解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

10・10 フィリピントヨタ労組237人の解雇を撤回せよ
トヨタ東京本社前闘争を闘う
(1286号5面)

「フィリピン現地の問題」という詭弁が破綻したトヨタ資本を徹底追及

 10月10日、午後5時20分から、東京・飯田橋のトヨタ東京本社前で、東京総行動(主催:「けんり総行動実行委員会)の一環として、フィリピン現地工場での大量不当解雇をもってする労組破壊を居直り、今なお労組破壊工作を続けるトヨタ資本を徹底的に追及する行動が闘われた。この行動には東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合の仲間も結集し闘いぬいた。

 トヨタ資本は、2001年、フィリピントヨタ労組(TMPCWA)を潰すために、組合員233人の大量解雇を強行した。トヨタ資本の責任を追及し、解雇を撤回させる闘いは、18年目に入った。2017年の夏には、国際労働機関(ILO)からのたび重なる勧告を受け、フィリピン政府の雇用労働省長官が、トヨタ本社の代表取締役会長に対して解決要請の書簡を提出するという事態となった。これに対して、トヨタは、書簡への回答を5ヵ月も放置したうえで、権限もない「アジア・中東・北アフリカ地域担当本部長」が、「本件は、フィリピンの問題であるからフィリピントヨタ社に言ってもらいたい。本社に持ち込まれるのは筋違いである」なぞという傲慢な回答を行ない逃げを打った。さらに、今年8月、再び雇用労働省長官がトヨタ社長・豊田章男に対して、「貴殿と会談して本件長期争議解決の方途を模索したい」と申し入れを行なった。このようなフィリピン政府からの解決要請が繰り返されていることに対して、トヨタは、フィリピン大統領・ドゥテルテの甘心を買おうとして、フィリピントヨタが製造した自動車をドゥテルテに寄贈している。しかし、この自動車寄贈のために、豊田章男自身がフィリピンに出向き、自分で鍵を渡したことによって、「フィリピンのことはフィリピンの現地法人が処理すべき事柄であり、法人格の異なる日本のトヨタ本社の問題ではない」という詭弁が破綻することとなった。

 毎年9月には、フィリピントヨタ労組の代表が来日し、愛知県のトヨタ本社や、東京都のトヨタ東京本社に対する追及行動を闘っている。今年も9月14日から19日までの間、フィリピントヨタ労組のエド委員長と組合員の2人が来日し、追及行動を闘った。これに対してトヨタ資本は、出勤する労働者がビラを受け取るのを監視し、ビラを取り上げるなどの許し難い妨害行為を行なっている。トヨタ東京本社前で闘われた追及行動は、九月のフィリピントヨタ労組の追及行動を引き継ぎ、「フィリピン現地の問題を日本の本社に持ち込まれるのは筋違いである」なぞという詭弁が破綻したトヨタ資本をさらに追いつめる闘いとして闘われた。

「フイリピントヨタ労組を支援する会」が現地報告

 主催者あいさつで東京全労協の代表は、「今日の東京総行動には、インドネシアのユニクロで働き、解雇された労働者や、トヨタの塗装関係の会社で働き、解雇された神奈川シティユニオンに加盟する外国人労働者の仲間も参加しました。フィリピントヨタの悪行を暴き、不当解雇―労組破壊を許さぬ闘いを闘いぬきましょう。私たちは、韓国スミダの闘いをはじめとして、国際連帯をかかげて日本の資本の下で働く外国人労働者の労働条件の問題や解雇問題を闘ってきました。共同の力ですべての争議に勝利することができます。『働き方改革』の法案が成立しましたが、『八時間労働制を守る』闘いに必ず勝利しましょう」と訴えた。

 フィリピントヨタ労組を受け入れ、支援している全造船関東地協事務局長の早川氏は、「労働者一人ひとりの力は弱くても、団結して闘えば資本に対して勝つことができる。このことをフィリピントヨタ争議で証明していきましょう」と呼びかけた。

 「フィリピントヨタ労組を支援する会」事務局の田中氏がフィリピン現地の報告を行なう。「現在、フィリピンでは、フィリピン政府の労働雇用省の長官が、本件を解決するために動いています。8月には、トヨタの豊田章男社長に手紙を送り、『あなたと2人で話して争議の解決を図ろう』と申し入れた。この手紙がトヨタ本社に届いているのを私たちは確認している。豊田社長はどうするのか、これが今日の行動の大きな課題です。フィリピンでは劣悪な派遣労働をなくす法律や、『労働安全衛生法』のような法律を作る動きが始まっている。これに対して、保守派や反動派、軍部からのすさまじい妨害があると聞いています。『ストライキが多すぎる』という理由で『ドゥテルテ大統領を追放しなければならない』という動きもあります。そのような中でも、労働雇用省の長官は、『最高裁の判決が出ても、争議は解決していない』と言い、その解決に動いています」。

 続いて、トヨタ東京本社にむけてシュプレヒコールが叩きつけられる。「トヨタは、組合つぶしをやめろ!」「フィリピンでの組合つぶしをやめろ!」「237名の解雇を撤回しろ!」「解雇を撤回して職場に戻せ!」「トヨタは、ILO勧告に従え!」「争議を解決しろ!」「団結権侵害を許さないぞ!」「トヨタは、フィリピン現地労働者の声を聞け!」「トヨタは、解決のテーブルに着け!」「争議解決まで闘うぞ!」「世界の仲間と闘うぞ!」。
 トヨタ東京本社前での闘いは、最後に連帯あいさつとして、ユニクロによって解雇されたインドネシアの労働者、韓国・仁川で双竜自動車との争議を闘う民主労総組合員、JAL争議団、神奈川シティユニオンからの発言を受け、シュプレヒコールと「団結ガンバロー」で締めくくられた。