呉での現地闘争を闘いぬく
 １２月２日、広島県反戦は、自衛隊ソマリア沖派兵を阻止すべく、呉現地闘争に決起した。午前９時、青ヘル部隊は、旗竿を手にして、呉基地Ｆバース前に布陣する。そして、呉基地からソマリア沖に出撃する海上自衛隊護衛艦・「さみだれ」（排水量４５５０トン）に向けて、怒りのシュプレヒコールを叩きつける。「護衛艦・『さみだれ』のソマリア沖派兵を阻止するぞ！」「自衛官は、出兵を拒否せよ！」「労働者人民虐殺を許さないぞ！」。青ヘル部隊の登場に対し、「出港式典」出席のために桟橋にいた自衛隊員らが、わざわざＦバース前近くに停泊する潜水艦の上に乗り、恐る恐る様子をうかがっていた。また、海上保安庁の船舶がＦバース前に接近し、青ヘル部隊に対する監視活動を続けていた。かつて自衛隊ソマリア沖派兵に対する抗議行動に取り組んでいた諸勢力が、今やまったく姿を見せなくなる状況の中、「出港歓迎ムード」をブチ破って唯一、あくまでも現地闘争を闘いぬく青ヘル部隊に対し、自衛隊員や海上保安庁が注視しているのが分かる。
午前１０時、呉基地内での「出港行事」を終えた後、護衛艦・「さみだれ」が黒煙を上げながら、ソマリア沖への出撃を開始する。青ヘル部隊は、移動を開始した護衛艦・「さみだれ」に向けて、怒りも新たに「護衛艦・『さみだれ』の出撃を弾劾するぞ！」「中東反革命戦争粉砕！」と怒りのシュプレヒコールを叩きつけ、出撃阻止の闘いをやりぬいた。その後、青ヘル部隊は、ＪＲ呉駅頭に登場し、自衛隊ソマリア沖派兵粉砕を訴える情宣行動を行なう。アジテーションとビラまきに対する労働者人民の注目は大きく、配布するビラは次々に受け取られていった。こうして、広島県反戦は、広島県警等の一切の弾圧を許さず、一連の行動を最後まで取り組んだ。
１１月１６日、自衛隊・統合幕僚監部は、海上自衛隊呉基地からの、護衛艦・「さみだれ」の出撃を発表した。現在ソマリア沖で展開している護衛艦の交替として、約１９０人の隊員からなる「第３２次派遣海賊対処行動水上部隊」として編成し、新たに派兵するというものだ。護衛艦・「さみだれ」には、８人の海上保安官も同乗する。護衛艦のソマリア沖派兵は、今回で３２回目となる。そのうち、呉基地からの護衛艦・「さみだれ」の出撃は、今回で４回目になる。
当日、家族や自衛官などおよそ６００人を集めて、呉基地内で行なわれた「出港行事」では、第４護衛隊司令である一等海佐・西山が、出撃に際して「国内外に対する海上自衛隊の理解と信頼を深めるための活動として非常に重要な任務であると認識してます」と強調した。出撃した護衛艦・「さみだれ」は、ソマリアの隣国の紅海沿岸・ジブチにある自衛隊基地に駐屯し、部隊展開をすることになる。
自衛隊ソマリア沖派兵は、２００９年３月に、当時の麻生政府が、「海上警備行動」を発令して海自護衛艦２隻を出撃させることで開始された。この時に、真っ先に送り込んだ護衛艦のうちの一隻が、今回派兵する「さみだれ」である。その後、麻生政府は、同年５月に、派兵規模をさらに拡大し、海上自衛隊のＰ―３Ｃ哨戒機と陸上自衛隊の中央即応連隊、航空自衛隊のＣ１３０輸送機１機をジブチに送り込んだ。陸・海・空３自衛隊が統合しての、ソマリア沖での部隊展開に一挙に踏み込んできたのである。その後、１０年にもわたり、自衛隊ソマリア沖派兵が積み重ねられている。安倍政府による海上自衛隊護衛艦の第３２次ソマリア沖派兵強行を、徹底して弾劾しよう。
自衛隊ソマリア沖出撃を粉砕しよう
２００９年３月からソマリア沖で展開する海上自衛隊護衛艦は、民間船舶を率い、定期的にソマリア沖のアデン湾を往復している。そして、Ｐ―３Ｃ哨戒機は、アデン湾上空から監視活動を行ない、海上で展開する艦隊への情報提供をおこなっている。さらに、自衛隊は、２０１１年６月にジブチ国際空港内に拠点を構築している。
安倍政府は、ソマリア沖の自衛隊の活動を拡大させてきた。安倍政府は、２０１３年１２月以降、護衛艦１隻を、バーレーンに本拠を置く「多国籍任務部隊」（ＣＴＦ１５１）に参加させ、特定海域を分担して哨戒する「ゾーンディフェンス方式」の監視を行なっている。このＣＴＦ１５１に初めて参加した護衛艦も、「さみだれ」である。２０１６年１１月以降、送り込む護衛艦は一隻になっているが、ソマリア沖派兵の実績を積んだ護衛艦を朝鮮半島周辺に展開させているのであり、本質は何ら変わっていない。
ソマリア沖には、自衛隊だけでなく、米軍をはじめとした北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の諸国や欧州連合（ＥＵ）の諸国、中国軍や韓国軍などの艦隊がひしめくように部隊展開している。軍事展開もエスカレートし、洋上での戦闘―「海賊」の拿捕が頻繁に行なわれてきた。しかし、ソマリアでは米帝―帝国主義の介入によって内戦が激化し続けている。現在もイスラム原理主義武装勢力は、ソマリアでの大規模な武装攻撃を頻発させており、さらに、シリアやイラクから追われた「イスラム国」戦闘員の大量流入も指摘されている。そんな中、ソマリア労働者人民の生活再建はなおざりにされ、飢餓の危機と隣り合わせの生活を余儀なくされており、危険を承知の上で�牋齎疾藏皚瓩鯀世辰董岾ぢ院廚砲覆蹐Δ箸垢觴圓楼輿蓋紊鮴笋燭覆ぁ０打楡�府は、「海賊事案の減少」なぞと、ソマリア沖派兵の「成果」を強調しているが、実際には、「海賊」たちは、アデン湾を避けて活動しているに過ぎない。ソマリア沖における「海賊問題」は、米帝―帝国主義のソマリアへの介入と野放図な収奪が生み出したものである。いわば、米帝―帝国主義は、ソマリア労働者人民を「海賊」へと追いやっているのだ。
安倍政府は、ジブチに建設した自衛隊基地を、中東反革命戦争の出撃拠点としてさらに強化しようとしている。自衛隊がジブチの自衛隊基地を足がかりに、本格的に中東反革命戦争に参画し、労働者人民虐殺に踏み込むことを、断じて許すことはできない。自衛隊ソマリア沖派兵を粉砕し、自衛隊の即時撤退をかちとろう。中東反革命戦争への参画強化を粉砕しよう。
さらに、朝鮮反革命戦争突入が切迫する中、中国を牽制するための軍事展開の一環として、ソマリア沖に出撃する護衛艦が「南沙諸島」周辺を通過する際に、中国と「領土問題」で対立するベトナムやフィリピンなどに立ち寄って、共同訓練等をしばしば行なっている。自衛隊ソマリア沖派兵が、朝鮮反革命戦争の一環としての軍事作戦としても、組み込まれているのだ。
安倍政府は、米帝・トランプ政権と「日米同盟強化」を確認し、朝鮮反革命戦争に突き進んでいる。呉基地についても、その一翼を担うための出撃拠点として、さらに強化されようとしている。安倍政府は、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦の甲板を改修し、最新鋭ステルス戦闘機・Ｆ３５Ｂが離着艦できる「空母」へと改修しようと狙っているのだが、呉基地には、２０１７年に「いずも」型護衛艦の二番艦である護衛艦・「かが」を配備しているのである。
呉基地を解体する反基地闘争の爆発をかちとろう。米軍・自衛隊解体し、戦争遂行の安倍極右政府打倒に攻めのぼろう。
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