デモ出発に先立ち、全国反戦が基調提起
10月28日、反戦・全学連の部隊は、在沖米海兵隊の実弾砲撃―「本土」移転演習粉砕の北富士現地闘争に決起した。
正午、反戦・全学連の部隊は、国道138号線沿いの山中湖畔に結集して隊列を整える。
そして、実弾砲撃演習が強行されている陸上自衛隊・北富士演習場にむけたデモ出発に先立ち、全国反戦の同志が基調的提起を行なう。「10月25日から、11月5日までの12日間のうちの10日間、山梨県富士吉田市と山中湖村にまたがる陸上自衛隊の北富士演習場に、沖縄に駐留するアメリカの海兵隊430人が、車両100両、155ミリ榴弾砲など12門の大砲を持ち込み、実弾砲撃訓練を強行しようとしている」「米帝・トランプは、6月に『米朝首脳会談』を行ない、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正恩とのあいだで、『朝鮮半島の非核化で合意した』と言っている。しかし、これは、トランプ政権に対する実質的な信任投票の意味を持つ11月の『中間選挙』で勝利するために、『外交で成果を出している』と強調するペテンでしかない。トランプは、『中間選挙』が終われば、一気に朝鮮反革命戦争に突入することを狙っている。『殴り込み部隊』と呼ばれる海兵隊をいつでも朝鮮半島に投入できるよう実戦的な訓練を重ねている。このために、北富士での演習を強行しようとしているのだ」「朝鮮反革命戦争への突入を、トランプ以上に、1日でも早く強行しようとしているのが安倍政府だ。米帝と韓国の合同軍事演習は、今は、中止されている。しかし、米帝と日帝は、朝鮮半島を戦場に想定した訓練を強行している。9月27日には、グァムのアンダーセン空軍基地から来た米空軍の戦略爆撃機・B52と、航空自衛隊那覇基地や築城基地の戦闘機・F15が朝鮮半島近くで共同訓練を強行している。10月2日には、海兵隊と陸上自衛隊に3月に創設された『水陸機動団』が、種子島で共同訓練を強行している。・・・ 北朝鮮の『瀬取り』に対して、日・米が臨検を強化し、それを突破口にして、朝鮮反革命戦争に突入することも想定されている。北富士での演習は、その予行演習でもあるのだ」「トランプが10月20日に、『中距離核戦力全廃条約』からの離脱を宣言したことによって、沖縄に再び核兵器が嘉手納や辺野古の弾薬庫に配備される可能性も高まっている。『戦争のための基地は、沖縄にも、どこにも要らない』と闘う沖縄労働者人民と連帯して、北富士での戦争訓練を粉砕しよう。『沖縄の負担軽減』というペテンのもとで強行される戦争訓練を粉砕しよう。『改憲国会粉砕』『翼賛国会粉砕』をかかげ、臨時国会での改憲発議を粉砕しよう。北富士演習場を解体し、米軍・自衛隊を解体する闘いを闘いぬこう」。
北富士演習場へ戦闘的デモ
基調的提起を受けた反戦・全学連の部隊は、ただちに、北富士演習場へのデモに撃って出た。
横断幕を先頭にし、旗竿を手にした反戦・全学連の部隊は、国道138号線を北富士演習場方向に進んでいく。デモの途中にも演習場方向から砲撃の音が聞こえてくる。米帝の「殴り込み部隊」として、全世界で労働者人民の虐殺に手を染める在沖米海兵隊による砲撃演習=虐殺訓練に対して部隊の怒りは高まる。デモ隊は、通行する車両や地域住民の注目を集めて進撃する。東富士五湖道路の高架を抜けた先に北富士演習場のゲートが見えてくる。ゲートは、演習粉砕の部隊が来るのを知り、閉ざされ、ゲートの内側では、陸上自衛隊の警衛隊員が戦々恐々としている。その後ろでは、迷彩塗装を施した海兵隊の車両が走り回っている。ゲートの脇には「訓練中 立ち入り禁止」の看板が掲げられている。反戦・全学連の部隊は、北富士演習場に向けて「米海兵隊の実弾砲撃移転演習を粉砕するぞ」「北富士演習場を解体するぞ」「米軍・自衛隊を解体するぞ」と怒りのシュプレヒコールを叩きつける。ゲート前での行動を繰り広げる部隊を遠巻きに見ている山梨県警の私服デカ、制服警官ともに、一切手出しはできない。こうして、反戦・全学連の部隊は、1997年以来、「沖縄の負担軽減」なるペテンをもって強行される在沖米海兵隊による「本土」移転演習阻止の現地闘争を貫徹した。
今回の北富士での演習は、2016年11月以来、2年ぶり、15回目の演習だ。日・米は、沖縄での『県』道104号越え実弾砲撃訓練を日本「本土」で分散実施することで「沖縄の負担軽減」と強調している。しかし、その実態は、沖縄では実施していなかった「夜間訓練」や「NBC(核・生物・化学兵器)訓練」が追加され、使用される弾薬も、白リン弾が使われている。訓練の内容は、質・量ともに強化・拡大されているのだ。沖縄でも、「本土」移転演習まで実弾砲撃演習が行なわれていたキャンプ・ハンセンでは、実弾砲撃演習以外の演習が頻繁に行なわれ、その結果、山火事が多発するなど沖縄労働者人民の生活を脅かし続けている。「負担軽減」なぞウソッパチだ。
トランプは、「中間選挙」後、「米朝対話」のポーズを投げ捨て、朝鮮反革命戦争に突入することを狙っている。在沖米海兵隊の実弾砲撃―「本土」移転演習は、そのための「戦争訓練」だ。在沖米海兵隊が朝鮮反革命戦争に出撃するための名護新基地建設阻止を闘う沖縄労働者人民の闘いと結合して「本土」移転演習を阻止する闘いは、「本土」労働者人民の責務だ。全国5ヵ所での移転演習阻止、演習場解体、米軍・自衛隊解体の闘いを爆発させよう。
10・12 在沖米海兵隊の出撃阻止に決起 〈沖縄〉
陸自・北富士演習場(山梨県)での在沖米海兵隊による155ミリ榴弾砲の実弾砲撃―「本土」移転演習に先立ち、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)は、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)の労働者たちとともに、沖縄からの海兵隊の出撃阻止の闘いに決起した。
在沖米海兵隊は、戦争が起これば、真っ先に敵地に乗り込んで強襲作戦を遂行する最凶暴の部隊であり、これまでにもイラクやアフガニスタンなどの戦場にくり返し出撃しては、多くの労働者人民を殺戮してきた。そして今や、「米朝対話」の決裂の時に備えて、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への凶暴な強襲作戦の遂行を虎視眈々と狙っているのだ。北富士演習は、その予行演習に他ならない。在沖米軍による沖縄全体を訓練場にした朝鮮反革命戦争出撃訓練に対決するとともに、「沖縄の負担軽減」に名を借りて、実際には訓練の野放図な拡大・強化を策す「本土」移転演習にも、全力で対決していかねばならない。沖縄―日本「本土」を貫く闘いで、移転演習を粉砕していかなければならない。
10月12日正午、那覇市の目抜き通りにある「パレットくもじ」前に登場した沖縄青年実と沖日労の部隊は、ただちに情宣戦を開始する。「北富士での実弾砲撃演習を粉砕しよう。沖縄からの米海兵隊の出撃を阻止しよう」、「政府が唱える『沖縄の負担軽減』は、まったくのペテンだ。実弾砲撃演習の拡大・強化が真の狙いだ」、「今また『負担軽減』の名で、名護新基地建設が強行されている。新基地建設工事を止めよう。埋め立て土砂の投入を阻止しよう」、「辺野古現地への集中と実力闘争の爆発こそが勝利の道だ。ともに現地闘争に起ち上ろう」という訴えに、行き交う労働者人民の熱い注目と共感が集まる。あいにくの雨天だが、ビラは次々に受け取られていく。仲間たちは、用意したビラをすべてまき切り、権力の弾圧、右翼の敵対を一切許さず、約一時間にわたる情宣戦を貫徹した。
名護市辺野古の新基地建設をめぐり、安倍政府―国土交通相は、10月30日、沖縄防衛局の申し立てを認めて、沖縄「県」による「埋立承認撤回」の「執行停止」を決定した。「行政不服審査法」を悪用・乱用した自作自演の出来レースだ。「県」知事選が示した「新基地建設絶対反対」の民意を蹂躙する暴挙だ。これを受けて沖縄防衛局は、さっそく埋め立て土砂の投入に入ろうとしている。闘いは歴史的な決戦局面に突入した。現地では、怒りを倍加させて、工事阻止の新たな闘いを準備している。沖縄青年実は、沖日労の仲間たちとともに現地攻防の先頭に起つ決意だ。新基地建設を阻止しよう。「本土」移転演習の拡大・強化、〈基地・沖縄〉の再編・強化をともに打ち砕こう。
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