺原での戦争訓練を粉砕しよう。『沖縄の負担軽減』というペテンのもとで強行される戦争訓練を粉砕しよう。『改憲国会粉砕』『翼賛国会粉砕』をかかげ、通常国会での改憲発議を粉砕しよう。王城寺原演習場を解体し、米軍・自衛隊を解体する闘いを闘いぬこう」。
王城寺原演習場へ戦闘的デモ
続いて、「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」の呼びかけ人である日本キリスト教改革派亘理教会牧師・林茂雄氏からの発言を受ける。「沖縄の海兵隊がこの王城寺原で虐殺訓練をやることを許すことはできない。キリストの愛の精神と真っ向から対立するのが戦争だ。軍事訓練によって殺人行為をやろうとする演習を許すことはできない。断固として演習阻止を闘い、戦争を阻止するために、ともに頑張りましょう」。
集会終了後、横断幕を先頭に、ヘルメット、ゼッケンを身につけ、旗竿を手にしたデモ隊が、王城寺原演習場への進撃を開始する。王城寺原演習場のゲート前に到着すると、デモ隊は、王城寺原演習場に向かって、シュプレヒコールを叩きつける。「実弾砲撃―『本土』移転演習を粉砕するぞ」「王城寺原演習場を解体するぞ」「米軍・自衛隊を解体するぞ」。腹に響くような155ミリ榴弾砲の発射音が轟く中、労働者人民虐殺訓練を強行する帝国主義軍隊に対する満腔の怒りを叩きつける。デモ隊の迫力に圧され、弾圧を狙う公安どもは何一つ手出しはできない。デモ隊は、最後まで戦闘的なデモを貫徹した。
解散地点に到着し、全国反戦の仲間が集約提起を行ない、この日の王城寺原現地闘争を締めくくった。
2018年12月20日、防衛省は、2月8日から17日までの10日間のうち8日間、宮城県色麻町、大和町、大衡村の3つの町村にまたがる陸自の王城寺原演習場に、沖縄に駐留するアメリカの海兵隊250人が、車両60両、155ミリ榴弾砲など6門の大砲を持ち込み、実弾砲撃訓練を実施することを発表した。1月下旬に、米海兵隊の訓練部隊が王城寺原演習場に到着し、2月8日から155ミリ榴弾砲を使った演習を開始している。2月12日には、地元自治体当局や住民約40人に155ミリ榴弾砲や機関銃を公開した。宣撫工作の一環だ。今回の王城寺原での演習は、2017年5月以来で16回目の実施となる。元々この移転演習は、「沖縄の負担軽減」を名目に実施されてきたが、実際には沖縄では実施されていなかった「夜間訓練」や「NBC(核・生物・化学兵器)訓練」が追加されるなど、訓練の内容は、質・量ともに強化・拡大されている。「沖縄の負担軽減」なぞペテンでしかない。名護新基地建設を強行しておいて「負担軽減」もあったものではない。
在沖米海兵隊の「本土」移転演習と同時に、王城寺原演習場では、2月15日から3月2日までの間、日米共同訓練・「フォレストライト02」が強行され、その中では、米軍厚木基地から飛来したMV22オスプレイ2機に陸自隊員、陸自の大型ヘリCH47・2機に米海兵隊員が搭乗し、目標地点を攻撃、奪取する空中機動訓練が強行されている。王城寺原演習場が朝鮮反革命戦争を想定した実戦的演習場とされているのだ。
朝鮮反革命戦争突入に向けた実戦的演習の拡大・強化を断じて許してはならない。体を張って名護新基地建設阻止を闘う沖縄労働者人民と共に、在沖米海兵隊の実弾砲撃―「本土」移転演習粉砕、日米安保粉砕、帝国主義軍隊=米軍・自衛隊解体、王城寺原演習場解体まで闘おう。
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