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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

10・14 朝霞駐屯地での自衛隊中央観閲式粉砕闘争を闘う
(1287号2面)

 
全国反戦の基調提起と全学連の決意

 反戦青年委員会と全学連は、10月14日、朝霞駐屯地(東京都練馬区、埼玉県朝霞市・和光市・新座市)で強行される自衛隊中央観閲式粉砕闘争に決起した。

 午前10時、反戦・全学連の部隊は、東武東上線朝霞駅南口広場に登場した。朝霞駅の改札口の前には、警視庁公安や埼玉県警の私服デカが大量に張り付いている。駅のコンコースから階段を降りて南口広場に向かう通路や南口広場の外周部分をすべて埋めるように制服警官が配置されている。安倍が自衛隊を閲兵し、自衛隊員に訓示する中央観閲式を防衛し、朝霞駐屯地を直撃する実力闘争部隊を弾圧するための戒厳態勢だ。反戦・全学連の部隊は、これらの戒厳態勢を切り裂くように南口広場に進み、横断幕や赤旗をかかげ、隊列を整える。

 10時20分、司会の同志が「朝霞駐屯地で強行されようとしている中央観閲式を粉砕する実力進撃戦を闘うに当たって、決起集会を開催します」と宣言し、部隊全体が朝霞駐屯地の方向にむかってシュプレヒコールをあげる。「中央観閲式を粉砕するぞ!」「朝霞駐屯地に進撃するぞ!」「自衛隊の実戦軍化を粉砕するぞ!」「改憲攻撃粉砕!」「安倍政府を打倒するぞ!」。朝霞駅南口の一帯に戦闘的なシュプレヒコールが轟き渡り、それを聞いた通行人や駅一帯の建物の中にいる人々が一斉に注目する。

 続いて、全国反戦の同志が、闘いにむけた基調を提起する。「安倍政府と防衛省は、本日、午前10時半から、朝霞駐屯地で中央観閲式を強行しようとしている。自衛隊員に戦意高揚をせまり、世界で第8番目と言われる軍事予算による軍事力を誇示し、労働者人民に対して、『自衛隊、軍隊に反対するな、協力しろ』とせまることが観閲式を行なう目的だ。これを粉砕する戦闘的なデモで朝霞駐屯地に進撃しよう」「安倍は、10月24日にも臨時国会を開き、憲法九条に『自衛隊』を書き込む改憲案を憲法審査会に出そうとしている。この改憲攻撃と連動したものとして、本日の中央観閲式は強行されようとしている」「3月には、陸上自衛隊に『陸上総隊』を設置し、これまで全国5つの方面隊に分割されていた陸自を一元的に運用するという1954年の自衛隊発足以来、最大の組織再編を強行した。『陸上総隊』の司令部は、朝霞駐屯地に置かれている。さらに、同じ3月には、朝鮮半島に近い九州・佐世保の陸自・相浦駐屯地に『水陸機動団』を2100人で創設した。『水陸機動団』は、米帝の海兵隊にならって作られようとしている。海兵隊は、別名『殴り込み部隊』と呼ばれている。つまり、自衛隊は、これまで建前としてきた『専守防衛』をかなぐり捨て、世界中に出兵する攻撃型の軍隊に作り変えられるのだ」「今年、2018年の観閲式は、陸・海・空の自衛隊の順番からすれば、海上自衛隊の観艦式として行なわれるはずであったが、その順番を入れ替えて、陸自の中央観閲式に変更されている。その理由について、防衛省は、『朝霞駐屯地が、2020年オリンピックの射撃競技の会場になるから』なぞと言っている。しかし、本当の狙いは、『陸上総隊』の創設をもって、陸自を攻撃型の軍隊、朝鮮半島に出兵する軍隊にするためであることは明らかだ」「安倍の戦争遂行と戦時国家体制形成の攻撃は、10月2日に行なった内閣改造でも露わになっている。文科相・柴山は、就任会見で『教育勅語を道徳の教材で使う』と言い出している。『教育勅語』は、戦前、『天皇のために戦争に行って死ぬのが名誉であり、幸福だ』と教えるものであった。まさに、戦争協力、戦争動員のための文部科学省にすると宣言するに等しいものだ。新たな防衛相・岩屋の下では、新たな自衛隊の海外派兵、シナイ半島での多国籍軍監視団への派兵が策動されている」「安倍政府による戦争遂行―戦時国家体制形成の攻撃を打ち破る道は、労働者人民による実力・武装の闘いのほかにはない。沖縄労働者人民が体を張って辺野古の新基地建設を阻止するために、キャンプ・シュワブのゲート前で体を張って座り込みを闘い、海上で闘っているように、われわれも本日の中央観閲式粉砕を闘い、『改憲国会粉砕』をかかげて対国会闘争を闘いぬこう。今日の闘いに続き、10・21反帝―国際連帯全国統一行動の爆発をかちとろう」。中央観閲式の反革命的な狙いを暴きつくし、闘いの方針を鮮明に示した基調提起に対して、部隊全体から「ヨシ!」の声と拍手が沸き起こる。

 全学連が決意表明に起つ。「本日の中央観閲式は、朝鮮反革命戦争にむけた首相・安倍による閲兵式であり、断じて許すことはできない。朝霞駐屯地に実力で進撃して中央観閲式を粉砕し、朝霞駐屯地解体に向けて闘おう。10月24日からの臨時国会は、『改憲国会』になろうとしている。安倍は、憲法9条に『自衛隊』を書き加え、さらに、内閣に権限を集中する『緊急事態条項』の創設を目論んでいる。首相・安倍の命令一つで一切の反戦闘争や労働運動を鎮圧し、戦争への協力を強制する態勢を作ろうとしているのだ。これを粉砕できるのは、労働者人民の実力・武装の闘いしかない。実力・武装の革命的反戦闘争の大爆発で安倍政府を打倒しよう。全学連は、その闘いの最先頭に起ちます」。熱烈な決意表明に対して、拍手が巻き起こる。

自衛隊中央観閲式粉砕の戦闘的デモ

 決起集会を終え、いよいよ朝霞駐屯地に進撃するデモに撃って出る。反戦・全学連のデモ隊列は、沿道の労働者人民から熱い注目を集める。「がんばって」という声援も送られる。朝霞市役所などは、住民に対して「中央観閲式にご理解とご協力を」なぞという広報を出しているが、労働者人民は、安倍の下で自衛隊が実戦軍として強化されていることに危機感を持っている。そのような中で、青ヘルメットの部隊による朝霞駐屯地にむけた実力進撃戦は、闘い抜かれた。機動隊が朝霞駐屯地をとりまく厳戒態勢を敷き、沿道や歩道橋の上には私服刑事があふれている。デモ隊への規制を強める機動隊と対峙し、反戦・全学連のデモ隊は、意気ををさらに高め、朝霞駐屯地のゲート前まで進撃した。

 朝霞駐屯地ゲート前で、反戦・全学連のデモ隊は、ゲートに居並ぶ自衛官に対して怒りのシュプレヒコールを叩きつける。「朝霞観閲式を粉砕するぞ」「朝霞駐屯地を解体するぞ」。埼玉県警は、ゲート前での攻防を想定し、弾圧するために、「警告」のパネルを用意している。警察の規制や弾圧策動をものともせず、闘う部隊はシュプレヒコールを思う存分叩きつけた。その後、反戦・全学連の部隊は、沿道に紛れ込んでいたファシストの野次を一蹴し、進撃を続けた。

 東武東上線和光市駅前までのデモを最期までやりきり、全国反戦からの集約提起がさなれ、10・21反帝―国際連帯全国統一行動の爆発と、「改憲国会」粉砕、名護新基地建設阻止の決戦攻防に決起することを部隊全体が確認した後、シュプレヒコールで、自衛隊中央観閲式粉砕闘争はしめくくられた。

 当日、午前10時半から12時過ぎまで、自衛隊中央観閲式は、陸自・朝霞駐屯地で行なわれ、自衛隊員約4000人、戦車など車両約260両、航空機約40機が朝霞一帯に集結して、戒厳態勢下で強行されている。さらに、中央観閲式では、米軍の垂直離着陸機MV22オスプレイ2機が「祝賀飛行」を実施し、今年3月に新設した陸自の「水陸機動団」が水陸両用車両・AAV7に乗って米軍と共に行進し、日・米軍の連携を誇示した。また、空自のステルス戦闘機F―35A2機が青森県の三沢基地から初参加している。F35については、米軍は米国内でのF―35Bの墜落事故を受け、国内外でのF35の運用を一時停止している。しかし、防衛相・岩屋は、「三沢基地に配備している9機のF―35Aの安全性を確認した」と強弁して中央観閲式での飛行を強行させたのだ。

 当日の観閲式では、居並ぶ自衛官たちに対して、首相・安倍が「訓示」を垂れた。安倍は、まず「全国25万人の隊員一人一人の、高い使命感、強い責任感によって、日本は、日本国民は、守られている」なぞと自衛隊を絶賛すると同時に、労働者人民に「自衛隊への感謝」を強要した。7月に岡山、広島などで労働者人民が豪雨によって命を奪われている時に、「赤坂自民亭」なぞと称して宴会に興じていたことなぞ、この最高指揮官には、もう既に「なかったこと」なのだ。続いて、「北朝鮮に関する国連安保理決議の完全な履行を果たしていくために、瀬取り防止のための警戒監視活動に当たっています」と、「核、弾道ミサイル」を理由にした朝鮮民主主義人民共和国への制裁を正当化し、日帝がその「制裁」実行の先頭に立っていることを自慢した。そして、「我が国の平和は、一国で守りきれるものではありません。積極的平和主義の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄に、日本ならではのやり方で、これまで以上に貢献していく決意であります」と、自衛隊の野放図な海外派兵への野望を露わにした。そして、最後には、安倍の悲願である「改憲」に言及し、「全ての自衛隊員が、強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは、今を生きる政治家の責任であります。私は、その責任をしっかり果たしていく決意です」と改憲への決意を表明した。ブルジョア・マスコミも、この発言については、「首相 改憲に意欲 観閲式」(朝日)「首相 陸自観閲式で訓示 改憲への意欲あらわ」(毎日)「首相が観閲式で訓示、自衛隊明記の改憲に意欲」(読売)と報じている。

 このように、中央観閲式は、安倍の「訓示」によって明らかなように、戦争遂行―戦時国家体制形成の一環として位置付けられ、強行された。自衛隊員に対して「自衛隊の違憲状態を無くすから、命をかけて戦争に突撃しろ」と命令するものとして強行されたのだ。 自衛隊中央観閲式強行を弾劾し、臨時国会=「改憲国会」粉砕を闘おう。朝霞駐屯地をはじめとした自衛隊・米軍基地を解体する反基地闘争を闘おう。沖縄・名護新基地建設阻止の決戦攻防に決起しよう。革命的反戦闘争の爆発で安倍極右政府を打倒しよう。

 自衛隊中央観閲式当日、今回もファシストどもが朝霞駐屯地周辺に集結し、街宣車の大音響でがなりたてながら自衛隊激励行動を行なっていた。安倍政府の朝鮮反革命戦争突撃下、ファシスト勢力が跳梁し、反北朝鮮―反共・排外主義攻撃を強めている。戦争熱を煽り、反戦勢力への敵対―襲撃を狙う反共ファシストを撃滅しよう。