「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」と反戦・全学連は、9月1日、「宮城県総合防災訓練」粉砕の現地闘争に起ち上がった。
宮城県及び七ヶ浜町主催による「宮城県総合防災訓練」が七ヶ浜町サッカースタジアムをメイン会場として、亦楽(えきらく)小学校、七ヶ浜中学校、アクアリーナ南側町道及び第2スポーツ広場で強行された。午前8時40分、青ヘルメットの部隊は、メイン会場である七ヶ浜サッカースタジアム直近の交差点に登場する。続々と、「防災訓練会場」に向かう徒歩の住民、児童・生徒、バスで「会場」に向かう児童・生徒、マイクロバスで「会場」に向かう住民などが、青ヘルメット部隊に注目する。横断幕を掲げ、「防災訓練会場」に向け、シュプレヒコールをあげる。「宮城県総合防災訓練を粉砕するぞ」「自衛隊の治安出動訓練を粉砕するぞ」「戦時国家体制形成を許さないぞ」「朝鮮反革命戦争突入絶対阻止」。制服警官と宮城県警の公安が、規制に入るが、及び腰だ。思う存分シュプレヒコールを叩きつけた青ヘル部隊は、会場を後にし、仙台駅前に向かう。
午前9時45分、仙台駅前で、「宮城県総合防災訓練」粉砕の情宣、ビラまきを開始する。「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」の仲間がシュプレヒコール、アジテーションを行なう。駅前を行き交う労働者・市民は、青ヘル部隊に注目しながら、ビラを次々に受けとっていく。ここでも、宮城県警の公安が規制に入るが、一切の弾圧を許さず、情宣行動を貫徹した。
宮城県及び七ヶ浜町主催による「宮城県総合防災訓練」は、「午前9時、宮城県沖を震源とするマグニチュード9・0と推定される地震が発生、七ヶ浜町では震度5強を観測し、3分後には大津波警報が発表され、沿岸地域に対して避難指示(緊急)を発令した」「津波は20分後に到達し、浸水により孤立した地域住民が発生するとともに、津波により流された町民が救助を待っている状況である」「さらには、数箇所の家屋から同時多発的に火災が発生し、延焼拡大している」という想定のもと、防衛省自衛隊宮城地方協力本部、陸上自衛隊第6師団(第22普通科連隊、第6飛行隊)、陸上自衛隊東北方面航空隊、宮城県警、第2管区海上保安本部、宮城県職員、七ヶ浜町職員、消防など防災関係機関等、70の機関・団体、児童・生徒ら町民2000人が参加し強行された。七ヶ浜町では、七ヶ浜町制施行60周年にあたるこの年、「将来の担い手を育成する観点」からも町内全小中学校の児童・生徒も巻き込み、町内全小中学校の休みを返上して、登校日とし、児童・生徒の「防災訓練」への動員を強行した。さらに、会場に自衛隊の高機動車、軽装甲機動車や、ヘリコプター、宮城県警本部の高性能救助車、パトカーなどの車両を一堂に展示するなど、地域住民を巻き込み、「防災意識」を高めるという名目のもと、朝鮮反革命戦争に向けた戦時国家総動員体制を作り上げようというのだ。
「9・1防災訓練」は、国、自治体、自衛隊、海上保安庁、警察、消防、企業内(職場)防災組織、町内会、などの地域防災組織の総力をあげた訓練として全国各地で強行されている。関東大震災を「教訓」とする「9・1防災の日」の「防災訓練」とは、自衛隊の治安出動―内乱鎮圧攻撃をもって労働者人民の闘いを暴力的に鎮圧し、さらに、関東大震災時、朝鮮人・中国人6600人以上をデマにより虐殺した自警団のように、地域末端からファシズム大衆運動を組織化していく訓練なのである。こんな自衛隊を全面に押し出した「防災訓練」は、粉砕されなければならない。自衛隊の治安出動―内乱鎮圧訓練を粉砕しなければならない。戦時国家総動員体制形成を粉砕しなければならない。
わが青ヘル部隊は、治安出動訓練―内乱鎮圧訓練としての「9・1防災訓練」の実態を暴露・弾劾し、実力で粉砕するために、毎年、「宮城県総合防災訓練」粉砕に起ち上がり、現場での攻防を打ちぬいてきた。われわれは、あくまで現場攻防にこだわり、宮城県における「9・1防災訓練」を粉砕しぬく決意である。
9・1「沖縄県総合防災訓練」粉砕に決起 〈沖縄・那覇〉
9月1日午前10時から、那覇市奥武山公園をメイン会場として、「沖縄県総合防災訓練」が強行された。「防災」に名を借りた自衛隊の治安出動訓練だ。自衛隊が主導し、行政機関や住民団体まで総動員した内乱鎮圧訓練だ。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会(沖縄青年実)は、沖縄・首里日雇労働組合(沖日労)の仲間たちとともに、「総合防災訓練」粉砕の闘いに決起した。
今回の「沖縄県総合防災訓練」は、沖縄「県」と南部圏域14市町村が主催となり、「大規模な地震と津波の発生により、沖縄本島南部圏域に甚大な被害が発生した」という想定のもとに、自治体、消防、警察、海保、電力・通信関係企業などの「指定公共機関」、医療機関などを総動員して行なわれた。
「沖縄県総合防災訓練」には、全国の「総合防災訓練」と比べて、大きな特徴がある。沖縄では、「県」などが主催する「総合防災訓練」に自衛隊が「参加する」というのは形ばかりで、実際には、「総合防災訓練」と並行して、自衛隊が「離島統合防災訓練」と銘打って、統合幕僚監部の指揮・命令の下、大量の陸・海・空の統合戦力・統合兵力を投入して、独自の訓練を行なっているのだ。そうである以上、主催者である「県」や市町村とは「連携」するだけであって、主催者の計画や指揮・監督などには、一切制約されない。「主催者の要請も統制も関係ない。自衛隊に黙ってついてこい」というわけだ。
統合幕僚監部の発表によれば、その人員は約430人、航空機約10機、艦艇1隻、車両約60両という。現実は、「総合防災訓練」に自衛隊が「参加する」というようなものではなく、自衛隊の「離島統合防災訓練」という名の軍事演習の下に、「県」の「総合防災訓練」が組み込まれていると言っても過言ではない。自衛隊が、朝鮮反革命戦争時に離島で発生する軍事戦闘に備えて、自治体、消防、警察、海保、そして住民などを総動員するシミュレーションを行なっていると言うべきだ。
しかも、これらの部隊が、「総合防災訓練への参加」を名目に、治安維持目的の陸自部隊を筆頭に、「県」南部一帯をわがもの顔で動き回るのである。それは、沖縄戦で日本軍が行なった「集団強制死」や「スパイの嫌疑」による住民虐殺の歴史を消し去り、沖縄労働者人民に自衛隊を売り込もうという、宣撫工作でもある。こんなことを許すわけにはいかない。
沖縄青年実と沖日労の仲間たちは、怒りに燃えて粉砕闘争に決起した。午前10時、パレットくもじ前に登場した青ヘルの部隊は、「『沖縄県総合防災訓練』、自衛隊による『離島統合防災訓練』を粉砕しよう」、「自衛隊の治安出動訓練と宣撫工作を許すな」、「自衛隊の強化、宮古、石垣、与那国への自衛隊配備に対決しよう」、「辺野古現地に結集しよう。埋め立て土砂の投入を阻止しよう。実力闘争の爆発で名護新基地建設を阻止しよう」と訴えた。「陸・海・空3自衛隊が主導する『沖縄県総合防災訓練』を粉砕しよう」と題するビラが、行き交う労働者・市民に配布される。ビラを手にした労働者が「米軍基地にも反対だが、自衛隊にはもっと反対だ」と語りかけてくる。青ヘルの部隊は、用意したビラをすべてまき切り、労働者人民の圧倒的な支持と共感を巻き起こして、約1時間にわたる情宣を終えた。
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