御茶ノ水駅頭で情宣闘争に決起
 Ｐ―３Ｃ哨戒機２機が、１０月１２日に、青森県八戸航空基地から出撃した。要員は、１０月２０日に成田空港から民間機で出撃する予定だ。出撃した部隊は、ソマリアの隣国である、紅海沿岸のジプチのジプチ空港内に構える自衛隊基地に駐屯し、部隊展開をすることになる。
ソマリア沖には、米軍をはじめとした北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）諸国の軍隊、中国軍、韓国軍などがひしめいている。自衛隊は、護衛艦１隻を「多国籍任務部隊」に参加させ、２０１５年５月からは、「多国籍任務部隊」に司令部要員として海上自衛隊の将補クラス約１０人を派遣している。
安倍極右政府は、ソマリア沖での「海賊対策」と称して、自衛隊部隊を派兵しているが、実際の目的は、海外派兵の実績を積み重ね、海外にあるただ一つの自衛隊基地―ジプチの自衛隊基地を中東反革命戦争の出撃拠点として、いっそう強化することにある。自衛隊がジプチから中東に出撃し、労働者人民虐殺に踏み込もうとしているのだ。こうした、自衛隊のソマリア沖派兵を、断じて許すことはできない。断固として阻止しなければならない。
１０月１２日、反戦・全学連の部隊は、自衛隊のソマリア沖派兵粉砕、Ｐ―３Ｃ出撃阻止の闘いに起った。午前１０時、ＪＲ御茶ノ水駅頭に登場した部隊は、ゼッケン、ヘルメットをつけ、整列してシュプレヒコールを行なう。駅頭に響きわたるアジテーションを行ない、ビラまきを開始する。自分から手をだしビラを受け取っていく人、立ち止まって横断幕を見ていく人、「若い人を闘いに巻き込まなきゃいけない」と意見を言ってくる人など、多くの労働者人民が注目し、ビラの捌けもよい。約１時間の情宣を終え、最後に、再びシュプレヒコールを行ない、この日の闘争を締めくくった。
９月２８日、自衛隊・統合幕僚監部は、海自第２航空群（八戸）を基幹とする、Ｐ―３Ｃ哨戒機２機と要員のソマリア沖への出撃を発表した。現在ソマリア沖で展開しているＰ―３Ｃ派兵部隊の交替部隊を、「第３３次派遣海賊対処行動航空隊」として編成し、新たに派兵するというものだ。ソマリア沖へのＰ―３Ｃ哨戒機の出撃は今回で３３回目である。
２００９年３月からソマリア沖で展開する海自護衛艦１隻は、民間船舶を率い、定期的にソマリア沖のアデン湾を往復している。護衛艦は、計３１回派兵されており、最近では８月５日に、護衛艦・「いかづち」が、海自・横須賀基地から出撃している。Ｐ―３Ｃ哨戒機は、アデン湾上空から監視活動を行ない、海上で展開する艦隊と連携し、情報提供を行なっている。
ジプチを拠点とした自衛隊の中東反革命戦争参戦を許すな
自衛隊ソマリア沖派兵は、２００９年３月に、当時の麻生政府が、「海上警備行動」を発令して海自護衛艦２隻を出撃させて開始された。その後、麻生政府は、同年５月に、派兵規模をさらに拡大し、Ｐ―３Ｃ哨戒機と陸上自衛隊・中央即応連隊、航空自衛隊・Ｃ１３０輸送機１機をジブチに送り込んだ。陸・海・空３自衛隊が統合しての、ソマリア沖での部隊展開に一挙に踏み込んだのだ。安倍政府になってから、２０１４年７月には、編成を変更し、「派遣海賊対処行動航空隊」から業務隊、警衛隊、警務隊を分離させた「派遣海賊対処行動支援隊」を立ち上げている。この部隊は、ジプチの基地を拠点として維持するものだ。
安倍極右政府は、自衛隊唯一の海外基地である、ジプチの基地を恒久化する方針である。
ジプチ基地は、２０１１年６月に、ジブチ共和国の首都・ジブチの国際空港敷地内に開設された。現在、基地要員として基地業務と警護を担当する陸自の８０人、海自の３０人と軽装甲機動車が常駐し、「海賊対策」として派兵されている水上隊、航空隊も含めて、合計５００人〜６００人が常駐している。このジプチの基地について、防衛省は、「活動拠点」ないしは「拠点」と呼ぶが、明確に自衛隊唯一の海外基地である。
安倍政府―防衛省は、「『海賊対策』が終了しても、ジプチの拠点を維持・活用することは不可欠」だと判断したと報じられている。「海賊対策の終了」が取り上げられる根拠は、「海賊事案」の減少である。２０１１年に、最大の２３７件であったものが、２０１５年には０件、２０１７年は９件となっており、「海賊対策」が永続することはないという判断である。こうした中で、「ジプチの拠点を維持・活用することは不可欠」というのは、何としても中東反革命戦争に参戦するための拠点として、ジプチを維持するという固い決意に他ならない。�牋貪抒�設したものを閉鎖することなぞできるか、今後は、中東反革命戦争参戦の拠点として活用していく�瓩箸いΔ里澄Ｆ�帝は、ジプチ基地の恒久化のために、ジブチ政府に同意を得なければならない。そのために、年内に調整に入り、自衛隊装備品の無償譲渡と整備支援を行なうという。
自衛隊は、約１０年にわたるソマリア沖出兵を続け、中東労働者人民に銃口を向け続けている。中東反革命戦争の拡大・激化と対決し、日帝の参戦と対決する革命的反戦闘争を全力で闘おう。
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