内乱鎮圧の拠点・陸自練馬駐屯地正門前に決起
9月2日、東京都では、「東京都・中央区・港区合同総合防災訓練」が強行された。
東京都の「合同総合防災訓練」には、陸上自衛隊・練馬駐屯地から第1普通科連隊の部隊が出動しているが、首都圏を含めて関東一円を管内におさめる第1師団の司令部が置かれ、内乱鎮圧を目的とする第1普通科連隊を擁する陸自・練馬駐屯地は、首都内乱鎮圧部隊の拠点として位置づけられている。自衛隊の治安出動訓練粉砕の闘いは、内乱鎮圧部隊の拠点・練馬駐屯地を解体する闘いと一つのものである。
9月2日早朝の闘いは、練馬駐屯地からの「防災訓練」への出動を阻止し、首都内乱鎮圧の拠点・練馬駐屯地を解体する闘いとして闘いぬかれた。午前6時45分、反戦・全学連の部隊は、ゼッケン、ヘルメットを装着して、練馬駐屯地正門前に登場する。ただちに、正門前に整列し、横断幕をかかげ、シュプレヒコールをくり返し叩きつける。「自衛隊の治安出動訓練を粉砕するぞ」「陸自の『防災訓練』出動を阻止するぞ」「自衛隊、米軍参加の『防災訓練』を粉砕するぞ」「自衛官は、出動を拒否せよ」「内乱鎮圧の拠点・練馬基地を解体するぞ」。
練馬駐屯地では、反戦・全学連部隊の登場に対して、あらかじめゲートの鉄柵を閉めきり、警衛隊をゲートの外に配置している。ゲートの中からは、数人の隊員が執拗にビデオを撮り、さらに、ライフル銃を所持した隊員2人があわてて増員され、反戦・全学連部隊を威嚇してくる。警視庁公安と署轄の光が丘署は、十数人がゲート付近に待機し、弾圧の機会を狙っているが、反戦・全学連の部隊は、こうした弾圧シフトと対決し断固として闘いぬいた。
9月2日の「東京都・中央区・港区合同総合防災訓練」は、中央区会場を中央区立浜町公園及び周辺地域、港区会場を港区立小中一貫教育校お台場学園港陽小・中学校、港区立お台場レインボー公園及び周辺地域として行なわれ、両会場合わせて約7000人が参加している。中央区会場(浜町公園)では、地震による建物倒壊や大規模火災等の複合的な災害を想定した、警察・消防・陸自部隊による救出救助訓練などが行なわれ、港区会場(お台場海浜公園)では、陸自がゴムボートを使って水難救助訓練を行ない、船舶を活用した人的・物的応援の訓練も実施されている。
「東京都・中央区・港区合同総合防災訓練」会場前で闘う
午前8時15分、反戦・全学連の部隊は、大雨が降りしきる中、中央区会場である浜町公園の目の前に登場した。「自衛隊主導の『防災訓練』を粉砕するぞ」「自衛隊の治安出動訓練を粉砕するぞ」「戦争動員態勢形成を粉砕するぞ」というシュプレヒコールが会場を直撃し、用意したビラは、雨にもかかわらず次々と捌けていく。横断幕を注視する人、アジテーションに聞き入る人など、「防災訓練」粉砕闘争への労働者人民の注目と共感が広がっていく。会場の真ん前に登場したわが部隊に度肝を抜かれたか、2人の警官は会場入口にクギづけにされたまま、応援部隊、排除部隊を呼ぶこともできない。反戦・全学連の部隊は、権力に一指も触れさせず、断固として闘いを展開した。
警視庁は、9月1日午前9時から約15分間にわたって、都心から放射状に郊外に走る主要幹線(「湾岸道路」「第1京浜」「第2京浜」「中原海道」「目黒通り」など)34本と環状七号線(環七)が交わる交差点39ヵ所で、都心方向への一般車両の流入を規制する訓練を行なった。また、同日、警視庁と神奈川県警は合同で、東京都と神奈川県を結ぶ国道246号線の多摩川を挟んだ川崎市高津区の切通し交差点から東京都世田谷区の上馬交差点までの約6・5キロの区間を通行止めにし、緊急自動車専用路を確保したり、立ち往生した車を撤去する訓練を行なった。
これらは、首都東京の中心部を自衛隊、警察、消防の車両で制圧し、首都の治安を維持するための訓練だ。首都中枢の治安の確保―戒厳令施行へ向けたものであり、断じて許してはならない。
戦争動員態勢形成の一環である「防災訓練」を粉砕せよ
今年3月に創設された「日本版海兵隊」と呼ばれる陸自の「水陸機動団」が、9月1日の長崎県「佐世保市総合防災訓練」に参加している。「水陸機動団」の水陸両用車(AAV7)は、海自のエアクッション型揚陸艇(LCAC)の航路を確保したり、上陸して住民を誘導したりする訓練を担った。この訓練は、まさに、朝鮮反革命戦争突入時の上陸作戦の訓練そのものである。今年の「佐世保市総合防災訓練」は、陸自・相浦駐屯地を主会場に行なわれた。「水陸機動団」は、ここに本部を置いている部隊だ。「防災訓練」が自衛隊主導で行なわれ、かつ、その場が、朝鮮反革命戦争突入訓練の場とされているのだ。こうした「防災訓練」を断じて許してはならない。
「防災訓練」では、町内会や小・中・高の生徒が多数動員され、自衛隊、米軍などの指示の中で様々な訓練に参加させられている。東京都では、2013年に都立田無工業高校、2014年には都立大島高校の生徒を自衛隊基地に宿泊させる「宿泊防災訓練」を行ない、2015年の「防災訓練」では、都立高校四校の生徒・約200人が、初期消火、救助・搬送、応急救護訓練などを自衛隊とともに行なっている。「防災訓練」ではないが、2016年には、武蔵村山市立第五中学校で実施された地域交流行事で、米軍横田基地の米兵らが、整列、行進、敬礼などの練習をさせ、担架で土のうを運んだり、「障害物競走」と称してネットを張った下を「ほふく前進」させているのだ。
戦争動員態勢を形成し、下からのファシズム大衆運動の形成を見据えた攻撃を切り裂き、朝鮮反革命戦争突入絶対阻止の革命的反戦闘争を闘いぬこう。
毎年9月1日に行なわれている「朝鮮人犠牲者追悼式」に、東京都知事・小池は、長年にわたって都知事が送り続けてきた「追悼文」の送付を、昨年に続き今年も取りやめた。主催者は、「震災の犠牲者と、人の手で虐殺された死は違う。その事実を認めず、埋没させるのは負の歴史を反省せず、現代において民族排外主義やヘイト・スピーチの容認にもつながる」と小池を鋭く批判している。「日本会議」に所属する小池が、その本性をむき出しにしたものがこれである。都知事・小池を許さず、差別主義・排外主義攻撃と対決しよう。
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