関西学生秋期大討論集会 〈12月3日〉
全学連は、12月3日午後6時30分から、大阪市中央区のエル・おおさかにおいて、「安倍極右政府の狙う改憲の先にあるもの」と題する関西学生秋期大討論集会を開催した。
全学連は、企画の成功に向け、関西大学、徳島大学、福井大学で、情宣行動に撃って出た。各大学での革命的学生運動に対する、弾圧のための監視はまだまだ続いている。関西大学直近の阪急・関大前駅周辺には関大当局が要請した民間警備会社のガードマンが配置されており、学生がビラまき情宣活動を始めるや、ガードマンの通報で直ちに関大当局職員が監視のため現れるというありさまであった。関大は、2016年12月に「安全保障技術研究推進制度」への申請禁止を決定したが、2015年に、関大の教員が同制度の資金提供に応募したことに対するものに過ぎず、関大当局の決定以前に、安倍政府の推し進める軍事研究に積極的に応募したファシスト教員がいまだ存在しているのである。2015年に徳島大学新聞会部室の閉鎖という暴挙に踏み込んだ徳大、日帝の原子力政策に積極的に貢献する福井大も、国立大学の「独立行政法人化」の中で、国家と企業に貢献する大学への改編を進めている。そんな中での情宣行動であったが、いずれの大学でも、キャンパスを行き交う学生は、われわれの配布するビラを次々に受け取っていった。われわれは、各大学の学生に対し、積極的に討論を仕掛け、革命的学生運動の組織化を進めていった。
そして、12月3日、参加者が集会場に結集する中で、関西学生秋期大討論集会を開催した。
集会では、全学連中央執行委員会からのあいさつ、全国学生社会思想研究会連合からの、改憲攻撃との対決を訴える提起の後、2本のDVDを上映する。ナチスドイツが「国家緊急権」を乱発し、闘う労働者人民を徹底弾圧して独裁体制を構築した歴史を掘り起こす「ワイマール憲法の教訓」と、沖縄・名護新基地建設阻止を闘いぬく沖縄労働者人民の激闘を描いた「裂かれる海」である。
上映の後、参加者との討論に入る。全学連は、参加者との討論の中で、「安倍政府が改憲を急ぐのは、戦争遂行と戦時国家体制形成のためだ。改憲攻撃との闘いを爆発させよう」「米軍・自衛隊が強化されようとしている。沖縄労働者人民の激闘と結びついた、反戦の闘いに決起しなければならない」と訴えた。参加者との討論が白熱する中、「日本だけでなく、世界中でファシストが跳梁を開始し、ファシズムへの突撃がさらに加速しようとしている。この現状を、何としても変えなければならない」「ファシズムの歴史を2度と繰り返してはならない。そのための闘いが必要だ。学生・青年がその先頭に起つべきだ」との認識を共有した。
世界大恐慌爆発情勢の深化と戦争遂行―戦時国家体制形成の攻撃が強まる中で、学生は、資本への隷属を日々競わされている。さらに、安倍政府が、研究費増額をエサに大学の軍事研究の強化を狙っており、関大のような、軍事研究を推進する大学をさらに増やそうとしているのだ。安倍政府の朝鮮反革命戦争とファシズムへの突撃の中で、学生は、資本への隷属だけでなく、戦争協力でも競わされるのだ。全国の大学の戦争協力へのなだれ込みを許すわけにはいかない。天皇制ファシズムの下、15年戦争に突入し、アジア労働者人民虐殺を凶行した歴史は、2度と繰り返してはならないのだ。
闘う条件さえあれば学生は必ずや決起する。学生に闘う場所と手段を指し示すことが革命的学生運動の責務だ。安倍政府への怒りを、現状の変革と戦争粉砕に組織しなければならない。関西の地から、革命的学生運動の創出をなし切り、全国学生の先頭に起って闘いぬく決意である。
九州大学 〈11月28日〉
九州大学では、11月28日、社会科学研究部が、福岡市早良区の「早良市民センター」を会場にして「ドイツ『ワイマール憲法』の教訓と現在の改憲の動きの問題点」と題する公開学習会を開催した。
九州大学は、2005年から進めてきた福岡市中央区の六本松キャンパスと福岡市東区の箱崎キャンパスを、福岡市西区と糸島市にまたがる伊都キャンパスに移転・統合する作業を9月末に完了させた。伊都キャンパスには、国内最大級の敷地に1万9000人が通うことになる。九州大学は、9月29日にキャンパス完成式典を開催した。九大総長・久保は、式典で「学生や教職員が世界の人々と学びあい競い合うキャンパスで、新たに大学のイノベーション(技術革新・新機軸)の扉を開き、躍進し続ける」と宣言した。伊都キャンパスは、「実証実験の町」と企業から呼ばれている。キャンパス内では、学生がキャンパス内を移動するために、スマートホンを使ってNTTドコモが運営する「AI運行バス」を呼び出す。「AI運行バス」は、乗客の目的地を分析し、最短効率で運行する。キャンパス内には、日立製作所が、「IoT(モノのインターネット)や映像解析で高齢者を見守るサービスの実証実験」と称して監視カメラを設置している。要するに、資本の利潤追求のための「実証実験」をやるのが伊都キャンパス移転の目的なのだ。
キャンパス内には、立て看の1枚もなく、サークル活動をやっている雰囲気もない、キャンパス内に公道が走っているが、ゲートが設置され、自由な通行はできない。まさに監視カメラとコンピュータで監視・管理される人工の町といった雰囲気だ。
社会科学研究部は、伊都キャンパスに登場し、公開学習会を呼びかけるビラまきを行なった。広大なキャンパスの中心部には、隣接する大規模な寮から次々と九大生が登校してくる。入学式で不動産屋やアルバイト勧誘のチラシ配りしか目にすることがない九大生は、次々とビラを受け取っていく。ビラを受け取った学生からは、「憲法問題の公開学習会を呼びかけるビラを初めてもらいました。改憲は、ヤバイなと思っているけど、みんなと話す機会がないんです」「憲法を変えるようだとは知っているんですが、詳しく知る時間が無くて」といった声が返ってくる。
公開学習会は、安倍が強行しようとしている「自民党改憲草案」で新設するとしている「緊急事態条項」の危険性を訴えるDVDを上映し、その後、憲法9条に「自衛隊」を書き加えることの論理的な矛盾や、それを強行することで変わる日本の軍事体制についての資料を使った学習・討論が行なわれた。「憲法や法律があっても、民衆の姿勢一つで戦争に突き進んだり、ファシズムの体制が作られることがわかりました。声を上げ、行動することが大事なことがわかりました」などの意見や、感想が多く出された。
社会科学研究部は、改憲攻撃への学生の怒りを充分に掴み取り、〈戦時下の新たな革命的学生運動〉の創出にむけて、九州大学で粘り強く闘いぬく決意を固めた。
沖縄大学 〈12月7日〉
沖縄大学では、11月3日から4日までの日程で、「第59回沖大祭」が開催された。「平成最後の大暴れ〜来い! 濃い! どっ恋」なるメイン・テーマが示すように、そこには批判の精神も社会変革への息吹きも何もない。学生の創造的な文化活動、自主的な政治・社会活動が消し去られ、商業化と陳腐化が進み、それどころか、当たり前のように「ミスコン」が開催されるなど、腐敗が進んでいる。「ミスコン」を「ミスミスター総選挙」と名称変更しようが、女性差別という本質は少しも変わらないということが、「実行委員会」の御用学生たちにも、「地球市民の共育」なる理念を掲げる大学当局にも、さっぱり理解できないのだ。
「沖大祭実行委員会」の実態は、「沖縄大学のイベント企画・運営を主な活動」とする一イベントサークルの独占物にすぎない。「学生、教員、職員の3者が協力して沖縄大学を盛り上げるべく日々活動を行なっております」と公言するこのサークルが、沖大祭の開催にあたって、そのまま「実行委員会」に横すべりするというわけである。当局と一体となった御用大学祭の典型のような実態だ。この状況を戦闘的革命的に塗り替えるような沖大学生運動の再生こそが求められている。
こうしたなかで12月7日夕方、社会思想研究会の仲間たちは、沖大近くの市民会場において、「新基地建設は止められる」と題して、公開学習会を開催した。沖大正門前での、さらには市内の諸大学へのくり返しの情宣を受けたものだ。
はじめにDVD上映が行なわれ、続いて辺野古現地に通う仲間が、資料と映像を交えて、「名護新基地建設は、沖縄の基地の強化・最新鋭化が目的であり、戦争準備の重要な一環だ」、「それはとりもなおさず、沖縄労働者人民に『新たな沖縄戦』を強要するものだ」、「12月3日からは、名護市安和にある琉球セメント安和桟橋からの埋め立て土砂の搬出が強行された。まったく違法で強引な手法だ」、「しかし、埋め立て予定地を走る活断層の存在、マヨネーズ並みの超軟弱地盤の存在など、追いつめられているのは安倍政府―沖縄防衛局の方だ」、「現地では埋め立て工事を阻止しようと、多くの労働者・市民が懸命の闘いを続けている」と現地の状況をリアルにレポートし、最後に、「埋め立て工事が迫っている。安倍政府の暴挙を沖縄から止めていくために、今こそ学生が起ち上がろう」と提起した。
これを受けて、学習会に来た参加者たちからは、「基地と戦争の押し付けに憤りを感じる」「新基地建設はもってのほかだ」などの意見が出され、活発な討論が交わされた。
社会思想研究会の仲間たちは、名護新基地建設阻止の闘いへの沖大生の決起をテコに、沖大学生運動の革命的再生、沖縄における革命的学生運動の本格的台頭を実現する決意だ。
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